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教育・習い事
英国王室、米大統領、Amazon創設者、ハリウッド俳優に影響与えた”モンテッソーリ教育”

英国王室、米大統領、Amazon創設者、ハリウッド俳優に影響与えた”モンテッソーリ教育”

参照 : www.flickr.com

ローマに誕生して以来世界中で支持され、教育界に大きな影響を与えたモンテッソーリ教育。子どもたちが生まれながらに持つ”自ら成長する力”を引き出すメソッドです。英国のジョージ王子の保育園もモンテッソーリ学校だと話題に！この教育法の詳細から創設者マリア・モンテッソーリの生涯、支持者と同教育の卒業生たちをご紹介します。

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Ostia

参照 : www.flickr.com

子どもの知的好奇心を刺激する！モンテッソーリ教育

1907年、イタリア人医師マリア・モンテッソーリが考案しローマに誕生して以来、またたく間に全世界に広まったモンテッソーリ教育。現在、世界110か国で約22,000校のモンテッソーリスクールが存在しているといいます。欧米ではオルタナティブ教育としても評価を得ているメソッドで、アメリカではモンテッソーリブームが２度も起こり、数多くの私立・公立学校でこのプログラムが導入されました。日本でも1960年代に紹介されており、潜在能力を引き出して、知的能力を向上させる早期教育、また小学校のお受験対策といった英才教育として注目されています。各界でさまざまに活躍する多くの人材を輩出している教育法でもあり、その正しさは大脳生理学、心理学、教育学など各方面で証明済。

最近では、英国王室のジョージ王子が通園する保育園がモンテッソーリ学校だと話題に。

イギリスのウィリアム王子と妻キャサリン妃の長男ジョージ王子が1月6日から、ノーフォーク州のウェストエーカー・モンテッソーリ保育園への通園を始めた。
出典：m.huffpost.com

今、現代に生きる親子にこそおすすめしたい、このモンテッソーリ教育を徹底的にご紹介します！

モンテッソーリ教育の特徴

モンテッソーリ教育の目的は、

それぞれの発達段階にある子どもを援助し、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学びつづける姿勢を持った人間に育てる」こと
出典：sainou.or.jp

です。そしてこれを達成するための基本理念が、

子どもは、自らを成長・発達させる力をもって生まれてくる。大人(親や教師)は、その要求を汲み取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならない
出典：sainou.or.jp

という考え方。これを実際に実践していくために、考案者のマリア・モンテッソーリは３つの大事な柱を主張しています。早速見てみましょう！

①敏感期 – 成長段階に合わせ、その時期に最適な能力をつける

月齢、年齢ごとに子供たちの興味の対象がつぎつぎ移り変わる点に着目し、脳生理学に基づき、さまざまな能力の獲得には、それぞれ最適な時期があると結論付け、これを｢敏感期」と名づけた。
出典：ja.wikipedia.org

例えば、何でも真似っ子をしたがる2～3歳の時期。これは「模倣期」とも呼ばれる時期で、体をある程度自由に動かせるようになる”身体発達と運動の敏感期”でもあります。この時期は、例えば料理やお買い物、お片付けなど日常生活を通して秩序だった動き方、身のこなし方を伝えるのです。

子どもは、自分の意志どおりに動く身体をつくり、自分のことが自分でできるようになります。
その結果、自立心、独立心が育ちます。
出典：sainou.or.jp

また、1歳ごとの年齢別ではなく、年上と年下の児童の混合クラスを編成するのも特徴です。

異年齢の混合編成で生活することにより、年齢、興味、関心など、様々な子ども達が一緒に生活することによって、お互いに刺激を受け合い、学び合い、助け合うことを重視しています。
出典：kiramekihoikuen.jp

②感覚教育

子どもたちを常に観察することから、教育法を考え続けたモンテッソーリ。さまざまな発達段階で身体的・知的な感覚に大きな影響を受ける子どもたちを研究してきました。そして、感覚刺激に敏感になり、五感を洗練しようとする２～4歳の時期に特に必要なのが、この感覚教育であると説いています。それはまさに、

感覚を洗練させ、意識的吸収精神を助長して抽象的概念を獲得させ、ものを考える方法を身につけさせる
出典：sainou.or.jp

ための教育法。これは、彼女と助手たちが開発したカラフルで温かみのある独特の教具やオブジェに触れながら学ぶことができます。おもちゃやインテリアとしても素敵な感覚教具については、別記事でじっくりご紹介します！

③自発性を促す自由な環境

モンテッソーリ教育では、学びの場は”学校”ではなく、”子どもの家”と呼ばれます。そして子どもたちが安心して自由に遊びながら、自発的に活動できる環境を整える必要性を強調しています。空間が清潔に保たれ、子ども目線で全体を見渡せることも重要。さらに、周囲の大人は「教える人」ではなく、子ども一人一人を観察し、自主活動を援助する”人的環境要素”とされます。

