現役京大生の『私が忘れられない絵本』
子どもの発育のために、絵本はとっても大切。ですがいざ選ぶとなると、どの絵本がいいのか迷ってしまいますよね。そこで今回は、二十歳を超えた今もまだ心に残っている「忘れられない絵本」をご紹介します!
しろいうさぎとくろいうさぎ
可愛らしいウサギが出てくる物語には珍しく、「可愛くて明るい話」ではありません。子ども心には理解できないことが多かったのですが、それでも2匹のお互いを想う、優しい言葉がとても心に残っています。大人でも、読む人によって感じ方が違うお話だと思います。
あらすじ
ある森に、白いうさぎと黒いうさぎが住んでいます。2匹は毎日仲良く遊ぶのですが、黒いうさぎは時々悲しそうな顔を浮かべます。その理由は、「いつもいつも、いつまでも、きみといっしょにいられますように」と願っているから。2匹は森の中で結婚式を挙げて……?
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100万回生きたねこ
あまりにも有名な絵本の名作。子どもの時には、猫の飼い主たちが鮮やかに描かれているところに惹かれたのですが、大人になった今は猫の生き方そのものに惹かれます。ずっと手元に置いておきたい作品です。
あらすじ
あるところに縞模様の猫がいました。猫は今まで100万人の飼い主に飼われ、死に、100万人の飼い主それぞれに悼まれてきました。しかし猫自身は飼い主が嫌いだったため、まったく死を悲しみませんでした。そんな猫が100万回目の生き返りで野良猫になり、一匹の白猫と恋に落ちるのですが……。
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手ぶくろを買いに
作者・新見南吉が、29歳の若さで亡くなった直後に出版された作品。新見南吉の代表作と言えば「ごんぎつね」ですが、小学生になって「ごんぎつね」を習ってから読み直すと、最後の母ぎつねのセリフがまた違った意味に聞こえてきます。
あらすじ
森の洞穴に、母ぎつねと子ぎつねが住んでいました。ある日母ぎつねは、子ぎつねの片手を人間の子どもの手に変え、人間の店で手袋を買ってくるように言います。人間の手だけを出して「手袋をください」と言えば、きつねでも買い物ができると考えたのです。しかし子ぎつねは、間違えてきつねの手を出してしまい……?
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にじいろのさかな
キラキラ美しい絵が好きで、いつも母親に「読んで!」とせがんでいた思い出があります。今はシリーズ化もされているようですね。個人的には「プライドが高くて友達ができない」というところにドキッとしていました。今でも時々思い返してハッとする作品です。
あらすじ
虹色の美しいウロコを持った魚「にじうお」。その美しさゆえにプライドが高い彼には、友達ができません。そのことを賢いタコに相談しに行くと……?
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くつやのまるちん
ロシアの文豪、トルストイ原作の絵本です。「神様は見ていてくださる」というメッセージが込められていると思うのですが、そうでなくても「困っている人は助けた方がいいんだな」ということは、子ども心になんとなく分かりました。温かみのある絵もポイントです。
あらすじ
妻も大切な一人息子も亡くして、飲んだくれていた靴屋の「まるちん」。そんなまるちんに、友人は聖書を読むことを勧めます。聖書を読んだ夜、まるちんの夢の中には神様が出てきて「明日会いに行く」と告げます。楽しみに待っていたまるちんでしたが、神様は一向に来ず、代わりに困っている人たちが次々と現れて……?
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にんぎょひめ
誰もが知っている人魚姫の物語。原作はディズニーと違ってハッピーエンドではありません。お姫様が出てくる物語で、ハッピーエンドではないお話は珍しいですよね。おすすめは、いわさきちひろさんが絵を描いているこちらの版。とても美しくて、最後のシーンの切なさを引き立たせています。
あらすじ
嵐の日に、溺れた王子様を助けた人魚のお姫様。王子に会いたい一心で、美しい声と引き換えに人間の脚を手に入れるという取引を、タコの魔女と交わします。地上で王子様と再会できた人魚姫ですが、声は出せないままで……?
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たくさんの絵本に触れて
読んでみたい絵本は見つかりましたか?私は小さい頃にお気に入りの絵本にたくさん出会い、そのまま本が好きになりました。色んな絵本を一緒に読んで、ぜひその子のお気に入りを見つけてみてくださいね。