溺れたら”浮いて待て”が合言葉!命をつなぐ約8分間のサバイバル水泳法
川や海での水遊びが増えるこれからの季節、水難事故が多くなります。万が一溺れてしまったら…台風やゲリラ豪雨などの水害時にも有効な対処法をわかりやすくご紹介します。
◎溺れた時にしてはいけない2つのNG行動
川や海で流されたり深みにはまり溺れかけると、パニック状態に陥ってしまいます。「水面から顔を出し、息を吸おうと試みる」「手を挙げて助けを求める」この2行為を無意識のうちに行ってしまうのですが、どちらもNGパターンです。
その理由ですが、体が水面に対して垂直となり、水面下に沈みやすくなるためです。冷静な判断が難しくなる上、体が沈むことで水を吸い込んでしまい呼吸困難となります。着衣のまま水難事故に遭遇するケースが多く、靴や洋服を身に着けた状態で泳ぐことは至難の業です。
そんな緊急時こそ思い出して欲しいのが「溺れたら浮いて待つ」という合言葉です。
◎"浮いて待つ"=「星の形」が最も効果的な背浮き姿勢
人間の体は息を吸った状態で水中に入ると、体全体の2%が水面に浮く仕組みだそうです。顔や手を水面から出してしまうとその2%は「手」となりますが、背面になることで口周りの面積が確保され口呼吸が可能となるのです。
東京消防庁によると、海や川で溺れた場合にレスキュー隊が駆け付けるまで約8分かかります。その8分間は「Star Shape=星の形」と呼ばれる背浮き姿勢を維持。「足を開き、両手を開いて大の字になり脱力した状態」になるよう、普段から親子で練習しておくと安心です。
実際に東日本大震災で津波災害にあった小学生が背浮きを実施し、命が助かった事例があります。背浮きのまま約40㎞漂流、その約20時間後に海岸下流で救助されたそうです。
◎溺れた時は『体を浮かすために●●を使うべし』
川や海で友達が溺れてしまったら、大人であっても子供を救出できません。消防119番に通報し、救助隊の到着を呼びましょう。その間、溺れてしまった人は「靴」や「ランドセル」または「ペットボトル」といった浮力体の力を味方にすると、少しでも長く浮き時間をキープできます。万が一溺れている人を発見したら、浮遊体を投げる際に「これから投げるよ!」「背浮きだ!」と相手に声をかけましょう。
◎溺れた場合に覚えておきたい対処法まとめ
最後に、水難事故に遭遇した場合の対処法を【溺れた人】【発見者】の観点でまとめました。
【溺れてしまった人の基本動作】
(1)背浮きで呼吸を確保
(2)身近な浮遊体で、浮き時間を伸ばす
【発見者・救助者の基本動作】
(1)ペットボトルや靴、鞄等、浮力のある物を相手に投げる
(2)「子どもを見守る人」「通報する人」に分かれ消防119番に通報
(3)救助を待つ間、”浮いて待て” “背浮き”と声がけを忘れない
これらの手順を日頃からお子さまと確認し、想定しておくと助かる可能性は高まります。子ども達の命を守るために「浮いて待つ」サバイバル水泳法を是非身に付けていきましょう。