赤ちゃんの歯磨きはいつから始めるべき?乳児が虫歯になる原因とは~ちぃ先生の手記第78回~
虫歯になると痛みが辛く、治療にも時間がかかります。
さらにお子さんの場合は治療が怖いと感じることも多くあり「かわいい我が子を虫歯にはさせたくない!」と思う親御さんはたくさんいらっしゃいますよね。
小さな赤ちゃんは、歯に痛みや違和感があっても言葉で伝えることができないため、虫歯の発見が遅れてしまうことも少なくありません。
大事な我が子に、そんな辛い思いはさせたくないですよね……。
今回の記事では、乳児の虫歯を見分けるポイントや、どのようにしたら虫歯の感染が防げるのか、また赤ちゃんの歯磨きはいつから開始すればいいのかなど、歯科衛生士の資格を持つちぃが解説します!
赤ちゃんの歯の健康を守るために、ぜひ参考にしてみてください。
哺乳びんが関係している「ボトルカリエス」のリスク
乳歯が虫歯になっている or なりかけ?のサイン
まずは乳歯が虫歯になっていないかどうか、親御さんの目で確認しましょう。
歯の表面に白い斑点がある、歯の溝が黄色っぽく変色しているなどの状態がみられたら、初期むし歯かもしれません。
これは専門用語でCOといい、穴のあく虫歯になる一歩手前の状態です。フッ素の入った歯みがき粉でよくブラッシングすることでケアできますので、丁寧に歯みがきをしてあげて、これ以上虫歯が進行しないように努めましょう。
ちなみに乳歯でよく虫歯になりやすいところは、上の前歯の歯と歯の間です。上の前歯は下の歯と違って大きいのでくっついているケースが多いことや、甘いものを飲んだり食べたりする際によく使う歯であることから、虫歯になりやすいんです。
仕上げみがきの際にフロスも使って、前歯を念入りにきれいにしてあげてくださいね。
乳歯が虫歯になるメカニズム&原因とは?
生えたての乳歯のエナメル質の厚さは、永久歯の1/2しかなく、とてももろい状態です。そのため、赤ちゃんの口の中の状態によく気を配ってあげる必要があります。
1歳ごろの赤ちゃんの虫歯で一番多いのが「ボトルカリエス」です。
これは、哺乳びん(ボトル)で乳酸菌飲料、イオン飲料、清涼飲料水などの甘い飲み物をだらだら与えることによる虫歯です。
特にカルピスなどの甘くて酸味のある清涼飲料水は、エナメル質が溶ける状態になりやすいので注意が必要です。
お口全体が虫歯になり、エナメル質がほとんど溶けてしまったというケースもあります。
赤ちゃんに甘いものを飲ませた後は、水で口をゆすぐようにうがいをさせることで予防の働きが期待できますよ。
また生まれたての新生児は、お口に虫歯菌がいないと考えられています。
しかし子育てをするうえで、両親から口移しで食べさせる、同じ食器やスプーンを使う、キスをする、熱い食べ物にふーふー息をふきかけて冷ましてから与えるなどの行動で、両親の口の中の虫歯菌に感染してしまうリスクがあります。
生後19~31ヶ月(1歳7ヶ月~2歳7ヶ月)は「感染の窓」とよばれており、この時期に子どものお口に虫歯菌が感染すると、特に虫歯になりやすいといわれています。
この時期を過ぎれば虫歯になりにくいので、気をつけて過ごしたいですね。
また虫歯菌に感染したからといってすぐ虫歯になるわけではないので、両親が自身のお口のケアをしっかりと行い、保有菌を少なくしておくこともポイントです。
赤ちゃんの歯みがきはいつから開始したほうがいいの?気をつけるポイント
生まれたばかりの新生児は歯がないこともあり、いつから歯みがきをしてあげたらいいのか悩みますよね。
赤ちゃんの歯みがきは、実は歯が生える前から始めるのがおすすめ。
生後半年くらいで下の前歯から歯が生え始めますが、歯が生えてきたからといって急に歯みがきをしてあげようとしても、口に異物が入る感覚に慣れずに嫌がってしまう子がいるためです。
歯肉が固くなってきたり、歯肉の中にうっすら白い歯が透けて見えたりする時期から、口の中に異物が入る感覚に慣らしてあげるようにすることで、スムーズに歯みがきに慣れることができるようになりますよ。
歯肉のマッサージをし、棒状の歯固めを使って慣らしてあげるのが良いでしょう。
また赤ちゃんは、歯ブラシを嫌がって噛んだりして、十分な歯みがきができないことがあります。
そんなときは、たんぽぽの綿毛のように360°ブラシがついているものにすると、噛んでしまっても汚れを落としやすいのでおすすめです。
離乳食の時期の赤ちゃんは、朝と夜の2回、きちんとみがく習慣をつけましょうね。
【ライター紹介】ちぃ先生
歯科衛生士の有資格者でありながら多くの女性メディアで活躍中のライター・編集者。現在は女性向けの美容メディアやJJなどのファッション誌などに寄稿している。
コスメコンシェルジュの資格を持ち、コスメ・美容への造詣が深い。
また、サッカー好きが高じてアスリートフードマイスターの資格も取得している。
美容と健康に高い関心と知識を持っており、Ha・no・neでは利用者のQOLの向上を目指し、ためになる情報を発信していきたいと意気込んでいる。
・ちぃ先生の手記まとめPART1 ~美容ライター兼歯科衛生士の知恵袋~
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