【歯科医師が解説】子どもの姿勢が悪いと歯並びも悪くなる?悪循環を改善するためにはどうすればいい?
お子さんの歯並びと姿勢の関係について解説します。
この記事の解説・執筆担当医

くらた歯科クリニック 院長 蔵田和史先生
経歴
2009年 福岡歯科大学歯学部 卒業
2010年 福岡歯科大学医科歯科総合病院 歯周病学分野 医局員
2014年 セントラル歯科 副院長
2018年 くらた歯科クリニック 開業
所属学会等
日本歯周病学会 認定医
日本歯科保存学会 認定医
日本口腔インプラント学会所属
日本糖尿病協会 登録歯科医
アメリカ心臓協会(AHA)認定BLSヘルスプロバイダー
Gikoアライナー 認定医
インビザラインドクター
熊本市東区小山7-4-46
096-285-6480
çæ¬å¸æ±åºã§ããæ¯ã»æ¯å¨ç ã®æ²»çããäºé²ã»ã¯ãªã¼ãã³ã°ãå ¥ãæ¯(義æ¯)ä½è£½ãå°å æ¯ç§ãå£è å¤ç§ãã¤ã³ãã©ã³ããç¯æ£æ¯ç§ãã»ã¬ãã¯æ²»çããã¯ã¤ããã³ã°ããã¦ã¹ãã¼ã¹ä½è£½ã®æ¯å»è ãªãããããæ¯ç§ã¯ãªããã¯ãããåæ§ãã大人ã¾ã§ãç¬é¡ãããµããæ¯ç§å»é¢ã§ãã
深い関係にある「子どもの姿勢」と「歯並び」
子どもの姿勢と歯並び・噛み合わせには深い関係があることをご存知でしょうか?
実は姿勢が悪いと歯並びが悪くなったり、虫歯ができやすい環境になることが知られています。また顎の位置がずれることで、顎を正しく成長させる為に必要な「舌や唇の筋肉のバランス」も同時に失われてしまいます。
これらの不調和の積み重ねにより、悪い歯並びや噛み合わせが形成されていきます。
では、詳細をひとつずつ順を追いながら説明していきます。
1.姿勢

まずは姿勢についてです。
正しい姿勢を保つことで、筋肉は無理な力を使わずに済みます。しかし姿勢が悪いと、中心からずれてしまった頭の重さを支えるために、首や腰などに負担がかかり、筋肉の緊張が起こります。その緊張を取るために猫背になったり、腰を反ったり突き出したりすることで歪んだ姿勢を作ってしまうのです。また、O脚やX脚、片方の肩だけが上がっていたりするのもこれが原因です。
つまり、正しい姿勢には筋肉のバランスを整える作用があるのです。
2.歯並び

次に歯並びについてですが、お口の周りにもたくさんの筋肉があります。
下唇下制筋、口角下制筋、オトガイ筋、頬筋、口角挙筋、広頸筋、口輪筋、笑筋、大頬骨筋、小頬骨筋、上唇挙筋、上唇鼻翼挙筋など、様々な種類の筋肉により口腔は取り囲まれているのです。
そのおかげで、口は驚くほど多様な運動が可能となります。
このように、様々な筋肉から構成されているお口の中に歯は並んでいます。つまり、お口の周りの筋肉に緊張や歪みがあれば、当然歯並びにも影響が出てしまいます。歯の大きさは変わりませんので、筋肉により構成されたお口の大きさが小さい場合には歯並びはガタガタ(叢生)になり、大きい場合にはすきっ歯(空隙)となってしまいます。
この他にも、口呼吸や舌の突き出し、間違った飲み込み癖や指しゃぶりなどの口腔習癖、また、偏咀嚼やうつぶせ寝などの態癖などが歯並びの問題の原因のひとつであることも最近の研究で分かってきています。これらの癖は子供の顎の発達を抑制し、その結果、いわゆる出っ歯(上顎前突)や受け口(反対咬合)などの不正咬合を引き起こします。
以上のことから、正しい姿勢がいかに大切か、また歯並びは遺伝ではなく環境要因であることがある程度理解できたのでは無いでしょうか。
ではここからは、姿勢と歯並び・噛み合わせの関係についてもう少し詳しく説明していきましょう。
姿勢が悪くなる原因「口呼吸」

姿勢が悪くなる原因のひとつに口呼吸があります。
もともとは鼻づまりや鼻炎などで鼻呼吸がしにくいために口呼吸の習慣となり、そうすると鼻を使わないため、さらに鼻の機能が衰えてしまう、といった悪循環を引き起こしてしまいます。
生体の機能や組織は使ってはじめて成長・発育していくものです。ですので、お口をポカンと開けて口呼吸をしている人は、上顎骨や中顔面(鼻の周りと頬骨の周り)の発育が悪くなります。
舌が正しい位置にないと、出っ歯になることも…。
また、舌は上顎に触れていて上顎を内側から支えているのが正しい位置ですが、口呼吸の人の舌は下に下がっていなければ呼吸ができません。
そうなると舌を上に持ち上げる筋力が低下し、さらに口唇を閉じる筋力も同時に低下するので、常にお口が開いていて上顎の前歯に口唇からの筋力が加わらず、出っ歯になってしまいます。
猫背の人は、口呼吸が多い
そして、猫背の人はそのほとんどが口呼吸になっています。
なぜかというと、この姿勢ではお口を開ける筋肉が優位となり、また、胸を圧迫するために呼吸がしにくく、酸素を多く取り入れようとした結果、口呼吸になってしまうともいわれているからです。
歯並びだけでなく、虫歯にも関係が…。
ここで余談ですが、口呼吸は歯並びだけでなく虫歯にも深く関係しています。
今回のテーマから少し脱線しますので簡単に説明しますが、唾液の作用によって虫歯の発生をある程度抑制することができます。
しかし口呼吸の人は、お口が常に開いているため乾燥傾向にあり、結果として唾液の作用が働きにくく、虫歯になりやすいことが知られています。
姿勢を正せば歯並びは改善する?
では話を戻しますが、全身の筋肉のバランスを整え、正しい姿勢を獲得することで歯並びは改善するのでしょうか。
答えは、改善します。
もちろん個人差はありますが、正しい姿勢により舌や頬、口唇の機能と呼吸パターンを正常にすることによって、顔貌が正しく発達します。その結果、正常な歯並びとなっていくのです。

健康的な歯並び・骨格のため、悪循環を改善しよう
今回は近年増加傾向にある上顎前突、いわゆる出っ歯と口呼吸の関係性、正しい姿勢をとることの重要性についてお話をさせていただきました。
何度もお伝えしていますが、口呼吸の習慣があると様々な不正咬合を誘発してしまいます。そして不正咬合のある人は顎や舌の位置が悪く、それが頭の重心を偏位させてしまい、結果として姿勢を悪くする、という悪循環に入ってしまいます。
その悪循環を改善するために、現在歯科領域では、筋機能療法という分野が拡大してきています。これは筋肉のバランスを整え、健全な歯並びや噛み合わせ、骨格を作り上げる環境作りをし、それを維持していくことが目的となります。筋機能療法を行なっているかどうかは、直接かかりつけの歯科医院へお問い合わせください。
子どもの頃から、正しい呼吸法(鼻呼吸)と正しい姿勢を獲得し、健全な成長発育ができるよう今一度、お子様の呼吸や姿勢を観察してみてはいかがでしょうか。