世界各地に伝わる魔法の旨味調味!和洋アジア料理…「コレひとつ」で味に深みが増す優れものとは!?
魚を発酵させて作る魚醤(ぎょしょう)をご存知ですか?実は古今東西、世界各地に昔からある万能調味料なんです。お醤油替わりに数滴加えるだけで、お料理に深みが出るスグレモノ。1本あるとかなり重宝しますよ~~~!
魚醤って何?
魚を塩と一緒に漬け込み、好気性細菌の働きで発酵させたものから出た液体が魚醤です。独特の臭みがありますが、魚の動物性タンパク質が分解されてできたアミノ酸と魚肉に含まれる核酸を豊富に含み、濃厚な旨味があるんです!
地域によって魚の種類や発酵期間などに違いはあれど、世界中のあちこちで先人たちが発明した食品とあって、お料理の味に深みが出る万能調味料。また、発酵させているので常温でも長持ちします。
日本では魚醤、しょっつる、いしる
秋田では”しょっつる”、奥能登では”いしる”、香川では”いかなご醤油”などと呼ばれています。ハタハタまたはタラと豆腐、長ネギと一緒に鍋で煮る「しょっつる鍋」などは有名な郷土料理。和食に旨味をプラスしましょう!
しょっつる鍋、しょっつる炊き込みご飯、しょっつるおにぎりなどなど美味しい和食がいっぱい!
タイではナンプラー
ナンプラー(タイ語: น้ำปลา, nam pla)は、タイの魚醤。タイ語でnamは液体、plaは魚を意味する
出典:ja.m.wikipedia.org
タイでは屋台や大衆食堂からホテルのレストランにいたるまで、料理店なら大抵テーブル上にナンプラーが常備されているくらい定番な調味料です。もともとはベトナムのヌクマムが伝わって1900年代初めにタイ国内でも製造されるようになりました。イワシなど小型の海水魚を丸ごと塩漬けして18か月ほど熟成させて生成されたエキスを最初に採った一番搾りは一級品なのだとか。
ガパオライスや炒め物などエスニック系のレシピ
ベトナムではヌクマム
ベトナム語: nước mắm(ベトナム)
出典:ja.m.wikipedia.org
ヌクは水、マムは魚介発酵食品一般を指す語。
ベトナムの海沿いの町では、各家庭で独自のヌクマムが造られていて、「地酒の数ほどヌクマムが存在する」という格言もあるほどなんだとか。
フォーや鶏肉の揚げ物などベトナム料理のアイデア満載
古代ローマではガルム
ガルム(garum)は、古代ローマの魚醤。当時のローマにおいて主な調味料として使われていた
出典:ja.m.wikipedia.org
紀元前5世紀頃の沈没船から発見された壺に入っていたことも分かっているガルム。古代ローマでは、一級品のガルムは高級な香水ほどの価値があったのだとか。酢・コショウ・オリーブオイルと混ぜて、茹でた子牛肉や蒸したムール貝、洋ナシと蜂蜜のスフレのような料理にも使っていたのだそうです。水で薄めて薬として飲んだり、化粧品として活用したり。地中海一帯で広く生産され古代ローマ人に愛用されていました。ローマ帝国の衰退とともにほぼ消滅してしまいましたが、今はイタリア南部アマルフィ周辺で、ガルムの流れを引くカタクチイワシの魚醤、コラトゥーラが作られています。
魚介系のパスタやリゾット、カルパッチョなど、イタリアンの隠し味にも!
イギリスではウスターソース
ウスターソース(英語: Worcestershire sauce、イギリス)
出典:ja.m.wikipedia.org
英国イングランドのウスターシャー原産。モルトビネガー(麦芽酢)や食酢に塩、砂糖、アンチョビの魚醤と野菜、スパイス等を合せた万能調味料。
19世紀初頭にイギリスのウスターシャー州ウスターで、とある主婦が、残りの食材を調味料と合わせて入れたのを忘れていたら、ソースができていた、というのがウスターソースの始まりなんだとか!日本でウスターソースというと甘みが強く、アンチョビは入っていない濃厚ソースが定番ですが、アンチョビやスパイスを加えた辛味のものがオリジナルです。イギリスでは、シチューやスープに数滴垂らして風味付けするなど、料理の隠し味として使用されることが多いそうです。
甘さ控えめ・煮干しまたはアンチョビ入りの本場のウスターソースを作ってみよう!
今夜のご飯にプラス!
私は和洋エスニック・イタリアンなど、どんな料理にもお塩やお醤油替わりに魚醤を使うことがけっこうあります。1瓶あると、ちょっとした味付けにも便利。ぜひお試しあれ!
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