雛人形の「人形のお名前」を子どもに聞かれたら?それぞれの名称・役割を徹底解説!持っているお道具にも意味がある
もうすぐひな祭り!
きれいに飾られたおひな様を見ると、大人もうっとりしてしまいます。
だけど!七段飾りに飾られたひな人形の全員の名前や道具について、子どもに説明できないかも…!という方のために、今回は解説していきたいと思います♪
「今日は楽しいひな祭り♪」の歌の通り、きれいにお雛様を飾っておいしいご馳走を用意して…と、ひな祭りは大人もウキウキする事ばかり!
雛人形飾りは、子どもが将来「幸せな結婚ができますように」という願いを込めて行われるもので、そのため結婚式の場面を切り取って表現しています。
でもきれいに並べられたひな人形や、道具にはどういう意味があるのか?
飾られているお人形のそれぞれの役割や、どういった道具なのか?
お雛様を出しているときに子どもに聞かれたら、しっかり説明できるでしょうか。
今回は「七段飾り」のお雛様に飾られるお人形の役割と、道具の意味をわかりやすく解説します!
ひな人形の名前とその役割
それでは、さっそくお人形の紹介からいってみましょう♪
親王(しんのう)
親王は、男女が対になっているお人形。
別名「内裏雛(だいりびな)」と呼ばれることもあります。
それぞれ男性を「お内裏様(おだいりさま)」、女性を「お雛様(おひなさま)」とわけて呼ぶこともありますね。
ひな祭りの歌、「うれしいひなまつり」にあるように、“おだいりさまとおひなさま ふたりならんで すましかお♪”のお二人です。
このお2人の結婚式の場面を表現しているのが、雛人形!
「新王」とは、天皇の男の子どものこと(または天皇の兄弟)で、雛人形は天皇・皇后がモデルになったと言われています。
女の子にもこの二人のような幸せな結婚をしてほしい、という願いが込められているんですよ。
親王が持つ小道具
お内裏様が持っているのは、笏(しゃく)という結婚の儀の進行の内容や、出席してくれている方のお名前が貼られているんだそう。
おひな様(お姫様)が持っている檜扇(ひおうぎ)には、裏側に結婚の儀の際のお作法が貼られていたり、顔を隠すのにも使われていました。
三人官女(さんにんかんじょ)
お姫様の日常生活から、ちょっとした雑用まで全てをお世話する女官(じょかん)の三人です。
とっても優秀な女性が選ばれたそうですよ!
雛飾りではそれぞれ祝杯をあげるための道具を持っているのですが、実はこの3種類の道具の中で最も格式高いのが、真ん中の「三方」です。
そのため最も年上でリーダー格の女官が担当しており、この女性のみが座っているパターンも多いんですよ。
また雛人形によっては、この女官だけ既婚者の印である「眉毛がなく・お歯黒」をしている場合も。
雛人形を鑑賞するときには、この点に注目して見てましょうね♪
三人官女が持つ小道具
左側の官女の手にある道具は、提子(ひさげ)という長柄銚子にお酒を注ぐための、柄がない酒器です。
真ん中の官女の手にある道具は、三方(さんぽう)。盃を乗せるための台です。
右側の官女の手にある道具は、長柄銚子(ながえのちょうし)は、長い柄が特徴の酒器で三方に白酒を注ぐためのものです。
五人囃子(ごにんばやし)、七人雅楽・楽人(ななにんががく)
三人官女の下にいる、楽器を持ったお人形が五人囃子、七人雅楽・楽人。
画像は五人ですが、雛人形によっては七人の場合も。
五人囃子が奏でるのは「能楽」、七人雅楽・楽人は「雅楽」を奏でるという違いがあります。
おかっぱ頭に烏帽子(えぼし)をかぶっている彼らはなんだか幼い印象ですよね。
なぜかというと…このお囃子を演奏する人形たちは元服前の少年だから。
結婚式を盛り上げてくれる、なくてはならない存在です。
五人囃子(ごにんばやし)、七人雅楽・楽人(ななにんががく)が持つ小道具
五人囃子が持つ楽器は、「太鼓(太鼓)、大鼓(おおづつみ)または大皮(おおかわ)、小皷(こつづみ)、笛(ふえ)、謡(うたい)」です。
謡とは声楽の担当で、右手に扇を持っています。
七人雅楽・楽人の場合は、「羯鼓(かっこ)、琵琶(びわ)、笙(しょう)、火焔太鼓(かえんだいこ)、篳篥(ひちりき)、竜笛(りゅうてき)、琴(こと)」。
囃子と雅楽では、演奏する内容が違うため道具も異なります。
随身(ずいじん、ずいしん)
随身の2人は、弓矢を持って左右に立っている男性の呼び名。
向かって右が左大臣で年配者、向かって左が右大臣で若者です。
宮廷の警護をする武官で、儀仗(ぎじょう)という様々な儀式の時に用いる武器の装飾を持っています。
装飾用として、きれいな弓矢を背負っているが特徴ですね。
右大臣
向かって左が右大臣で、若者の姿をしています。
左大臣
向かって右が左大臣で、老人の姿です。
