ナルニア国ものがたり
映画にもなった大人気ファンタジー、ナルニア国ものがたり。4人の兄弟姉妹の冒険が描かれているのですが、読み手の性格によって感情移入するキャラクターが違ってきます。ドキドキハラハラの冒険ももちろんですが、人間の強いところもズルいところも、すべてを丁寧に描ききっていて素晴らしいです。洋書ファンタジーだとハリーポッターも人気ですが、こちらの方が本も薄くて読みやすいと思います。
ユタと不思議な仲間たち
父親の死をきっかけに母親と東北の田舎に引っ越してきた主人公・勇太が森で座敷わらし達と出会い、成長する姿を描いています。座敷わらしがそのような姿になったのには悲しい過去があり、心が締め付けられるのですが、中学年を過ぎた子ならそれも受け入れられると思います。切なくて心が温まる、そして最後には勇気が出る作品です。まだ読んでいないなら、ママにもぜひ一緒に読んでほしいです。
西の魔女が死んだ
主人公の中学生・まいは学校に行けなくなり、田舎に住むイギリス生まれのおばあちゃんと暮らすことになります。ここでイギリス流の素敵な暮らしを送りながら、まいはおばあちゃんに大切なことをたくさん教わるのですが……。ゆったりと流れる時間と、おばあちゃんの言葉の一つ一つ、まいの悲しみ、それらが読者の心の中にゆっくり流れ込んできます。友達関係に悩んだり、ちょっと学校に行くのが嫌だったりする女の子には、ぜひ読んでほしいです。ママも読めば共感すると思います。
キッドナップ・ツアー
教科書や受験の小説問題にもよく登場する、角田光代さんの作品です。小学5年生の主人公がダメダメなお父さんに誘拐されるお話なのですが、心理描写がシンプルながらよく伝わってきます。そのため本が苦手な子でもスラスラと読めてしまうそうです。ただ、ラストシーンの受け取り方は人それぞれ。パパ・ママの目線から読むとまた違った面白さがありそうですね。
バッテリー
もはや児童書の域を超えた名作と名高い「バッテリー」。田舎に越してきた天才野球少年・巧と地元のキャッチャー・豪が出会ってバッテリーを組み、周囲とぶつかりながらも成長していく姿を描いています。大人が読んでも、登場人物たちの一言一言が胸に突き刺さります。スポーツ少年なら、なおさら引き込まれるのではないでしょうか。もっと自由に成長したい、野球をしたい、という中学生独特のもどかしい気持ちが分かるので、中学生に上がる前の今の時期にこそ読んでおくといいと思います。
本好きのきっかけになれば……
いかがでしたか?子どもだけでなく、ママも読みたくなるような作品ばかりだったと思います。感受性豊かな今のうちに、たくさんの素晴らしい本に出会えることを願っています。