欧米の子どもたちは、歯が抜けるのが待ち遠しい!? 乳歯の生え変わりにまつわる言い伝えが素敵だった☆
6歳前後になると、誰にも訪れる歯の生え変わり。乳歯から永久歯への大事な成長の証ですが、子どもたちはビックリしたり怖がったりしてしまいがち・・・。けれどヨーロッパやアメリカでは、可愛いファンタスティックな言い伝えが広まっています。子どもの不安もどこかへ飛んで行っちゃう、素敵な伝承をご紹介します♪
スペイン、フランス、イギリス、北欧、さらにアメリカを含めて欧米の多くの国では、乳歯が抜けると枕の下に入れておくよう言われます。なぜなら、その夜「ネズミ」か「歯の妖精」がやってきて、抜けた歯を持ち帰り、かわりにコインやプレゼントを置いていってくれる、という言い伝えがあるから!枕の下だけでなく、テーブルの脚の下や柱の穴など、家の中のどこかに隠すこともあります。国や地域によってはネズミだったり妖精だったり、また男の子はネズミ、女の子は妖精を好むなどの傾向があるようです。ともかく子どもたちにとってはサンタクロースと同じようなイベント!歯が抜けた夜には楽しみに眠りに落ち、翌朝目覚めてプレゼントを見つけるのです。
起源は・・・
一説によると、北欧神話の初期ヴァイキング時代の様子を伝える13世紀の文書『エッダ』に、初めて乳歯が抜けた子どもにはお金をプレゼントする習慣があったことが記録されているとか。また古代ヨーロッパでも、6本の乳歯が抜けると、親が枕元にコインか小さな贈り物をこっそり隠し、子どもを喜ばせるという伝統もあったそうです。
歯の妖精
17世紀になると、妖精物語を多数書き残したフランスのドーノワ婦人の童話『La Bonne Petite Souris(善良な小ネズミ)』に、この習慣に基づくようなお話が載っているのが資料として挙げられます。
この話に出てくる妖精が二十日ねずみに姿を変えて邪悪な王の枕に隠れ、王の歯を全部落としたことになっています
出典:blog.apagard.com
ネズミ
1894年には、スペインの作家ルイス・コロマが『Ratoncito Pérez(ネズミのペレス)』という物語を発表。スペイン語・ラテン語圏では、ネズミが普及しているのもこのためなんだそうです。
ネズミのペレスが誕生したのは、スペイン国王アルフォンソ12世が崩御した翌年の1886年、寡婦の王妃マリア・クリスティーナが、その後1902年に16歳で王となる息子のアルフォンソ13世の摂政としてスペインを統治していた頃のこと。幼少のアルフォンソ13世は体が弱く、そのためか随分甘やかされて育った。王子が8歳になったときに初めて乳歯が抜け、王子はその事をひどく危惧した。息子のこの不安を取り除くために、王妃は作家のルイス・コロマに「抜けた歯」を題材に短いストーリーを書いてくれるように依頼。そして、その時に生み出されたストーリーが『ラトンシート・ペレス』だった
出典:www.novajika.com
枕の下に隠した抜けた歯をネズミのペレスが取りにやってきて、目が覚めた主人公のおうさまと友だちになり、冒険に出かけるというストーリーは子どもたちに大人気です。マドリードには、このネズミのペレスの博物館やプレートもあるほど!日本語でも、『ねずみとおうさま』という訳で出版されているので、気になる方は読んでみてください。
Amazonでコロマ神父, 土方 重巳, 石井 桃子のねずみとおうさま (岩波の子どもの本 カンガルー印)。アマゾンならポイント還元本が多数。コロマ神父, 土方 重巳, 石井 桃子作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。またねずみとおうさま (岩波の子どもの本 カンガルー印)もアマゾン配送商品なら通常配送無料。
日本では・・・
ご存知の通り日本では、上の歯の場合には床下に、下の歯の場合には屋根に向かって縁側や窓などから放り投げるのが習慣ですね。我が家のイタリアハーフ長男6歳にこの話をしたところ、「じゃあイタリアの方がいいや」と即答。コインやプレゼントをもらえる方が良いというわけです。
実際1ヶ月ほど前に初めて下の歯が抜けたとき、長男は大喜びで家族・親戚に報告しまくり、その夜はドキドキしながらベッドに入りました。イタリア人の主人も事前にわざわざ可愛い図柄の記念コインをインターネットで探して購入し、ネズミ&妖精からのお手紙付きで、枕元に用意。翌朝は、コインを発見して大興奮でした。おまけに次男3歳までも、お兄ちゃんと同じようにコインをもらいたくて、「ボクの歯もグラグラ~」と言い出す始末。いや3歳児、キミの歯はさすがにまだ抜けないだろ・・・と思わずツッコミましたが、この言い伝えのおかげで、歯の生え変わりに対して怖いイメージを持たずに済みそうです!