こうした環境を整えたモンテッソーリ･スクールの例をご覧下さい。

まるで児童図書館やプレイルームのような雰囲気です。幼稚園ならまだしも、教壇があって、黒板があって、子どもたちは一斉に机に座って…といういわゆる小学校とは全く違いますね。

ちなみに、モンテッソーリ教育は幼児教育と混同されがちですが、実はそうではありません。モンテッソーリは24歳までを視野に入れてこの教育体系を作り上げており、欧米では同メソッドで教育する中学校、高校も多々あるのです。

また、「子どもの自主性を重んじ、自由に学ばせる」とは言っても、させたい放題というわけではありません。この教育法では、自由な活動を確保する一方で、その環境の中で生活するためのルールが存在するのです。例えば子どもたちは、自分たちが使う教具は、自分で選びます。

いったん自分が使おうと選んだ教具は、大切に扱うこと、その教具の目的に沿って使われること、最後までやり遂げること、そして、以前置かれていた場所に、置かれていたように戻すことが、子どもたち一人ひとりに求められます。
出典：blog.goo.ne.jp

創設者マリア・モンテッソーリが残した『自由と規律はコインの裏表』という名言からも、この教育法のモットーが窺われます。ということで、次の章では、その創設者マリア・モンテッソーリについて詳しくご紹介します。

創設者マリア・モンテッソーリについて知ろう

Maria Montessori（マリア・モンテッソーリ）は1870年8月31日、中部イタリアマルケ州のキアラヴァッレという町で生まれました。教育熱心な両親のもと、5歳でローマに移住し、学校の先生になることを期待されて育てられます。ところが本人は、ローマ大学医学部に入学。女性としては数少ない歴史的事例です。その後女性差別に屈せず、1896年に医学博士号を取得し、イタリアで最初の女医となったのです。医者として精神病院で働きだしたマリア。知的障碍があるとされ、医療らしい医療を受けずに見放されている子どもたちが、パンくずで遊んでいる姿を目のあたりにします。注意深く観察していると、知的な進歩はないと考えられていたはずの子どもたちが感覚的な刺激を求めていることが分かりました。さらに指先を動かすおもちゃなどを与えてみると、彼らに知的水準の向上が見られたのです。障碍児の感覚教育法を施し知的水準を上げるという効果を見せたマリアは、さらにそのメソッドを拡大して貧困層の健常児を対象とした保育施設「子どもの家」を1907年に設立。その独特な教育法を完成させました。

女性としても先駆者的軌跡を残した偉人だった！

シングルマザーの先駆け
出典：ja.wikipedia.org

マリアは、同僚の医師ジュゼッペ・モンテサーノと恋に落ちます。彼は後年イタリアの心理学・幼児精神心理学を確立した一人と称えられる人物。当時、発達障害を抱える子どもたちの研究に一緒に取り組む同僚であったマリアとの恋愛はスキャンダル必至でした。研究に対する科学的結果の信憑性が疑われることや、幼児専門クリニック設立のための国家補助金の取消などを恐れ、彼はマリアに二人の関係を秘密にするよう切願します。そして1898年、マリアは28歳の時に私生児として息子を出産したのです！生まれた子は養父母に預けることに。その後14歳で引き取り手元で育てますが、周囲には「甥っ子」と言っていたそうです。

息子の幼少期を共に過ごせなかったことが、マリアの幼少児教育への情熱をより一層高めたとか。息子マリオはその後、母の教育事業を手助けし、モンテッソーリ協会会長として同教育法の普及に力を尽くしました。後年の仲睦まじそうな親子の写真が多々あります。

イタリアではマリア・モンテッソーリの名前を知らない人はいない

20世紀初頭における女性の社会進出の最先鋒として男性と対等な地位を獲得
出典：ja.wikipedia.org

1950年、ノーベル平和賞の候補にもあげられている
出典：ja.wikipedia.org

高齢になってから、世界平和と子供の尊厳を訴える運動を世界各国で展開し、その功績が称えられて候補に挙げられました。

また母国イタリアでは、彼女の功績を称えて1990~1998年まで発行されていた1000リラ札に肖像画(表)とその学習風景(裏)を使用していました。

モンテッソーリの「子どもの家」が設立してから100周年を迎えた2007年にはこんな記念切手も。

世界中で偉人として名を残している

晩年はアムステルダムで過ごしたマリア・モンテッソーリ。彼女が暮らした邸宅には現在、国際モンテッソーリ協会（AMI）の本部が置かれています。

2007年にはモンテッソーリが生涯を閉じた国、オランダのフラッグ・キャリアーであるKLMがモンテッソーリ教育100周年を記念した「マリア・モンテッソーリ号」を就航させました。
出典：matsuura-monte.com

