管理より「自主性」
まず初めに、親が子供の勉強や成績にどのくらい言及していたのかを調べました。
質問:親に「勉強しなさい」と言われていましたか?
意外にも、親に勉強しなさいと「いつも言われていた」「よく言われていた」という人は20%より少ないという結果になりました。また、「全く言われなかった」という人も40%以上いたのです。勉強しなさいと言われる、ということはあくまで一つの指標に過ぎません。しかしここから分かるのは、京大生の親は子供の勉強を管理しようとするより、自主性に任せている人の方が多いということです。
自分のことだから、後で苦労するのも笑うのもあなたの行動しだいだよ、と常に言われていた。なので、勉強せず浪人した時、それが強く身に染みた。(法学部)
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そんな京大生の親の教育方針には、大きく分けて5つのタイプがいるようです。
褒めて伸ばすタイプ
最近よく取り沙汰される「褒めて伸ばす」子育て。10年以上前から、京大生の親には実践している人が多かったようです。
基本的に、やれば出来る子だと常に言われてきた。やる時はやるもんね、と言われていたからこそ、節目節目で勇気づけられた。(法学部)
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自分では大したことがないと思っていることもすごく褒めてくれたので、自己肯定感が高まった。(経済学部)
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日頃は自己肯定感や、次々とハードルを飛び越える原動力を育ててくれます。また、テストなどの大一番の時に思い出して勇気づけられ、結果を出せるという効果もありますね。
好奇心を育てるタイプ
多くの研究者を輩出する京都大学。その学生の中にはやはり、幼少期から知的好奇心を育ててもらった人も多いようです。
親が本を読んだりテレビで教養深めるものを見ていたりした(総合人間学部)
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興味を持ったものの図鑑をどんどん買ってくれた(工学部)
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辞書のひき方を早々に教えられ、分からないことを母に訊くと「分からないから、調べてお母さんにも教えてねー」と言われていた。(経済学部)
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好奇心は勉強だけでなく、自分の知らない世界に飛び込もうとする勇気にも繋がります。まさに、人生を豊かにする力ですね。
自分の頭で考えさせるタイプ
日本人、特に現代っ子の弱みとして「自分で判断できない」ということがよく言われますよね。しかし京大生の中には、幼少期から自分の頭で考える癖をつけることで、その力を伸ばしてもらった人もいるようです。
勉強しろと言わなかったこと。自分で考えるクセがついた。(文学部)
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自分のことは最終的には自分の判断だと教えられていたので、自分で考えようという気持ちが強くなった。(法学部)
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「なんで?」と訊くと「なんでだと思う?」と訊き返される。(経済学部)
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自分の頭で考えることは、勉強だけでなく、将来の仕事や人生の決断にも大きく関わってきます。今の世の中だからこそ、強く求められている力ですね。
諦めない心を大切にするタイプ
京大生は膨大な勉強量をこなして受験を突破してきています。その力の源泉が、諦めない心です。
自分でやると決めたことはある程度しっかりやってからでないと止めてはいけない(経済学部)
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勉強の不安は勉強でしか取り除かれない(理学部)
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「そんなに頑張らなくてもいいんだよ?」とよく言われた。だから逆に奮起して、自分の意志で頑張れた。(経済学部)
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頑張るところを自分で決めて、自分の責任で頑張る。ここにも自主性を大切にする教育方針が現れていますね。
厳しく接するタイプ
やはり京大生の家庭の中にも、厳しく接することで成績を上げるという教育方針も多いようです。
無理やり教材を買い与えた。(総合人間学部)
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通知表チェック(文学部)
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周りの子と我が子を比べ、劣っている時にはため息をついたり怒ったりしていた。自分はこれによりできないことをできないと認めたり、できるように努力することを覚えたと思う。(経済学部)
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厳しく接するのは、親にとっても結構大変です。ですが親に認めてほしい、褒められたいという気持ちで頑張れる子には、この方針も合っているのかもしれませんね。
わが子に合った、いいとこ取りで
京大生の多くは受験期の1~2年で急激に力をつけたわけではありません。幼少期からの家庭環境で、勉強する力も、勉強以外の色んな力も積み上げてきたようです。現役京大生の世代より、今の子どもたちは色んな力を求められています。ただ成績を伸ばすだけではない、京大生の家庭環境が参考になれば嬉しいです。