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妊娠中の飲酒(アルコール)やタバコはNG! 妊娠初期に気づかず飲んでしまったお酒の影響についても解説【助産師監修】

妊娠中の飲酒(アルコール)やタバコはNG! 妊娠初期に気づかず飲んでしまったお酒の影響についても解説【助産師監修】
妊娠中に飲酒や煙草が良くないということはよく知られています。 ですが、妊娠したとわかる頃は、だいたい妊娠3カ月前後のころが多いのではないでしょうか。 つまり妊娠に気が付く前に飲酒をしてしまっている場合も…。 今回は妊娠と飲酒の関係や、アルコールが及ぼす胎児への影響などをまとめます。
妊娠中の飲酒(アルコール)やタバコはNG! 妊娠初期に気づかず飲んでしまったお酒の影響についても解説【助産師監修】

目次

1.妊娠中・妊娠初期の飲酒 チェックポイント 2.妊娠に気づかず飲酒してしまった影響は? 3.妊娠中に飲酒が良くない理由 4.妊娠中の喫煙も避けましょう 5.妊娠中の飲酒量について 6.妊娠中の飲酒はいつからいつまでダメなのか 7.妊娠中に飲酒してしまったら 8.どうしてもお酒が飲みたいお酒好きな妊婦さんの対処法 9.『昔の妊婦は飲酒してた』は聞き流しましょう 10.まとめ

この記事の監修助産師

河井 恵美 先生 看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務、25年以上助産師を務める。 青年海外協力隊でアフリカに赴任、国際保健医療を学ぶために大学院に進学、修了。 お母さん方へのアドバイスを充実させたいと思い、保育士資格も取得。 現在、シンガポールに住み2人の子どもを育てつつ、現地の産婦人科に勤務して日本人の妊産婦さん方に携わる。 インターネットにてエミリオット助産院を開設中。

エミリオット助産院

妊娠中・妊娠初期の飲酒 チェックポイント

✓時期に限らず妊娠中の飲酒は一切避けましょう。 ✓少量のアルコールでも赤ちゃんへの影響がないとは言い切れません。 ✓妊娠初期などに気づかず飲んでしまった場合、あまり神経質になる必要はないですが医師に報告はしましょう。

妊娠に気づかず飲酒してしまった影響は?

一般的に、次の生理の予定日を過ぎた頃(およそ妊娠2ヶ月半ば)に妊娠に気が付くことが多いものです。あまり妊娠を意識していない場合は、妊娠2ヶ月終わり頃から3ヶ月頃に気がつくこともあります。そのため、その時期にお酒を飲んでいたということはよくあります。 あまり気にしすぎることはありませんが、赤ちゃんへの影響があるため、妊娠中は飲酒は控えるべきだと考えられています。産婦人科受診の際は、念の為に医師へ伝えておきましょう。

妊活中、妊娠の可能性がある人は飲酒を避けましょう

赤ちゃんがほしいと思っている人や妊娠の可能性があるとわかっている人は、アルコールを避けておきましょう。 万が一、お酒の量や頻度を気にせずにお酒を飲んでいた場合、妊娠がわかってから不安になりますよね。妊活中には、身体の調子を整えると共に、飲酒や喫煙など赤ちゃんに悪影響を及ぼす習慣を見直しましょう。

妊娠中に飲酒が良くない理由

妊娠中の飲酒が良くないとはよく知られていますが、なぜ妊娠中にお酒を飲んではいけないのでしょうか。詳しく知っている人は案外少ないものです。 胎盤を通してアルコールが赤ちゃんに運ばれるため、赤ちゃんの正常な発達が阻害されてしまうと言われています。具体的に赤ちゃんにどのような影響があるのか、わかりやすく説明します。

流産の可能性

妊娠中のママが飲酒すると、アルコール(エタノール)やその代謝産物が胎盤を通して赤ちゃんの血中に移行します。その結果、赤ちゃんの発育が遅くなったり、器官の形成に影響を与えます。流産につながることもあります。

