【医師が回答】気になる歯並び……大人になってから行う歯列矯正のメリット・デメリットは?
きれいなスマイルラインを維持するために
出っ歯や前歯のすき間など気になる歯並びについて
【お悩み①】小さい頃から、前歯に小さな隙間があったのですが・・
小さい頃から、前歯に小さな隙間があったのですが、20歳に近づく頃から、だんだん広がってきているような気がしています。このようなことはあり得るでしょうか?
また、治すとしたらどんな治療法が考えられますか?
高橋矯正歯科/高橋 滋樹先生
舌で前歯を押すような癖がある場合、徐々に隙間が広がる可能性は考えられます。
この場合そのような癖を治すことが治療を成功に導くには重要な要素になる場合もあります。
舌の癖について指導のできる診療室でまずみていただくのが良いと思います。
ただし、前歯の配列については気になりだすと悪い方へ進行しているような気がするとおっしゃる患者さんは多いです。
実際のところは2時点で比較しないと本当に悪い方に進んでいるかは評価ができません。
ひまわり歯科/吉用 卓先生
歯が動くには原因があります。
それがかみ合わせの問題なのか、癖が問題となっているのか、診察することができないため、はっきりとお答えすることができず、申し訳ありません。
隙間を埋める治療としては以下の方法が考えられます。
・矯正治療
歯を動かし、隙間を埋めます。歯を削る必要がありません。保険が効かない。期間がかかる。
・CRで埋める
白いプラスチックの材料で隙間を埋めます。
虫歯がなければほとんど歯を削る必要がない。時間とともに変色する可能性がある。強度的な問題で取れる可能性がある。
・ラミネートべニア
前歯の歯の表面を一部削り、セラミックスで表面を覆う方法。
見た目が自然になる。保険が効かない。割れやすい・取れやすいという欠点。虫歯がなければ健康な歯を削らなくてはいけない。
・被せもの
保険が効くものと効かないものがあります。大きく形態を変えることができるため、見た目を良くすることができます。
大きく歯を削らなくてはいけない、場合によっては歯の神経を取らなくてはいけなくなることもあります。しかし、その反面、歯の傾きや形を変えることができます。
それぞれに利点・欠点があるため、しっかりと相談され治療を行う必要があります。
また、状態によってはすべての治療法が選べるわけではありませんので、一度相談されてみると良いでしょう。
小さい頃から、前歯に小さな隙間があったのですが、20歳に近づく頃から、だんだん広がってきているような気がしています。このようなことはあり得るでしょうか? また、治すとしたらどんな治療法が考えられますか?
小さい頃からの前歯のすき間が広がってきている……見た目も変わってしまうので気になりますよね。
舌で前歯を押し出してしまう癖などで、すき間が広がってしまうことはあるそうです。
まずは、しっかりカウンセリングを受けて、何が原因になっているのか診断してもらってから治療に移りましょう。
【お悩み②】出っ歯なんとかしたいです。
出っ歯に悩んでいます。キレイなEラインと呼ばれる形にするためにはどうすればよいのでしょうか。
まだ学生なので高額な治療費が払えません。安値で効果の期待できるものを教えていただきたいです。
高橋矯正歯科/高橋 滋樹先生
きれいなEラインにするには、上の歯を下げるだけでなく下の歯を下げる必要があることが多いです。
また、治療中奥歯のコントロールをすることで顎が下がらないようにしていくことも重要ですので、上下に装置をつける必要があることが多いです。
安価な方法で充分よい結果が出ない可能性があることもしっかりと考慮して治療を選択してください。
いしかわ矯正歯科/石川 剛先生
歯が出ているのを治す場合、基本的には全顎の矯正治療がよいかと思いますが、装置に関しては、目立たない白いものや、歯の裏側に付けるものの場合は、費用は高くなります。
逆に多少目立ってもいいのであれば、金属製のものを使えば費用を抑えることは可能です。
あとは簡易的ですが、歯の表面のエナメル質を少しずつトリミングして形を整える方法もあります。
ただし、限界があるので、劇的な変化は望めないかもしれません。
まずは費用や現在の状態も含めて、専門の先生に相談してみたほうがいいでしょう。
出っ歯に悩んでいます。キレイなEラインと呼ばれる形にするためにはどうすればよいのでしょうか。まだ学生なので高額な治療費が払えません。安値で効果の期待できるものを教えていただきたいです。
出っ歯の治療は全顎の矯正治療や、上だけでなく下の歯も下げる治療が必要になります。
費用の面では、どれも歯や顎の上下全体に器具を付けなければいけないので、目立たない器具にするとなると費用は高くなってしまいます。
今の状態を見てもらって費用や治療の期間など専門の医師に相談してみるのがいいですね。
【お悩み③】下顎の前歯の歯並びが悪く、少し重なるような感じででこぼこと段差になって生えています。
下顎の前歯の歯並びが悪く、少し重なるような感じででこぼこと段差になって生えています。
矯正治療をする場合、どれくらいの期間がかかりますか? 治療費も心配です。
ひまわり歯科/吉用 卓先生
どういった矯正治療を行うかによって治療期間は前後してくるのですが、一般的に治療期間は2年前後と考えてもらっても良いかと思います。
年齢によっても治療スピードは変わってきます。
見た目的に前歯のみが悪いようでも、検査を行うと他にも問題点が出てくることもあります。難しい歯並びであれば期間は延びます。
費用に関しては歯科医院によって異なるため、悩まれるとは思うのですが、治療期間中の見た目を優先するのか、抜歯をして矯正をしたくないのか、治療期間を優先するのかによって大きく治療法も費用も異なってくると思います。
一度、かかりつけの歯科医院、あるいは矯正を行っている歯科医院に相談され、納得の上で治療を行うことが一番ではないでしょうか?
