日本で虐待で亡くなる子どもは、5日に1人以上・・・児童虐待防止の『オレンジリボン運動』でこの現実を変えよう。
ご存知ですか?2016年のデータでは、日本における児童虐待の犠牲者は年間80人を超えています。人ごとではすまされないこの現実を変えるために、私たち一人ひとりが出来ることは何でしょうか?
増え続ける児童虐待件数
2016年の統計では、全国の児童相談所が対応した児童虐待件数は、前年度比18.7%増の12万2,578件。厚生労働省のまとめで明らかにされました。これは、1990年から26年連続で増え続けていることになります。ここ数年で虐待数が急増しているように見えるのは、一般市民の意識が高くなり、通報する人が増えたからというのもありますが、1ヶ月になんと1万200件以上、1日に3,400件以上通報されていることになります!!!
児童虐待による死亡事例も最多を更新
厚生労働省によると、2015年に虐待で亡くなった子どもは全国で84人だったという検証結果が公表されました。無理心中の事例を差し引くと、2014年より8件の増加です。
児童虐待とは
日本の児童虐待の防止等に関する法律第2条では、
①児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
出典:ja.wikipedia.org
②児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
③児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
④児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
と定められています。上記の2016年の通報件数の内訳では、暴言や脅し、子どもの前で親がもう一人の親に暴力を振るう面前DVも含む「心理的虐待」が最多で全体の半数以上でした。殴る蹴るといった子どもへの「身体的虐待」は3万1927件、「ネグレクト」は2万5842件、「性的虐待」は1622件だったといいます。
児童虐待を少しでも減らすために・・・!
オレンジリボン運動
今日本には、子どもの虐待の現状を広く伝え、市民のネットワークにより虐待のない社会を築こうという市民運動があります。それが「オレンジリボン運動」。2004年に起きた2人の兄弟の虐待死亡事件に端を発し、このような事件が繰り返されないようにと地元の市民団体が活動をスタート。その後2006年に、児童虐待防止全国ネットワークにより、全国的な運動として推進されてきました。
児童虐待防止全国ネットワークでは、児童虐待防止に携わるさまざまな団体と連携し、法や児童福祉法、民法の改正、児童福祉施設基準の見直しなどを求めてシンポジウムや集会、研修等さまざまな活動を展開しています。また、社会の理解を深めるための広報・啓蒙活動にも貢献。啓発用のポスターやパンフレットを発行しているほか、子育てに悩む親を支え、不幸にして虐待を受けてしまった子どもたちへの支援を行うため、さまざまなオレンジリボン キャンペーンやフォーラムを実施しています。
私たちにできること
児童相談所に通告・相談ができる全国共通の電話番号「189」
オレンジリボン運動の公式HPでは、分かりやすい「通告・相談ガイド」を掲載しています。児童相談所に匿名で通告・相談ができる全国共通の電話番号「189」についてはもちろん、通告の目安やながれなどが説明されているので、通告しても良いのか迷ったときなど、とても参考になります。
子ども虐待防止を訴える運動。オレンジリボン運動の公式サイト
個人・団体・企業の方に
また児童虐待防止のために、「個人」「団体」「企業」ができることも紹介されています。オレンジリボン運動のサポーターになったり、寄付をしたり、ポスターやSMSを使って啓蒙活動を支援したり。形は様々ですが、何か出来ることがあるはずです。
子ども虐待防止を訴える運動。オレンジリボン運動の公式サイト
子ども虐待防止を訴える運動。オレンジリボン運動の公式サイト
子ども虐待防止を訴える運動。オレンジリボン運動の公式サイト
育児中のあなたに
さらに、「育児中の方にできること」という項目もあります。ここには、人知れず苦しんで悩んでいる妊娠中の方、育児中の方がヘルプを求められる相談先の情報がたくさん集まっています。
子ども虐待防止を訴える運動。オレンジリボン運動の公式サイト
リンク集
この他、相談窓口や担当の行政サービスもあちこちにあるんです。少しでも気になることがあれば、問い合せてみてください。
子ども虐待防止を訴える運動。オレンジリボン運動の公式サイト
チャイルドラインは、18歳までの子どものための相談先です
私たち一人ひとりが児童虐待の実態に目を背けず、現実をよく知り、社会みんなでお互いに協力し合って育児をすることが出来れば、きっと良い方向に変わっていくはずです。