胎児性アルコール症候群

妊娠中に飲酒して出産した場合、赤ちゃんが胎児性アルコール症候群となることがあります。 「出生前後の成長遅滞」「中枢神経系の障害」「顔面の形成不全」の3項目がそろうものが胎児性アルコール症候群(FAS)」と呼ばれています。(参考文献1) 主な症状は、低体重、顔面を中心とした奇形(小頭症・小さい顎・低い鼻梁など)、脳障害などです。治療方法はなく、少量の飲酒でも妊娠のどの時期であっても発症する可能性があります。 また、胎児性アルコール・スペクトラムといって、成長の過程で注意欠陥・多動性障害、成人後の依存症のリスクも指摘されています。(参考文献2)

母体への影響

妊娠中のアルコール代謝は妊娠していないときに比べると落ちています。そのため、アルコールを代謝するために時間がかかります。 その分、赤ちゃんもアルコールからの影響を受けやすいといえます。(参考文献3) また、産科診療ガイドラインによると、妊婦のうつ症状の悪化に影響するという報告もあります。(参考文献4) 妊娠中は、自分の行動が赤ちゃんに直結するため、ママは何かと心配になるものです。 アルコールを飲んだことを心配するがあまり、ノイローゼになってしまうなど、精神的にかなりの打撃を受けてしまう場合は、医師や助産師に相談しましょう。 長期的で深刻な心配ごと、例えば家庭内暴力や経済的な問題、アルコール依存などは母親のメンタルヘルスに影響があるといわれています。 その結果、赤ちゃんを養育するための能力が低下し、愛着を持った関わりが難しくなることによって、赤ちゃんの成長や発達に悪影響を及ぼすと考えられています。(参考文献5)

妊娠中の喫煙も避けましょう

アルコールと同じく、妊娠中の喫煙も赤ちゃんに影響を与えます。喫煙によって赤ちゃんへ栄養や酸素を送っている血管が収縮してしまうため、低体重などの影響があることがわかっています。(参考文献6) 喫煙の習慣がある人は禁煙をおすすめします。旦那さんなど身近な喫煙者がいる場合は、副流煙にも注意が必要です。

妊娠中の飲酒量について

妊娠中のアルコールは、少量であっても赤ちゃんへの影響がないとは言い切れないというのが現在の考え方です。これくらいの量なら大丈夫という量がわかっていないため、「少ない量でも妊娠中の飲酒は赤ちゃんに影響を及ぼす可能性がある」と考え、禁酒しましょう。(参考文献6)

妊娠中の飲酒はいつからいつまでダメなのか

妊娠超初期〜妊娠初期

性能が良い妊娠検査薬が登場し、最近では生理予定日頃に妊娠がわかることもあります。予定生理日よりも前の時期について妊娠超初期と呼ばれることがありますが、医学用語ではありません。 予定生理日を1週間ほど過ぎた妊娠5週以降から、赤ちゃんの身体の器官が形成される時期だといわれています。胎盤が形成され始める時期が妊娠7週頃です。(参考文献7) アルコールは、胎盤を通じて赤ちゃんに影響を与える可能性があると考えられています。身体の器官一つ一つが作られる過程は個体差があり、アルコールに対する感受性も違います。(参考文献3) これらのことから、胎芽時期(※)も含めて妊娠初期からの飲酒は避けたほうが良いといえます。 (※)胎芽:器官形成が不十分な時期で、妊娠8週から10週未満を示す、胎児:器官形成が進み、胎児としての特徴を備える時期

妊娠中期~後期

妊娠中期から後期にかけては、ある程度器官の形成が進んでいます。アルコールが器官(臓器)そのものへの大きな奇形などは示さないものの、赤ちゃんの器官の機能や発育が進む時期であるため、そこに障害が生じる可能性があります。(参考文献7)

