アクティブバース(フリースタイル出産)とは?
アクティブバースとは、医療を必要最小限に抑えて妊婦さんが積極的に分娩に取り組む出産法です。助産師や医師は分娩をサポートする立場で、あくまで分娩するのは産婦自身が行います。
お産は通常、分娩台の上で医師や助産師の指導の下に行われます。しかしアクティブバースでは産婦さんが自分の本能のまま、座ったり立ったり横を向いたりと好きな体位で赤ちゃんを産むことができます。
アクティブバースは陣痛時の過ごし方にも決まりはありません。呼吸法やリラックスなどの決まりはなく、おもむくままに歩き回ったり食事をしたりお風呂に入ったりと自分の好きなように陣痛を過ごし、そして人間に備わった「本来お産は動物的なもの」という本能とも呼べる力を利用していくのです。
アクティブバースはフリースタイル出産ともいい、安全と医療の力を最優先する大病院ではあまり行われていません。そのためアクティブバースをしたい人は助産院や自宅出産を選ぶことが多いようです(水中出産もアクティブバースに含まれると考えられています)。
出典:www.ikujizubari.com
ヨーロッパのママは自分の望む出産方法をハッキリ決めています。
医学的知識やリスクについてよく勉強していて、どうしたら赤ちゃんと自分にとって最も良い出産が出来るか、医師とディスカッションします。
筆者はなるべく自然な形で女性本来の力をいかして出産したい、という希望がありました。
そのため、赤ちゃんと女性の身体の仕組みや痛みのメカニズムについて、妊娠中かなり勉強しました。
医師には「バースプラン」を提出して、出産スタイルや緊急の時はどうするか、などよく話し合いました。
妊娠中の自己管理が大切!
理想の出産をするためには、自分の健康状態を自分で管理する必要があります。
タイでは日本と違い、妊娠中に20kgくらい太る人もいて、医師は体重管理にうるさくありません。
検診の時も日本のように全ての検査を一律にする訳ではなく、やりたい検査を自己申告します。
全ては自己責任、自分の身体の状態を自分で把握しておく必要があるのです。
筆者はなるべくサプリメントに頼らず必要な栄養素を食事で摂りたかったので、医師に相談して料理をあれこれ工夫しました。
出産当日はお風呂でリラックス→そのまま水中出産
筆者の場合は、麻酔や医療介入なしで自然に産みたいという希望の他に、お風呂を使いたいと伝えていました。
1人目の出産時に、陣痛をお風呂でリラックスさせた事を覚えていたからです。
病院のLDRルーム(分娩・出産・回復を同じベッドで過ごす部屋)はお風呂付の部屋とそうでない部屋があり、出産当日に希望者が重なった場合は使えない可能性や、お産の状況によっては入れない可能性もあるので、その場合はシャワールームで腰にシャワーを当てながら過ごそう、と医師と事前に話し合っていました。
同時に、自分の健康を過信せず、あまり強いこだわりを持たないようにしていました。
母子共に健康な赤ちゃんが産まれることが最優先ですから。
陣痛が激しくなりお風呂に入る時に「いきみたくなったらそのまま水の中で産んでいいのよ」と言われ、リラックスしながらそのまま自然に分娩しました。お風呂のへりに座って赤ちゃんを取り上げた時に、無事に産めた安心感と、人間としての自信がふつふつと湧きました。
「水中出産」とは、体温程度の温水に自然塩を溶かした、羊水と同じ濃度のプールの中でお産をする方法です。フランスの産科医オダン博士らが提唱した方法で、体温程度の温水に入ることで、心身をリラックスさせ陣痛の痛みをやわらげようという意図があります。また、赤ちゃんが出てくるときに、空気中よりも水中で生まれる方が出生の外傷が少なくなるともいわれています。デメリットとしては、水中ではお産の出血量が増加することや、陣痛の初期段階から入ることで母体の疲労が増し、陣痛が弱くなってしまうこともあげられています。日本では水中出産用プールを設置している施設は、まだ少ないのが現状です。
出典:allabout.co.jp
水中出産とベッドでの出産の違い
医学的な見解や個人差が色々あると思いますが、あくまで筆者の場合の違いをレポートします。
●痛み逃しに効果的
痛みの波がピークにきた時に、身体の力を抜いて筋肉を緩めるのが簡単にできました。
長年、水泳を習っていたことが関係しているかもしれませんが。。
●素早くリラックスできる
痛みの波が収まった瞬間に、頭をお風呂モードに切り替え。体力の消耗を防げました。
●体勢を変えやすい
浮力が働いて動きやすいので、ラクな姿勢を探して色々試しました。
最終的にはスクワット(相撲のしこを踏んでる姿勢。笑)が1番ラクだったので、そのまま産みました。
重力があったら長時間この体勢はキツかっただろうな、と思いました。
●会陰が傷つかなかった
お風呂に入るとお産がゆっくり進むので、急激に皮膚が押し広げられなかったからだそう。
1人目の時はかなり深く切開したので、これが1番嬉しいことでした。
●自力で赤ちゃんを産みきった、という感じがする
ベッドと比べて医師や家族との距離が物理的に遠いのもあり、自分の世界に集中できました。
赤ちゃんの動きに合わせて呼吸やいきみを工夫できた気がします。
●喉が渇いた
お湯に長時間つかっているので、やたら喉が渇きました。陣痛の合間は常にお水を飲んでいました。
●出血量が多かった
お風呂の中で血行が良くなったからだと思います。病室に運ばれてから貧血で立ちくらみを起こしました。
医療について自分の意見をもつ習慣
出産だけでなく、体調不良・病気・怪我、その時に何をして何をしないか。
また、希望どおりにならなかった場合はどんな方法があるのか。
自分の身体のことを全て病院任せにするのではなく、まず自分で考えるというのは大切なことだと思いました。
医療と上手にお付き合いすることで、健康で気持ちよく毎日を生きたいですよね!