お代理様の身の回りを守る係として、とっても重要な役目を持っています。
仕丁(しちょう)
3人組の仕丁は別名「三人上戸(さんにんじょうご)」とも呼ばれていて、それぞれが“怒り・泣き・笑い”の表情を持っています。
宮廷の雑用などの仕事をしている、お人形たち。
こんな表情で怒っている仕丁もいますね。
仕丁が持つ小道具
笑っている仕丁は、立傘(たてかさ)という雨よけの傘を持っています。
泣いている仕丁が持っているのは、沓台(くつだい)と言って、その名の通り靴を置く台。
怒っている仕丁は、台傘(だいがさ)という日光を遮る日傘を持っています。
しかし、この仕丁たちが持っている道具については、地域や職人・お店によって違いがあるそう。
例えば関西では「ほうき・ちりとり・くまで」のお掃除中の様子を模していることも。
違いがあるのも面白いですね♪
親王飾り周りの道具の名前とその役割
屏風
親王飾りの後ろに光り輝く、金屏風。
2人の未来が輝くようにと置かれています。
ぼんぼり
親王飾りの後ろで、2人を照らしているあかりの事。
もともとロウソクを立てとして使われていたぼんぼりは、夜に行われる結婚式を照らす役割をしています。
親王台
親王飾りが座っている畳は、縁に繧繝縁(うんげんべり)という模様が施されています。
この繧繝縁(うんげんべり)が施されたものは、ごく限られた身分の人しか座る事ができなかったそうです。
もうせん
親王飾りが座っている親王台の下に敷かれている赤い布が、緋毛氈(ひもうせん)。
「もうせん」と呼ばれる事が多いですね。
もうせんがなぜ赤いのかというと…赤は活力や生命力を表現する太陽のような色だから。
その他にも、赤は魔除けの意味もあるなどの説もあります。
三方
親王飾りの真前、中央に置かれた三方は、神様に供える飲み物を乗せるための台。
折敷(おしき)と、穴があいている台のセットです。
瓶子(へいし)というお酒を入れる器に、水引で飾った熨斗を差し、のしには紅白の梅の花がついた道具です。
桜橘
親王飾りの前の両脇に置かれている桜橘花は、どちらにも魔除けと邪気払いができる力があると考えられていたので、結婚式の縁起物として置かれていたようです。
菱餅・菱台
桜橘の内側に置かれた、菱台には菱餅が乗っています。
菱餅は三段になっていて、下から「桃の花のピンク・邪気を払う役割のよもぎの緑・雪の色を模した白」の3色でセットになっています。
それを置く台が、菱台です。
高坏(たかつき)
三人官女の両脇に置かれている高坏は、身分の高い人に食べ物を献上する時に使う器。
紅白のお餅が乗っているのは、太陽と月を模しているそうです。
お餅だけではなく、お菓子が乗せられる事も。
お嫁入り道具の名前と役割
おひな様のお嫁入り道具には、「たんす、鏡台、針箱、茶道道具」などがあります。
ひな人形は結婚式の様子を表現しているので、お嫁に行っても日常生活にに必要な道具をこうして飾っているんですね。
他にも「長持、衣装袋、火鉢」などを飾る事もあるようです。
乗り物の道具の名前と役割
お姫様のお輿入れを表現した乗り物たちは、「お駕籠(おかご)、御所車(ごしょぐるま)」と呼ばれ、大名や高貴な女性が利用していた乗り物です。
御所車は牛に引かせていたんですね!
画像左下にある重箱も、お嫁入り道具です。
今でもお節料理を入れたりするのに定番の重箱ですが、お嫁入りの時にも食べ物を入れる容器として用意されました。
今年のひな祭りこそ、子どもにしっかり説明してみよう!
こうして調べてみると、七段飾り全てのお人形と道具に名前と意味があります。それぞれ結婚式になくてはならない存在ばかりですよね。
しっかり者の三人官女、楽しそうな五人囃子、イケメンの右大臣などメンバーも個性がたっぷり♪
道具のひとつをとっても、どれもお嫁入りには大事な道具たちです。
今年はこれらの名前や役割を子どもに説明しながら、楽しく賑やかにひな祭りを過ごしてくださいね!
3月3日の「ひな祭り」に欠かせない「ひな人形」。でも、いつから出していつ片付ければいいのかってご存知でしょうか? 昔からの伝統には、知っておきたい意味があります。ポイントはしっかり押さえつつ、ライフスタイルに合わせてイベントを楽しみましょう♪
女の子が生まれて、初節句が近付くと「雛人形はどうしよう?」とワクワク♪しますよね。でも最近の住宅事情では、雛人形を飾るスペースや収納するスペースがないご家庭が多いと思います。そんな中、近年人気が高くなっているのがタペストリーです♪スペース問題はもちろん、飾るのも片付けるのも楽々♪おすすめ5選もご紹介します。
女の子が生まれて初めてのお祝い「初節句」。桃の節句やひな祭りとも称されますが、手順やお祝い方法について意外と知らない事実も…今回は、女の子ママ必読!押さえておくと一安心な「5つのポイント」をご紹介します。