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イタリアでも深刻な出生率の低下。最新統計でもさらに減少!「アモーレの国」イタリアの少子化問題を考える

イタリアでも深刻な出生率の低下。最新統計でもさらに減少!「アモーレの国」イタリアの少子化問題を考える
参照 : pixabay.com
「愛の国」、「子どもがのびのび育つ国」と形容されることの多いイタリア。しかし現実として、欧州先進国の中では出生率が最低レベルで、少子化が大きな社会問題のひとつになっているんです。
イタリアでも深刻な出生率の低下。最新統計でもさらに減少!「アモーレの国」イタリアの少子化問題を考える
参照 : pixabay.com

2018年11月末発表の統計で明らかに・・・イタリアの出生数、ますます減少

2017年の出生数は45万8,151件

これは、2016年と比較して15,000件の減少です。このうちイタリア人同士のカップルに絞ると、その出生数はさらに少ない358,940件に落ち込みます。

10年前の2008年と比較すると、12万件21%の減少!

特に、1人目の出産件数が激減しており、2008年と比較して25%減とのこと。2人目の出産件数も17%マイナスを記録しています。

少子化が進むイタリア

少子化をはかる指標、それが合計特殊出生率です。これは、

人口統計上の指標で、一人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数の平均

出典:ja.m.wikipedia.org
のこと。国際連合では、先進国の場合この指標が2.1を長期的に下回ると、少子化している状況だと定義しています。

イタリア人女性の合計特殊出生率は1.24。日本の1.43より低い!

出典:pixabay.com
イタリアにおける2017年の合計特殊出生率は、移民など在伊外国人女性を含めると1.32 で、イタリア人女性に限定するとわずか1.24!日本の合計特殊出生率は同年で1.43なので、少子化が問題となっている日本よりも低いことになります!

イタリアの少子化は昔から・・・

イタリアは、長年に及び出生率が低下し少子化の一途を辿っています。

イタリアでは1970年代後半から大幅に出生率が落ち込み、1990年代には既に世界有数の少子国となっていた

出典:ja.m.wikipedia.org

原因は?

出産可能年齢の女性人口が減少、というのが統計研究所の発表・・・

出産が可能とされる年齢の女性の人数が減少しているのが、最も大きな要因とのこと。2017年時点のイタリア在住の15~49歳の女性の人数は1280万人で、これは2008年と比較して、90万人7%少ないという統計結果です。

でも実際は・・・?

ですが、この母体数の減少、というのは統計的な事実のひとつにしか過ぎないように思います。

高い失業率・不安定な雇用

出典:pixabay.com
大卒・院卒でも就職が困難で若手の失業率は40%という統計も!大企業でもリストラのリスクが高いのがイタリアの現状です。やっと職が見つかっても短期契約ばかりで、一年契約であればマシな方。3ヶ月、1ヶ月先には更新されるか分からないという若者も多数です。息子の「公立」幼稚園の先生は20代後半の女性の先生ですが、なんと1週間おきに契約が切れる状態で、翌週はどうなるか分からないのだとか!

低賃金・未払いも横行

これまで、国が定める最低賃金法が存在せず、経営者団体と産業別組合が最低の賃金水準を決めていたイタリア。空港清掃員の若者からは、時給3.5ユーロだよ、なんて話も聞きました。友人の翻訳家は、まるまる1冊翻訳したのに大手出版社と未払いで裁判沙汰になっている、とも言っていました。

高い家賃・生活費のため若者の自立が難しい

こんな状態なので、求職のため都会に出ても、経済的自立が困難で、複数の人と共同生活をするしかない若者も多数います。運良くカップルで同棲出来たとしても、子どもを育てるスペースのある家に住めるかと言うと、それもまた難しい問題。1ヶ月先の収入も見通しが立たないのに、どうやって家族設計を立てろというのでしょうか?

経済的に共働き必須なのに、保育園や幼稚園が圧倒的に不足

イタリアでは、どちらかが高額所得者で自宅所有でもない限り、共働きでなければ経済的に子育てするのは不可能に近いと思います。それなのに、保育園・幼稚園の枠不足も大きな問題で、待機児童も多数います。

イタリアの待機児童問題、日本より深刻だった!イタリア保育園・幼稚園事情ルポ!

イタリアの待機児童問題、日本より深刻だった!イタリア保育園・幼稚園事情ルポ!

義務教育就学前の子どもを預け入れ出来ない待機児童問題。実は、イタリアでも重大な社会問題になっています。特効的な改善策を見出せず、ますます少子化が進む先進国。まさに日本と同じ状況なのです。そんなイタリアの待機児童問題をレポートします。

対策は?

出典:pixabay.com
出産ボーナス(出産一時金)の導入、公立保育園の補助金拡大(所得を問わず年間1000ユーロ)、などが挙げられますが、一時的に多少のお金が貰えても、抜本的な解決にはなりません。新政権により最低賃金規定も導入されるようですが、政策や法律はしょっちゅう変わります。直ぐ少子化対策に繋がるとは言い難いのが実情ではないのでしょうか?

今後はどうなる?

調べてみると、少子化は古代ローマ時代にもあった、という歴史的事実が!少子化は、人間の共同体が成熟してくると必然的に起こる起きる社会問題なのかもしれません・・・。
少子化は、様々な要因が絡まり合い、簡単には解決できない社会問題だとは思いますが、同じ問題を抱える先進諸国で、対策の成功例などを上手く自国に取り入れ、国全体で対応していかなければならないのではないでしょうか?

参照データ: ISTAT(イタリア国立統計研究所)

Nel 2017 sono stati iscritti in anagrafe per nascita 458.151 bambini, oltre 15 mila in meno rispetto al 2016. Nell’arco di 3 anni (dal 2014 […]

参照データ:厚生労働省 人口動態調査 平成29年

平成29年(2017)人口動態統計(確定数)の概況について紹介しています。