災害が起きて避難しなければいけない時オーラルケアはどうしたらいい?~ちぃ先生の手記第73回~
こんにちは!元歯科衛生士の美容ライターのちぃです!みなさんは日頃から防災の準備は整えていますか?
今回は、歯科衛生士の資格を持つちぃが、もし災害が起きたらどうしたらよいのか、持ち出し袋に入れておくべきアイテムについてなど、基本的な災害時のオーラルケに関する知識を解説しましょう。
災害が起こる前から備えておきたい持ち出し袋の中身
緊急時にオーラルケアが必要な意味
災害時のオーラルケアは、お口の健康だけではなく、身体の健康にも影響を及ぼします。
災害時にオーラルケアをおこたることで考えられる二次被害のひとつは、誤嚥性肺炎です。
これは高齢者の死因第4位にランクインするほど、深刻な症状にもかかわらず、あまり重く考えられていないのか予防が不十分な方も……。
誤嚥性肺炎は、口の中の細菌といっしょに誤嚥してしまうことで、肺に菌が入り込み炎症をひきおこします。避難所生活や水不足で口の中を清潔に保つことができないと、高齢の方では誤嚥性肺炎が起こりやすくなります。
実際、1995年の阪神淡路大震災では、震災に関連した肺炎で200人以上が亡くなられているというデータもあります。
災害時の口腔ケアで期待できる効果は、虫歯や歯周病の予防だけではなく、血糖値のコントロールやインフルエンザ予防にも、オーラルケアは作用するといわれています。また、清潔が保たれることによって、QOL(生活の質)の維持と向上につながるでしょう。
災害時にこれだけはおこないたい!オーラルケア内容
とはいえ、災害時は飲食にも不自由してしまい、なかなかオーラルケアまで手が回らない事が予想されます。
たとえ水のない状況でも、これだけはおこないたいオーラルケアが、唾液腺のもみほぐしによる唾液分泌の促進です。唾液には口の中の汚れを洗い出す働きがあります。
水分をできるだけとり、あごの付け根(耳の真下)部分をもむと唾液が出てくるのが感じられると思います。耳の真横(こめかみの下)や顎下にも唾液腺があります。
この部分をもみほぐすことで唾液分泌が促されるでしょう。
自分ではできないお子様には、ティッシュやハンカチで歯を拭い、汚れをとるのもおすすめです。水がないときにも使えるので、万一の時のために覚えておくといいですよ。
大人の方や高齢者で、水が少ない時の歯磨き方法は、コップに少量の水(30mlくらい)を用意し、その水でハブラシを濡らしてから口の中へ入れ、歯みがきを開始します。ハブラシが汚れてきたらティッシュペーパーでハブラシの汚れをできるだけ拭き取り、また歯みがき、これを小まめに繰り返します。
最後にコップの水で2~3回すすぎます。
持ち出し袋に入れておきたいオーラルケアグッズ
災害時に役立つオーラルケアグッズのひとつとして、洗口液がおすすめです。
避難時にうがい薬、液体ハミガキ、洗口液などが救援物資として入手できた場合は、積極的に使用しましょう。
水が少ない状況でも、殺菌成分のある液体ハミガキを使うことでお口の中の菌を減らす作用があります。
すすぎうがいの必要もないので、災害時とくにおすすめです。
それに液体ハミガキは500ml程度のものを1本。
1回につき10ml想定し、50回ほど使えます。
また、歯だけではなく全体の衛生グッズとして、除菌効果のあるウェットティッシュや滅菌ガーゼ、脱脂綿なども防災袋に入れておくようにしましょう。
水がない時のハミガキや、怪我をした時の救護にも使えます。
1パックで約10日分ほど使えます。
防災の中で、オーラルケアについて気にしたことはありますか。オーラルケアが必要な理由や、災害時のオーラルケアの方法、日頃からの対策についてを発信しているサンスターの防災サイトです。
【ライター紹介】ちぃ先生
歯科衛生士の有資格者でありながら多くの女性メディアで活躍中のライター・編集者。
現在は女性向けの美容メディアやJJなどのファッション誌などに寄稿している。コスメコンシェルジュの資格を持ち、コスメ・美容への造詣が深い。
また、サッカー好きが高じてアスリートフードマイスターの資格も取得している。美容と健康に高い関心と知識を持っており、Ha・no・neでは利用者のQOLの向上を目指し、ためになる情報を発信していきたいと意気込んでいる。
・ちぃ先生の手記まとめPART1 ~美容ライター兼歯科衛生士の知恵袋~
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