コロナ禍のイタリアで、子育て家庭にありがたい補助金・支援金はこんな感じ!
コロナ禍で、各国の国民へのサポートが注目されていますが、私の住むイタリアでも色々対策が行われています。支給のスピードが遅い・申請方法が複雑・少額、などの批判もありますが、無いよりはずっとありがたい。中でも共働き子育て家庭に嬉しい支援金・補助金についてまとめてみました。
色々ある支援金・補助金だけど・・・
欧州先進国の中でも、今回の新型コロナウイルス感染拡大により、被害者数でも経済面でも最も厳しい状況に陥った国のひとつ、イタリア。
・自営業・フリーランスの方に月額600ユーロ=69,000円×最長3ヶ月分を給付
・労働者の雇用と所得を保護するため全ての生産部門の従業員を対象に特例給与補助金庫から給与を支給(最大9週間、50%)
・年金の支給日の繰り上げ
・零細・中小企業に対して、借り入れの返済期日を9月30日まで延長
・生活困難世帯への緊急支援金
などなど、様々な対応を行い国民の経済的困難を支援しようとしています。
中でも、共働き子育て世代にとって重要でありがたい給付金や支援金について、実際に恩恵を受けたものもあるので、JETRO(日本貿易振興機構)やイタリアの公的機関のデータから情報を集めてみました。
※1ユーロ=115円で概算しています。
有給(50%)の休職
12歳未満の子どもがいる親の場合、3月~8月31日までの間に30日の休職を申請できることが法律で規定されました。7月17日~8月31日の期間は、時間単位でも申請が可能です。この場合給与は50%になってしまいますが、在宅ワークできず、預けることも出来ない場合に、被雇用者の権利として休職を申請できるのはとても良い仕組みだと思います。
在宅ワークでも申請可!共働き家庭に政府からベビーシッターボーナス!
収入に関わらず、12歳未満の子どもがいる共働き家庭は一律で対象になるベビーシッターまたはサマースクールのボーナス。上記の休業制度を15日以上利用していないことが前提です。税引き後で実質960ユーロ=110,400円(医療関係者や警察・消防などの職種の場合は1600ユーロ=184,000円)が補助されます。休業制度を15日未満利用した人は額が少なくなります。このボーナス、在宅ワークをしていても対象となるのが本当にありがたいです。ベビーシッターまたはサマースクールの口座に振り込まれるので、依頼者に現金が支給されるわけではありませんが、とても助かります。
ちなみにこの制度では、ベビーシッターの手取りは10ユーロ=1,150円以上になるように支払うことが条件です。サマースクールは1日預けたら大体25ユーロ=2,800円はかかります。この支援金、多いのか少ないのか・・・賛否両論はもちろんありますが、何も無いよりは助かりますよね。
バカンスボーナス
Go to トラベルならぬ、Go to バカンス。
イタリアではバカンスボーナスという補助金が出ます。額面は、4人世帯に500ユーロ=57,500円、2人世帯に300ユーロ=34,500円、1人世帯に150ユーロ=17,300円。対象となるのは、動産&不動産の合計所有財産が40,000ユーロ=460万円未満(世帯人数が多い場合は50,000ユーロ=580万円)の世帯のみ。ちなみにこちらも現金支給される訳ではなく、80%をこの制度に申請した国内宿泊施設での直接予約・滞在分に、20%を税金控除に使用出来る、という分かりにくいもののため、実際の利用者は身近には聞いたことがないのですが・・・。
自転車&電動キックボードの購入ボーナス!
コロナ禍で、公共交通機関の混雑回避のため、自転車や電動キックボードでの移動が推奨されています。エコロジーでサステイナブルな交通手段を市民に広めるためにも有効。というわけで、5月4日以降に自転車、電動自転車、電動キックボードやセグウェイ、ホバーボードの購入費の60%(最高500ユーロ=57,500円まで)がオンラインクーポンの形で補助されるそうです。人口5万人以上の都市の在住者18歳以上が対象。
これ、我が家はまだ利用していないのですが、この機に家族で自転車を購入出来ればと思っています。
ローマ市の公共交通機関から、ロックダウンで使えなかった期間分の定期料金が返金!
地下鉄、トラム(路面電車)、バスを含むローマ市の公共交通機関ATACからは、全国的にロックダウンになった3月~4月の分の定期料金が返金されるようです。年間定期の場合は250ユーロ=28,800円なので、2カ月分で40ユーロ=4,600円ほどですが、これも無いよりマシ!もちろん、1カ月ごとの定期を購入していた場合も返金対象とのこと。オンラインで申込できます。
他にもいろいろ
この他、耐震工事や省エネ対策のリフォームをした場合、その金額の110%が税金控除の対象となるスーパーボーナスや、州や市独自の支援金・給付金も色々あるようです。
日本の一律現金10万円支給は凄いと思う
こうして見ると、収入や年齢などの制限なく一律現金で1人10万円が支給された日本の対策は頑張っているのでは、と思うのですが、いかがでしょう。また、児童手当に臨時特別給付が追加されたとも聞きました。もちろん、タイミングが遅い・世帯主にまとめて振り込まれるなどの問題があり、収入が激減してしまった場合や長期的には額面として不足というのも分かりますが、イタリアでは実施されていない支援なので凄いなぁと思います。
まだまだ収束しないコロナウイルス・・・
イタリアでも、一時期は収束に近付いたかと思いきや、また新規感染者が増え始め、油断のならない状況です。全国的にも営業を再開したディスコなどに再度営業停止令を出したり、夕方18時以降は屋外でもマスク着用を義務化(罰金あり)したり・・・。3月から半年休校している学校も、9月から再開するのかまだ確定していません!支援金や給付金も有難いですが、国民一人一人も国全体としても、長期になれば死活問題なのは明白。感染防止に努めつつ、一刻も早く収束するようにと願います。
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