ビデオチャットで2歳児を救命!アプリを駆使したイタリア・ボローニャの救急スタッフと両親との連携プレーが話題!
モッツァレッラチーズの切れ端を飲み込んで、喉を詰まらせてしまったパトリックくん2歳を救ったのは、救急救命専用のアプリ。ビデオチャットで状況を判断した救急スタッフが、現場の両親にリモートで手順を伝え、テクノロジー&皆の連携プレーのお陰で事なきを得たというエピソードが、悲しいニュースが飛び交う中で、話題となっています!
クリスマス前の冬休み中に、ボローニャ在住の2歳の男の子が緊急事態に!
ママが夕食のピッツァを作っている最中に、モッツァレッラチーズの切れ端を飲み込んで、喉を詰まらせてしまったパトリックくん2歳。慌てふためくパパとママの目の前で、チアノーゼ状態に陥り、意識不明にまでなってしまったと言います。
リモートで救急スタッフが指示
ママのステファニアさんが電話で救急車を呼ぶと、何があったのか・どこから掛けているのかと聞かれたのだそうです。すぐに看護師のダニエーレ・チェリンさんが電話口に交代。そして、ケータイの画面を通して実際に見ながらリモートでパパのミケーレさんへガイドするから、蘇生法を試みるようにと指示しました。
使用したのは「FragMii」というイタリアのビデオチャットアプリ
このリモートサポートを可能にしたのは、「FlagMii」という救急救命専用のアプリ。遠距離で救命活動をタイムリーに行うために開発されたもので、1年ほど前から、イタリアのエミリア=ロマーニャ州とピエモンテ州で使われているそうです。
パトリックくんのママは、携帯に送られたメッセージからアプリをダウンロードしてカメラをつけると、息子の様子を映して看護師さんに見せました。そしてパパは、ビデオチャットで状況を判断した救急スタッフが説明する指示に従って、意識のない子に異物除去と心臓マッサージを繰り返したのです。まるで隣にいるように、画面を通して一挙手一投足を正確に説明してもらったおかげで、パパも落ち着きを取り戻して対応できたのだとか。
救急車が到着したのは23分後だった!
新型コロナウイルスの影響で医療機関の負担が増大し、加えて冬休み中ということで、救急車が到着したのはなんと23分後だったとか。アプリがなかったら本当に取り返しのつかないことになっていたかも知れません。
"Ancora adesso io e Michele – continua la donna – non sappiamo come abbiamo fatto a restare calmi. Davanti a noi c’era la vita di nostro figlio, ma mi creda la serenità del soccorritore è stata decisiva".
出典:www.tgcom24.mediaset.it
ママのコメント
今も私とミケーレは、どうやって冷静でいられたのか分からないです。目の前で息子の命が危うくなっていたけれど、落ち着いて対応してくれた救急スタッフのお陰です
ビデオチャットで救命スタッフとつながれるアプリはまだ普及途中
こうしたアプリはまだまだ普及途中で、イタリアで全国的に使われているものではありません。日本でも、2020年8月の情報では一部の市などで自主的に活用されているのみとのこと。
日本では、ビデオ通話による通報システムは愛知県岡崎市消防本部など数か所でしか実用化されていません
出典:www.m3.com
とのこと。心臓マッサージや応急処置の方法を学んでおくことも大切ですが、実際その場で自分の家族に適切に処置できるかどうかはやっぱり別。専門家からリモートでも指示を貰えれば心強いですし、一度落ち着くこともできます。
救急車の平均到着時間は8.6分※といわれています。心停止から1分ごとに、救命率は7~10%下がります。
出典:www.med.or.jp
といわれています。もちろん心臓マッサージや応急処置の方法を学んでおくことも大切ですが、実際その場で自分の家族に適切に処置できるかどうかはやっぱり別!救急車が到着するまでの間に、専門家からリモートで指示を貰えれば心強いですし、一度落ち着きを取り戻せるでしょう。また、到着前のスタッフに状態を詳しく伝えることもできます。医療のひっ迫などが問題になっている昨今ですが、こうしたアプリやテクノロジーの開発・普及も望みます!
突然、大切な家族や友人、近くの人が倒れたら…。一刻も早い心肺蘇生が必要です。日本医師会が「心肺蘇生法の手順」を解説します。
食べ物がのどにつまった!子どもが異物を口に入れてしまった!窒息したときはどうする?日本医師会が「気道異物除去の手順」を解説します。
子どもが息をしていない!赤ちゃんには胸骨圧迫(心臓マッサージ)をしていいの?子どもにAEDは使っていいの?日本医師会が「子どもの一次救命処置の手順」を解説します。