眠りの魔法は本物。「おやすみロジャー」の心理的仕掛けがすごい!
最近テレビで取り上げられ、書店でも特集が組まれるなど、今最もホットな絵本があります。それは、魔法の寝かし付け絵本「おやすみ、ロジャー」。世界的なベストセラーになるほどの眠りの効果を試してみませんか?
スウェーデン発"魔法の寝かしつけ絵本"をご存知ですか?
始まりは2010年。なんと、自費出版の小さな絵本だったんです。口コミで広まり、スウェーデン国内でインターネットを中心に話題に。
2014年に著者自らが英語に翻訳すると、英米で注目をあび、両方のAmazonでベストセラー商品に。自費出版本が総合トップになるのは初の快挙でした。続けて英デイリーメール紙、テレグラフ紙、米CBSニュース、ハフィントンポスト紙、ニューヨークポスト紙など有力メディアが続々特集して世界的な注目をあびます。その後フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガル各国語にも訳されて高く評価され、現在40か国で販売が決定しています。2015 年11月には日本語版も出版され、テレビで話題になっているのでご存知の方も多いのでは?
作者はスウェーデンの行動心理学者、カール=ヨハン・エリーン
1978年生まれの行動科学・心理学者。優しそうなイケメンですね。スウェーデン大学でコミュニケーション学を教え、ライフコーチングも行っています。
ストーリーは?
眠れない子ウサギのロジャーが、誰でも眠らせる魔法使いのあくびおじさんを探しに旅に出るお話です。途中、色々なカタツムリやフクロウに出会い、眠りに落ちるコツを聞いていきます。最後は無事にお母さんウサギのもとへ。
寝つきの悪い子も、あっという間に眠りに誘うその秘密は?
この本には、びっくりするくらい色々な心理学のテクニックが入っている
出典:www.ehonnavi.net
子どもがなぜ寝たくない気持ちになるのかを徹底的に考慮し、自然に彼らが眠くなるよう、リラックス効果を狙った指示を細やかに入れたストーリー
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1. 独特な言葉の繰り返し
眠りに落ちるアファメーション効果(くりかえし自分に言い聞かせることで意識に働きかける効果)を高めるフレーズ
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「ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり」や、「落ちていく、落ちていく」、「おもーく、おもーく どんどん、どんどん」などの繰り返す言葉のリズムが心地よく響くようになっています。でもこれって、各言語の翻訳者の力量にかかってくるポイント。日本語版の監訳をしているのは、快眠セラピストの三橋美穂さんで、この点バッチリです。
2. 子どもの名前やあくびを要所に入れる
本文には、子ども本人の名前を入れたり、自由にあくびの声を入れたりする箇所がたくさん出てきます。子どもは、ウサギのロジャーと一緒に旅をしている感覚になります。またママやパパのあくびの擬態語に誘われて、本当にあくびが出ちゃうんです。
3. 自己暗示で眠~くなる!
「自律訓練法」といって、医療の現場でも行われているセルフリラックスの方法
出典:www.ehonnavi.net
例えば、ウサギのロジャーに眠りのコツを教えるシーン。「足首を楽にして」、「おなかと背中を楽にして」、「頭も楽にします。するとほら、まぶたがおもくなってきたでしょう?」と言うセリフがあります。他にも、こうやって暗示をかけることで心身ともに自然とその状態になるような仕掛けが多々あるんです!
4. 速さや強弱を変えて読み聞かせる
太字や色文字になっている部分を強調したり、ゆっくり読んだり、声を潜めて読んだり。これでいつの間にか子どもたちは夢の国です!始めに、「読み方の手引き」があるのでよく目を通しておきましょう。
世界中のパパ・ママのコメント
Ryan (2016年2月19日) – 90%の確率でうまくいく!両親が疲れていて、ちびっ子がまだ寝入る準備ができていない時に最適!
出典:www.amazon.com
Lucia (2016年1月13日) – うちの子は、読む前に「絶対寝ない!」と言ってたけど、すぐに寝ちゃった!私も一緒にね。
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Lindsay (2015年8月19日) – うちの子たちは全員、いつも絵本を数冊読んで、さらにトイレやらお水やら、絶対すぐに寝てくれないんだけど、この本を読んだら、半分位まで進んだところで3人とも寝付いちゃった!
出典:www.amazon.com
日本でも話題に!
2016年2月19日には、フジテレビ「めざましテレビ」で紹介されました。
2016年2月21日放送のNHK総合「サキどり!」でもVTRで紹介されました。
今、絵本がスゴイ!「10分で子供を寝かしつけられる」と世界中で話題の絵本
出典:www.nhk.or.jp
ただ、日本のアマゾンでは賛否両論・・・
ただしこの”絵本”、実は文章が多く、イラストがないページも多々あります。お話自体はとてもシンプルで、また催眠効果を目的としているため同じ文が繰り返し続き、ストーリーの面白さといった観点ではマイナスコメントを付けている人もいます。読む方は、文字ばかりのページで強弱を付けたり速さを変えたり、子どもの名前を入れたり・・・と工夫しないといけないこともあり、結構大変。また、あまり小さいお子さんだと、言葉とイメージを結び付けたり暗示効果を感じられないためか、「寝付かない!」とコメントをしているお母さんもいました(英語版は3~7歳におすすめされています)。
ウチもやってみた!
ネガティブな意見があることを聞いたうえで、ともかくやってみよう!ということでトライ。いつも寝かし付けに1時間はかかる、1歳10ヶ月の息子に読んでみると・・・。結果、寝入るまでかかったのは20分!普段よりは早かった!ちなみに上の4歳半の息子は、もとからとっても寝付きが良いので、速攻眠りに落ちていました。さらに2日目は、下の子は15分ほどで寝てくれました!確かに、読み物として興味津々になったり、色々な想像力を刺激するようなワクワクするお話ではないかもしれません。だってそれじゃ眠れなくなっちゃいます。でも、”寝かし付け”という目的から見たら、本当に効果テキメンだと思います。
読んでいる自分も本当に眠くなる!
ときにはこの本を読んで、お子さんと一緒に眠ってみてください。親も一緒に眠るつもりで読むと、お子さんの入眠効果が、より一層高まる
出典:www.ehonnavi.net
と、日本語版監訳者の三橋さんもおすすめしています。本当は疲れていて寝たいのに寝付けずにぐずってしまう子どもたちのために。また、リラックスして夜を迎えたいパパママのためにも。魔法の寝かしつけ絵本、ぜひ試してみてください!