下顎の前歯の歯並びが悪く、少し重なるような感じででこぼこと段差になって生えています。矯正治療をする場合、どれくらいの期間がかかりますか? 治療費も心配です。
矯正治療は年齢によっても期間が変わるのですが、大体2年程度かかります。
ただ、前歯だけ矯正治療したい場合でも検査で難しい歯並びとわかることも。
費用や期間に関してはかかりつけのクリニックか、矯正を専門に扱うクリニックに一度相談してみましょう。
不正咬合の原因は?
【お悩み④】不正咬合の原因
不正咬合になってしまう原因は何ですか?
医療法人社団MDC みらい歯科クリニック/松本 武先生
歯医者選びは難しいですよね。ただ選ぶ基準は千差万別だと思います。
クチコミを当てにしたり、他人がおすすめする歯科医院を受診しても、歯医者と自分の相性が悪いと足が遠のいてしまいますから。
ただ私が受診するとしたら、しっかり話を聞いてくれるカウンセリングシステムが整っていて、使用器具の洗浄・滅菌が行き届いている清潔感のあるクリニックを選択すると思います。
また治療終了後もお口の健康を保つために、定期的な来院を勧めてくれる歯科衛生士が在籍していることも重要だと思います。
なぜ不正咬合になってしまったのか……それは、柔らかいものを食べる機会が多い現代の食生活や、花粉や鼻炎といったアレルギーからの口呼吸などさまざまな原因が考えられます。
また大人になってからの不正咬合は、歯周病の進行や親知らずの影響も。
気になるのであれば放置せず、一度クリニックで診断を受けることをおすすめします。
不正咬合の矯正治療について
【お悩み⑤】不正咬合の矯正に抜歯や手術は必要でしょうか?
不正咬合の矯正は、抜歯が必要でしょうか。
また、場合にもよるかと思いますが、抜歯の他に歯ぐきの切開など手術(?)も必要になるのでしょうか。
みらい歯科・こども矯正歯科/中村 好一先生
抜歯が必要な場合もあります。
成長が止まって歯を支える骨がそれ以上育たなくなってしまったら、歯を間引いて整える必要性が出てきます。
また顎の骨を切って前後のバランスを整えることもあります。
これらを避けるためには顔の成長が盛んな5~8歳の間に矯正する必要があります。
この時期に矯正をすることで歯が正常に生えるように骨ごと矯正可能です。
できるだけ外科的な介入を避けたければ低年齢での咬合誘導矯正を始めるべきです。
すずき矯正歯科/鈴木 智貴先生
まず抜歯の必要性についてお答えします。
矯正治療において抜歯が避けられない症例は多く存在します。
歯が大きく顎が小さい場合に無理に抜歯をしないで並べると、全く咬まなくなったり、歯根(歯の根っ子)が歯肉から飛び出してしまうことがあります。
また、なんとか歯を並べることができても、前歯が前方に突出し、口が閉まらない状態になってしまう場合は、抜歯をして口元を後方にさげるような治療を選択するべきです。
手術についてですが、うさコ様が想像されているものとは違うと思いますが、手術が必要になる症例もあります。
例えば、極端な受け口のように、上顎の骨に対して下顎の骨がひどく前方にズレている場合は、下顎を手術で下げる治療が必要です。
外科的矯正治療という方法で、矯正治療と外科治療が一体になった治療法です。全て保険治療の対象になります。
不正咬合の矯正は、抜歯が必要でしょうか。また、場合にもよるかと思いますが、抜歯の他に歯ぐきの切開など手術(?)も必要になるのでしょうか。
不正咬合の治療では抜歯だけでなく、手術で顎の骨を切ってバランスを整えることが必要な場合も。
聞くだけで痛いと思ってしまう治療なので、もしこういった治療を避けたいときには顔の成長段階である5-8歳ごろの矯正が本当はおすすめのようです。
矯正は治療内容によっては保険治療の対象になることもあるので一度診てもらいましょう。
【お悩み⑥】年取ってからでも歯列矯正はできますか?
