塾通いを決めるのは、子どもが「行きたい!」と言ってから
「どの塾に通うか」を決める前に必ずチェックしてほしいのが「塾に通う必要(意欲)があるか」ということ。
幼児期から通信教育等で自学の習慣がついている子にとっては、塾は不要かもしれません。また、たとえ塾や家庭教師などの”習い事”が必要な場合でも、子ども自身のやる気がなければ、どれだけお金をつぎ込んでも成績が上がらないケースが多いのです。
子どもが中学受験のメリットや将来の展望をよく理解し、自身の学習状況を踏まえて結論を出すことは難しいかもしれません。ですが、「こんな中学校があるよ」「この中学に通うと、こんなことができるようになるよ」「そのためには、試験を受けて合格する必要があるよ」などと、受験までに必要な勉強量や合格後のメリットをイメージしやすいように伝えてあげましょう。受験勉強は楽しいばかりではありません。それでも「頑張りたい」「最後までやり遂げたい」という子どもの意欲が見えたときに、その子にぴったりの塾や家庭教師選びをしてあげることが大切です。
もちろん、考えるための材料として”体験”させてあげるのもおすすめ。塾や家庭教師の”無料体験”を活用すれば、受験勉強をどんなふうに行っていくのかを具体的に知ることができますよ。
有効なのが、各塾にておこわれている「無料体験」というものです。これは言ってみれば、車を購入するときの試乗会やマンションを購入するときのモデルルーム見学にあたります。誰しもチラシのみで車を買ったり家を買ったりはしないはず。お子様の将来のためにも、無料体験を受講されることをおススメいたします。
出典:allabout.co.jp
無料体験は、できれば算数・国語・理科・社会の全科目を受講させてもらってください。算数の先生は良いのだけれど、社会の先生が今一つなのよね、ということは、実はよくあることなのです。先生の質がそろっているかどうかも、塾選びの視点としてはとても重要なことです。
出典:allabout.co.jp
子どもが「やりたい!」と言いだしてから習い事を探し始めるにせよ、実際に体験してやる気が湧いてくるかどうかを試すにせよ、「子どものやる気」を入会条件にすることが大切。やる気がしっかり感じられたら、子どもの「これなら、頑張れる!」との出会いを応援してあげましょう。
家庭教師?それとも塾?
家庭教師にするか、塾通いにするか、個別指導か、集団指導か・・・
選択肢が多いことは、様々なニーズに対応することができる一方で、”悩みの種”にもなりやすいですよね。
他の子どもたちと切磋琢磨することでモチベーションを維持し、ある程度自立して勉強に励むことができる子には、塾での集団授業がおすすめ。どの時期にどれだけの学習をすれば安心して合格できるか徹底的に研究されたカリキュラムをこなすことで、着実に実力を伸ばすことが可能です。
一方で、集団授業のペースについていかれない場合や、理解や問題演習に時間がかかる場合、他の子どもとの競争がストレスになってしまう場合などは、個別指導や家庭教師がおすすめ。「今は自信がないけれど、将来的には集団授業に切り替えたい」という場合は、集団授業を行っている塾で個別指導を受けると良いでしょう。「とにかく子どものペースに合わせて、納得いくまで教えてもらいたい」という場合には、家庭教師がおすすめです。
家庭教師の最大のメリットは、やはり「マンツーマン」指導であることです。学校や集団塾の授業についていけなくなっても、家庭教師ならばお子様のペースに合わせて指導してくれるので、時間いっぱい効率よく学習することができます。
出典:www.jyukunavi.jp
集団塾における最大のメリットは、それぞれの塾が合格するための独自のノウハウを持っていて、既存の教材ではなく、オリジナルのテキストやカリキュラムを用いて指導していくことです。
また、塾は「受験勉強のエキスパート」なので、成績アップを狙った、レベルの高い指導を均一的に受けられます。
マンツーマン指導の家庭教師とは違い、集団塾では同じクラスにたくさんのライバルとなる生徒がいるので、お互いに切磋琢磨して、向上したその「やる気」が成績UPに繋がっていきます。
出典:www.jyukunavi.jp
通う塾が決まったら「気持ちよく勉強させてあげる」
塾や家庭教師など、「どんなふうに頑張っていくか」が決まったら、やっとスタートラインに立ったことになります。ここからは、子どものやる気を削がずに気持ちよく勉強させてあげられるよう、サポートに徹しましょう。
最初はやる気に満ち溢れていても、勉強の難しさやなかなか成績が上がらないジレンマにぶち当たれば、どんな子どもでも悩んだり、投げ出したくなってしまったりするものです。そんなときは「自分でやると決めたのに、だらしがない!」と一喝し、「責任をもって最後まで頑張りなさい」と突き放すばかりではなく、”どう頑張っていくべきか”が見えるようにそっと手を差し伸べてあげてください。
1週間の生活リズムを考慮して塾の宿題や自学の取り組み方を一緒に考えたり、溢れてしまっているタスクに優先順位をつけ、取り組みやすいように導いてあげたりするのがおすすめ。「どうしてできないの(やらないの)?」ではなく、「どうやったらもっとできるようになるかな?」の視点で接してあげましょう。小さな「できた!」を見逃さずに、さりげなく褒めてあげることも忘れないでくださいね。
短いサイクルでも手ごたえを確実につかんでいくためには、
・日々の課題設定は欲張らず、取り組みやすい、シンプルで明確で少量のものからはじめる。
・その日のうちに確認する。
・できてなければ「じゃ、今からやっちゃおう」といって(一部でもいいので)やらせる。
・できていれば「褒める」。
出典:dual.nikkei.co.jp
「軌道修正」も視野に入れて
「一度決めたことは最後までやり遂げる」経験をすることは重要なことですが、同じ塾に通う友達との関係が良くなかったり、先生との相性が合わなかったり、「集団授業で大丈夫だと思っていたけれど、だんだんついていけなくなっちゃった・・・」ということもあります。
そんなときは、「軌道修正」も視野に入れて、柔軟に対応してあげましょう。同じ塾の中で集団指導から個別指導(または、反対)へと切り替えて様子を見たり、弱点を克服するために、一時的に家庭教師等で苦手分野を徹底的に教えてもらったりするのも一つの方法。失敗したら、成功するための方法を考えて、試してみる姿勢が大切です。環境が変わることでやる気が高まり、一気に学力を伸ばす場合もありますよ。
子どもに合った選択を
勉強の環境や方法を選ぶときは、親の目線だけで決めてしまうのではなく、子どもが主体的に選べる環境作りを心がけましょう。自分で感じて、自分で考え、自分で決めて取り組むことは、成功しやすいものです。受験合格へ向けて一番頑張るのは本人ですから、その子に合った環境を整えるサポートをしてあげてくださいね。