モンテッソーリ教育の支持者たち

ヘレン・ケラーとサリバン先生

重複障碍を抱えながら教育と福祉の発展に尽力したヘレン・ケラーとアン・サリバン先生。同時代を生きた彼女たちは、その教育法の熱烈な支持者でした。 1913年7月には、アメリカを訪問していたマリア・モンテッソーリと面会もしています。この時、ヘレンたちがモンテッソーリに送った感謝状に同封した自分たちの写真と署名が今も残されています。手書きで、”To Dottoressa Maria Montessori with our admiration and gratitude signed, Helen Keller and Anne Sullivan Macy, July 1913.(マリア・モンテッソーリ女史へ、私たちの敬愛と感謝を込めて、ヘレン・ケラー＆アン・サリバン、メイシーにて1913年7月)” とありますね。

ジークムント・フロイト

精神分析学者、精神科医の偉大なる父、ジークムント・フロイト（1856~1939年）。彼もマリア・モンテッソーリと交流があり、この教育法の支持者でした。

If everyone had your schools, they wouldn’t need me!（もし、全ての人があなたの学校に行っていれば、私など必要なかっただろう！）
出典：ageofmontessori.org

というフロイトの言葉が残されているほど。また、1917年12月20日付でフロイトからモンテッソーリに宛てて書かれた手紙も保存されています。

Letters of Sigmund Freud - P.319（英語）

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インド独立の父、ガンジー。彼もモンテッソーリ教育に感銘を受け、インドでモンテッソーリ・スクールが普及することを強く願っていました。

ガンジーは，1931年に行われたモンテッソーリ教師養成大学における講演の中で，子どもが人間の尊厳と一致した自然の法則を通して学んでいくこと，幼い時から沈黙の美徳を理解し教師のささやくような声に反応し子どもたちが次々と静粛へと向かう「沈黙（静粛）の訓練」に共感を示し，また真の平和の実現は子どもから達成されるべきであると言及するなど，子どもの内面性を重視するモンテッソーリ教育を好意的に評価している。
出典：repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp

この時に対面した二人の写真もあります。

モンテッソーリ教育を受けた著名人

モンテッソーリ教育の普及度・影響力の凄さは、”モンテッソーリ・マフィア”と呼ばれるほど。世界中の様々な分野で活躍する人々が、実は幼少期にモンテッソーリ教育を受けているのです。

アンネ・フランク

幼稚園、小学校ともにアンネはモンテッソーリ・スクールに通学しました。同学校は現在「第6モンテッソーリ・スクール、アンネ・フランク」という名称になっています。写真は、1940年アンネ11歳のとき学校で撮ったもの。隣が先生です。

セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ（Google創設者）

2人は、スタンフォード大学という超一流大学の卒業生ですが、そこでの学びよりも、モンテッソーリ教育を受けたことのほうが重要だった、とテレビの取材で自ら語っています。
出典：www.montenshi.jp

ちなみにマリア・モンテッソーリの誕生日である8月31日には、これを記念してGoogleのロゴをモンテッソーリ教具をモチーフにしたデザインに変更したこともありました。

マーク・ザッカーバーグ（Facebook創設者）

ジェフ・ベゾス（Amazon創設者）

元米国大統領ビル・クリントンとヒラリー夫人

オバマ大統領

バラク・オバマ大統領もモンテッソーリ教育を受けています。米国ミズーリ州のSt.Louisにあるトレーニングセンターにて、オバマ大統領がピンクタワーと茶色の階段を使ってモンテッソーリ教具の素晴らしい世界を探求中です。

ジョージ・クルーニー（アカデミー賞受賞俳優、国連平和大使）

ヘレン・ハント（アカデミー主演女優賞受賞）

ビヨンセ（グラミー賞受賞シンガーソングライター、女優）

テイラー・スウィフト（グラミー賞受賞シンガーソングライター）

ヨーヨー・マ（世界的チェリスト）

…この他、ガブリエル・ガルシア＝マルケス（ノーベル文学賞受賞作家）、デビッド・ブレイン（世界的マジシャン）、キャサリン・グラハム（元ワシントン・ポスト紙の会長でピューリツァー賞受賞作家）、ヌール (ヨルダン王妃)、ジャクリーン・ケネディ・オナシス（J.F.ケネディ夫人）…などなど、枚挙にいとまがありません！こんなに凄いモンテッソーリ教育。別記事では、詳しい教具のご紹介や自宅で出来る手作り教具のブログ集、本格的にモンテッソーリ教育を学びたい方のためのお役立ち情報をまとめています。ぜひご覧ください！