妊娠中に飲酒してしまったら

妊娠中にアルコールを飲んでしまった場合、赤ちゃんに影響があるかどうかは、その時期や量、頻度にもよりますので医師に相談してみましょう。 少しの飲酒でとても不安になってしまっているママへのメッセージを込めて、アルコール量のお話を少ししておきますね。 妊娠中の1日のアルコール摂取量が15ml以下の場合、赤ちゃんに影響がなかったという報告があります。 アルコール15mlの目安量は、「ビール350ml缶1本」「ワイングラス1杯」「日本酒コップ半分」です。(参考文献6) 赤ちゃんがアルコールの影響を受けたと考えられる母親の多くは、60〜90mlのアルコールを連日ではなく、時々飲んでいたということです。 この場合、1日に換算するとアルコール量は少なくなりますが、単純に1日量だけでは判断できず、飲酒パターンが関係するということが指摘されています。 また、妊娠初期に大量に飲酒してもその後に禁酒した場合、赤ちゃんの中枢神経には影響を及ぼさなかったという報告もあります。(参考文献6) もしアルコールを飲んでしまったら、その後は飲まないようにして下さい。飲んだ時期や量など医師に相談しましょう。

どうしてもお酒が飲みたいお酒好きな妊婦さんの対処法

どうしても妊娠中にお酒が飲みたくなったら、ノンアルコール飲料を活用しても良いでしょう。ただし、ノンアルコールとはいえ1%未満のアルコールを含んでいることがありますので、注意が必要です。 アルコールが入っていない飲み物で代用することをおすすめします。 または、アルコールを飲むグラスに炭酸飲料やソフトドリンクを入れて雰囲気だけ味わうなど、工夫してみましょう。

『昔の妊婦は飲酒してた』は聞き流しましょう

もしかしたら、先輩ママさんや職場の飲み会の場などで妊娠中のお酒を勧められることもあるかもしれません。 以前は、妊娠中はアルコールの摂取量に気をつければ飲んでも大丈夫と説もありましたが、最近では少量であっても胎児アルコール・スペクトラムの発症リスクがあると考えられています。(参考文献8) 胎児への影響は飲酒量を問わず、否定はできません。赤ちゃんを守れるのはママです。 昔は妊婦もお酒を飲んでいたということは、「そうなんですね」とうまく聞き流せるといいですね。

まとめ

妊娠に気が付かずアルコールを飲んでしまった場合、なかったことにはできませんが、少量の場合は問題にならないことが多いです。医師に相談してアドバイスをもらいましょう。 それほど気にしなくてもよいといわれた場合は、あまり深刻に悩まずに以後は飲酒しないように気をつけておきましょう。
※本記事は妊娠・健康・子育てに役立つ情報提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合には、ご自身の判断により適切な医療機関を受診し、医師にご相談ください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当サイトは責任を負いかねます。

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参考文献

1. 厚生労働省 e-ヘルスネット 「飲酒・胎児性アルコール症候群」

1. 厚生労働省 e-ヘルスネット 「飲酒・胎児性アルコール症候群」

2. 厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールによる健康障害・胎児性アルコール症候群」

2. 厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールによる健康障害・胎児性アルコール症候群」

胎児性アルコール・スペクトラム障害 » 妊娠中の母親の飲酒は、胎児・乳児に対し、低体重や、顔面を中心とする形態異常、脳障害などを引き起こす可能性があり、胎児性アルコール・スペクトラム障害といわれます。胎児性アルコール・スペクトラム障害には治療法はなく、唯一の対策は予防です。また少量の飲酒でも、妊娠のどの時期でも影響を及ぼす可能性があることから、妊娠中の女性は完全にお酒をやめるようにしましょう。

3. CHILD RESEARCH NET 新美洋一「妊婦の飲酒と胎児性アルコール症候群(Fetal Alcohol Syndrome)」

3. CHILD RESEARCH NET 新美洋一「妊婦の飲酒と胎児性アルコール症候群(Fetal Alcohol Syndrome)」

4. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科 診療ガイドラインー産科編2017ー」

5. 日本産婦人科医会 木下勝之 「妊産婦のメンタルへルス」

6. 日本産婦人科医会 左合治彦 「飲酒、喫煙と先天異常」

7. メディックメディア「病気が見える Vol.10 産科 第3版」

8. 日本産婦人科医会 「10.妊娠中の飲酒について」

8. 日本産婦人科医会 「10.妊娠中の飲酒について」

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