ボケ防止になると聞いたんですが、七十、八十の年寄りでも矯正はできますか?
いしかわ矯正歯科/石川 剛先生
ご質問の件ですが、年齢が高くても矯正治療はできます。
咬むことは、大切ですので、ボケ防止につながるかと思われます。
当院でも、最高、73歳で矯正治療された方がいらっしゃいます。
ただし、歯肉の問題や被せ物がある場合がありますので、かかりつけの一般歯科の先生と相談しながら、矯正治療を進める必要があります。
一度、矯正歯科専門医にご相談してみては、いかがでしょうか?
みらい歯科・こども矯正歯科/中村 好一先生
今は人生100年時代と言われ始めているので70代、80代はまだまだお若いと思います。
ご自身の歯が残っていらっしゃれば歯はワイヤーをかければ動きますし、矯正自体が不可能と言うことは無いと思いますが、それがおっしゃるようなボケ防止になるかはわかりません。
今、どのような歯列、噛み合わせでいらっしゃるかわかりませんので、明確なお答えができずすみません。
やはり矯正専門の歯科医院を一度受診されてはいかがでしょうか?
医療法人社団 悠和会 北野坂鳥居歯科医院/鳥居 秀平先生
高齢だからといって、歯列矯正が絶対に出来ないということはございません。
ですが、歯がどれくらい残っているか、残っている歯の状態や顎の状態など詳しく検査してからでないと出来るかどうか判断できませんので、一度矯正専門の先生に診てもらうことをオススメ致します。
高齢でも矯正治療はできます、またご自身の歯で咬むことでボケの防止につながることも。
まずは今の状態で矯正治療ができるかどうか、今残っている歯の本数や顎の状態を検査してもらいましょう。
【お悩み⑦】歯並びを治すなら矯正と審美歯科どちらがいいんですか?違いを教えてください。
歯並びを治すなら矯正と審美歯科どちらがいいんですか?違いを教えてください。
清水デンタルクリニック/清水 雄一郎先生
矯正であれば、大きく歯を動かしていくので治療期間が長くなります。
その代わり、自分の天然の歯を残せるので、歯を長く残すという観点からみていくと、矯正のほうが有効かもしれません。
審美歯科で、例えば、小さな歯並びのズレであれば、表面にセラミック素材を張り付けるとか、被せ物入れるとかでも治せるので、治療期間の短縮は可能です。
少ない本数であれば、矯正治療より審美治療の方が費用を抑えられる可能性もあります。
その代わり、自分の歯に手を加えることになるので、歯の寿命は縮まるかもしれません。
審美歯科で施術したセラミックは、一生もつ訳ではありません。
例えば10年ぐらいで前歯の間に黒い線がみえてきたりとか、そういう可能性も考慮する必要があるので、単純に体の健康を考えたら、矯正のほうがいいと思います。
歯並びを治すなら矯正と審美歯科どちらがいいんですか?違いを教えてください。
矯正と審美、どちらがいいのかはメリット・デメリット両方から考えるのがおすすめです。
小さい歯並びのズレであれば審美の方が治療期間は短く、費用も抑えられる場合も。
矯正の場合、治療期間はどうしても長くなりますが、将来も自分の歯を残せるという面では大きなメリットになります。
歯は一生の付き合いになるものなので、クリニックでしっかり相談してから納得のいく治療を進めていきましょう。
※上記は専門のドクター・歯科衛生士による返答は、治療行為ではありません。
これらのサービスは自己の責任において利用し、必要ならば適切な医療機関の受診等、自身の判断でおこなってください。実際に医療機関を受診する場合、治療方法等に関しまして医師によくご相談ください。
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