「#保育園に入りたい」この悲痛とも言える叫びをツイートする保護者の方々が増えています。保活に失敗し、箸にも棒にも引っ掛からなかった、保育園に受け入れてもらえなかった、保育園に入りたい。なぜ、保育園への入園がこんなにも困難なのか?少子化が叫ばれる日本で保育園に入れない…この矛盾は何?と思う方も多いのでは。
保育園、または保育所とは『厚生労働省が管轄している児童福祉施設』となっております。入園できる年齢は0歳児~小学校就学前まで、保育内容は、児童福祉法第39条にある通り、「日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育すること」年齢に合わせた保育を行い、基本的な生活習慣の指導から、健全な心身の発達を目的とする保育指導。
明確ですよね。矛盾なく福祉法にも記載された保育園。なぜ入れないの?そして言われるのは、「保育園が足りない」果たしてそうなのでしょうか?実は保育園が足りていないのは首都圏と隣県と言われています。全国的に見ると保育園の数は足りているのが実情。
保育所数は23,711施設。
保育所定員数は2,240,178人。
利用児童数は2,176,802人
待機児童数は24,825人。
全体の利用率は34.2%。
3歳未満の利用率は25.3%。
出典:ja.wikipedia.org
こちらは厚生労働省の集計の集計になります。日本中で保育所は2万軒以上、その内、保育所不足を訴えている自治体は全体の2割と言われています。けれど、増える待機児童、こちらの集計では待機児童が2万人を超えていますが、実際には”隠れ待機児童”は全国に80万人いるとの声も聞こえてきます。
なぜ?なぜこのようなことが起こってしまったのか、「小学校入れない」との声は上がらないのに「保育園入れない」の声は溢れている。少子化対策を打ち出す政府、それでも溢れる待機児童。これって疑問ですよね?
首都圏以外の自治体では保育園は足りている。「待機児童ゼロ」を掲げる自治体も少なくない。では、なぜ保育園に入れないの?その理由の一つに挙げられるのが「保育士不足」実は、保育士さんの労働環境はとても過酷。子どもが相手の仕事、想定外のハプニングにトラブルは日常茶飯事。サービス残業も少なくない、個人情報を扱う為、持ち帰り業務禁止も多いとのこと。
子どもの相手ばかりしている訳ではありません、保護者対応や各種資料の作成、「子どもの命を守り健全に育む」ことが大前提の仕事。かなり神経を使うと思います。更に、最近は低賃金による保育士離れも叫ばれています。なりたい職業で上位にランキングすることも確かなのですが、その過酷な労働環境のため、一旦、離職したら戻ってくる保育士さんが少ないのも事実。実際「隠れ保育士」という言葉もあり、現場に戻ってこない保育士さんは全国に50万人以上いると言われています。
保育園は足りていても、保育士が足りなけば成り立たちません。もちろん保育士不足だけが保育園に入れない、待機児童を生む原因ではありません。ですが、保育士さん達の労働環境改善しなければいけない時期に来ていることも事実。
他に保育園に入れない要因の一つとして上がっているのが「3歳児神話」
三歳児神話(さんさいじしんわ)とは、子供が3歳になるまでは母親が子育てに専念すべきであり、そうしないと成長に悪影響を及ぼすという考え方
子供の成長にとって幼少期が重要である。
この大切な時期は生みの母親が養育に専念しなければならない、なぜならお腹を痛めたわが子に対する母の愛情は子供にとって最善だからである。
母親が就労などの理由で育児に専念しないと、将来子供の発達に悪い影響を残す場合がある。
出典:ja.wikipedia.org
子どもの成長にとって3歳までが非常に大切だという考え方、3歳までは手元に置いて愛情を注ぎ、母親から社会性を学び3歳までに形成される、人間としての土台作りがとても大切と言われているのですが…この3歳を迎え一斉に保育園に入れる時期か被れば?…スムーズに入園できるとは限らないですよね。
幼少期、人から愛されて、他者を信頼する心を育むことは大切だと思いますが、「3歳までは母親が育児に専念しなければならない」という考え方には、必ずしも絶対的な根拠はないのでは?その為、保育園に入れなく困ってしまうことも少なくありません。
では、「#保育園に入りたい」どのような母親の思いが綴られているのかご紹介させて頂きます。
うちのチビが一次で落ちた理由は妊娠期に出血が続き半月仕事休まないといけなかった月の勤務日数が点数に影響した。収入だけでなく出産や命に関わる選択もマイナスに影響する現実はやはり変えないといけないんだと今も思っているのですよ
#保育園に入りたい
出典:twitter.com
さーて。保育園落ちたぞ。認証、認可外、とにかく何処かに入れないと退職しなきゃいけなくなる。本当に死活問題。期限があと1年以内だなんて恐怖でしかない。2人目なんて絶対にムリ。ここから更にモードチェンジしないと! #保育園落ちた2017 #保育園に入りたい
出典:twitter.com
無認可にはなんとか預けられそう。でも何が悲しゅうて評判良くない、サービス良くない、バカ高い無認可に預けなくちゃいけないのか。無認可すら選べる状況にない。これで子どもが事故にでもあったら働いてた私が悪いことになるんだろうな。
#保育園落ちた2017
#保育園に入りたい
出典:twitter.com
最悪認可も認証も入れなかったらベビーシッターでしのぐ方向で夫と合意した。その間私の給料は全額シッター代に消えても、そのほうがまだマシだと判断。
保育園増やせないなら、保育園落ちた人向けにシッター代半額くらい補助してほしい。1日9時間20日利用で25万超だよ?? #保育園に入りたい
出典:twitter.com
わずかな望みにかけて2次申請をしてきた。保育園落ちた事を実母に話したら「そんなにしてまで働きたいの?」と…。違う、そうじゃないんだよ、誰もこんな可愛い盛りの子を預けて働きたいわけじゃない。わかってもらえない、悲しくなった。
#保育園に落ちた2017
#保育園に入りたい
出典:twitter.com
待機児童ゼロを目指し「子ども・子育て支援新制度」という、短時間のパートタイムで働く親も認可保育園を利用可能になったり、都市部でも定員が19名以下の保育園を許可したり、基準がを満たせば「認可保育園」にしたりと政策は打ち出されています。けれども叫ばれる「保育園不足」保育士の労働環境、実際に保育所を建設しようとしても住宅密集地では、子どもの声にクレームが来ることもあり建築が実現しないままのケースも。誰が悪いということではないと思われます。
今、改めてこの自動待機問題、保育士不足、首都圏における保育園不足を見直さなければいけない時期にさしかかったのではないでしょうか。待機児童の正常な現状を把握し対応すること。実際はとても難しいことだと思います。けれど、子どもは未来に生きる地球の宝物。大人が大人の都合だけで決めるのではなく、子ども達に最適な場所を提供すること、そこを大前提に子ども達の健やかな成長を私たちは育んでいかなければならないのではないかと考えます。