子どもに障がい者をどう説明する?知識をしっかり伝えて、先入観をくつがえそう!
東京オリンピック・パラリンピックで障害のある人をテレビで見かける時期。日常生活や学校生活の中でも障害のあるひとを見たり関わる機会のある親子がいるかもしれません。
障害ってなに?勉強がわからない人?どうして障害があるの?様々な子どもの疑問に向き合い伝えるチャンス!話し方をご紹介します。
「見た目でわかる障害」と「見た目ではわからない障害」があります
車椅子に乗っている人は障害がある人なのだということがわかりやすいもの。
ですが、一見わからない障害を抱える人が多く存在しています。
例えば、
・聴覚障害
・精神障害
・発達障害
・自閉症
・内部障害
・難病
・義足や人工関節
これらの障害は、見た目は普通に見える人がほとんどでしょう。
関わってみて初めて分かる障害や、関わってみてもわからない障害を抱える人がいるのです。
見た目にはわからないけれど障害を抱えている人は、「ヘルプマーク」をバッグなどにつけている人がいます。
義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病の方、または妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、東京都が作成したマーク。
東京都から全国各地に広がり、見た目にわからない障害や難病を抱える人、妊娠初期で体調に配慮が必要な人がつけていることがあります。
障害といっても、一口には言えない様々な障害があるのだということを親子で話してみましょう。
支援クラスなどが配置されている小学校へ通っているお子さんなら、知っているかもしれませんね。
障害に対する偏見や不快感は「知らない」ことが原因
子どもたちは正直で素直。
足がない、手がない、手話を使う、変わった動きをする、奇声をあげるなどの様子を見たら不思議な気持ちや気味の悪さを抱くのは当然のことです。
それは、その理由がわからないため。
知識がないことで、不思議な気持ちから恐怖感を抱き、排除したくなるのは仕方がないのかもしれません。
そこで周囲の大人が教えてあげる必要があります。
障害について理解を深めてほしい、障害のあるなしに関わらず多様な社会で偏見なく生きてほしい!
もしも保護者がそんな思いを持っているのなら、障害について一緒に学習してみましょう。
パラリンピックの放送を見ることはもちろん、Eテレで障害のある人が出ている番組を見たり、障害のある人についてかかれた絵本や小説を読むのも良いですね。
Eテレで放送中の番組一覧はこちら
子どもの気持ちを受け止めながら話そう、障害のこと
障害のあるひとを見たり実際に会ったりすると、怖い・気持ちが悪いと思うことは、自然なこと。
子どもの不安な気持ちは、受け止めてあげましょう。
・障害は生まれつきの先天性の場合と、事故や病気で後天的の場合とがある
・障害のある人でも知的な障害がなければ、知的な能力は遅れてはいない
・障害についてよく知っている家族や介護、支援者のチカラを借りることで、日常生活は普通に過ごせる
このような基本的なことを伝えてあげましょう。
実際に障害のある人に出会ったり、保護者が説明や返答に困ってしまうような事例をあげてみましょう。
①子どもが車椅子の人をじーっと見ている
「あれは、車椅子っていうものでうまく歩けない人や足のない人が乗って移動するものだよ」
「歩くことが難しい人でも、車いすに乗ればどこへでも自由に動けるんだ」
「足が動かない人だけではなくて、体調の良くない人や、歩くことが疲れてしまう人、歩くと足が痛む人も使うんだよ」
と、真実を教えてあげましょう。
どこかで車いすに乗って体験できる機会があると、もっと良いですね。
②突然声をあげる人や、奇妙な動きをする人を怖がる
「声を出すことを我慢できないひともいるんだよ。驚かそうとしているわけではないの。」
「体を常に動かすことで、心が落ち着く人がいるの。動いている時は心配なことがあったり、落ち着かない気持ちのときなのかもしれないね。」
「呼吸をするときに声が出てしまうひともいるんだよ。怖がらそうとしているわけではないから大丈夫なんだよ。」
障害のある人の中にはいろいろな行動や動作があり、知らない子どもにとっては恐怖を感じることがあります。
仕方がなくしてしまうことがあり、わざとではない、怖がらせているわけではない、と教えてあげましょう。
障害のある人はその人自身。わが子も同じです
見てわかる障害のある人は、見た目が健常者と少し違います。
見てわからない障害のある人は、見た目ではわかりませんが、関わったり様子を観察するとわかることもあります。
けれど、どんな人にも苦手なことや得意なこと、見た目の特徴や個性、性格、癖がありますね。
障害のある人も同じなのです。
視力が低下すればめがねをかけるように、苦手なことを補う装具を使ったり、支援をしてもらって生きていきます。
走るのが遅い、漢字を覚えるのが苦手、野菜が嫌い、泳げないなど、ひとはできないことがたくさんあります。
日常生活に支障があるかどうかの違いがあるだけなのではないでしょうか。
社会にはいろいろな人がいて、困っていることや苦手なことは違うけれど、みんな同じ人間ですね。
小さくても少しずつ理解できるように、ことあるごとに話していけば、偏見を持つことなく視野の広い人へと育つことでしょう。
困っている人や仲間に障害のある人がいれば、お手伝いできることがないか声をかけたり、障害のない友達と同じように仲良くしたり喧嘩したりし過ごしてほしいですね!
保護者も視野を広く持ち、子どもと学んでいきましょう。
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