子供にとって、音楽ってどんな影響があるのかな?言葉にも影響があるのかな?
子供には、より良い環境を整えて、可能性を伸ばしてあげたいと、多くの方が考えていらっしゃると思います。その中で、音楽という選択肢は、大きな可能性を秘めているものの一つです。単純に音楽だけを切り離して考えるのではなく、生きていく上で必要な言葉とのつながりを、ここでは考えてみましょう。
ワシントン大学での新しい研究では、9ヶ月の赤ちゃんにとって音楽のセッションを通じて、音楽や会話に関する脳の成長を音楽が促すことがわかった。
A new study by scientists at the University of Washington’s Institute for Learning & Brain Sciences (I-LABS) shows that a series of play sessions with music improved 9-month-old babies’ brain processing of both music and new speech sounds.
出典:www.washington.edu
ほとんどの赤ちゃんは生まれながらにして、音楽の才能を持っています。その代表的なものは、泣くことです。声を出すことが、まずは音楽の第一歩です。泣き声は、高い音や低い音、長い音や短い音を織り交ぜて、その子の独自の泣き声が完成します。機嫌の良い時の笑い声も音楽の第一歩です。赤ちゃんは、周りからの音を聞いて、自分の中に蓄積して、自分からも音を発信していきます。その中で、いくつかの音を組み合わせたのものが言葉になります。音楽も言語もたくさんの音のパターンの組み合わせです。たくさんの音を聞くこと、たくさんの言葉をきくこと、その二つは同じ効果があります。聞いているうちに、それを自分でも真似して、音を組み合わせて発するようになります。本人に、言葉を発している自覚はない時期から、周りの人の反応を見て、繰り返し発していくようになります。その過程の中で、同じ音楽を繰り返し聞くことは、その曲の中ででてくる歌詞を繰り返し聞くことにもつながり、赤ちゃんが音の組み合わせをより発しやすい状況に役立ちます。それが日本語でも、英語でも、スペイン語でも、他の言語でも同じです。つまり、音楽を聞くことは、言葉の習得にもつながっているのですね。
音楽や言葉には強いリズムパターンが存在します。
Like music, language has strong rhythmic patterns.
出典:www.washington.edu
音楽は、他言語の学習能力の向上にもつながる可能性があるそうです。日本語の音楽だけを聞いている赤ちゃんと、英語の音楽だけを聞いている赤ちゃん。二人とも、音楽を楽しむことを知っています。その中で、もしも、英語と日本語両方の歌を聞かせる機会があったらどうでしょうか?子供達は、英語や日本語と認識する前から、違う音や音楽を聞くことを楽しんでいます。それに意味があるとわかるのは、ずっと後のことです。英語にも日本語にも独特の音があります。それを聞き分けられるのは、9歳くらいまで。それ以降は、ネイティブとしての言葉の習得が難しくなるのは、音を正しく聞き分けられなくなるからです。ただ聞いているだけでなく、お母さんやお父さんが発している声を聞いて、それを真似することによって、言葉を話すことを覚えていきます。同じメロディで、日本語と英語の歌詞を歌えるようになっている子が、意味が分かるようになってきて、自分が自然と口ずさんでいたら、やはり、どちらかだけを聞いてきたのとは違う効果があるのは、間違いありませんね!
クール氏によれば、反応していた脳の領域は音楽だけではなく会話にも関わる領域で、音楽の能力の向上が他言語の学習能力の向上に繋がる可能性があると述べている。
出典:sign.jp
音楽を通じて、ダンスしたり、ジャンプしたりアクティビティを経験することは、子供達の様々な能力向上にも良い影響があるそうです。聞いている音楽に身体の動きを合わせるのも、必要な能力があるのです。リズムに乗るということも、経験がないとなかなかできないものなのです。赤ちゃんのときは、音楽を聞きながら、そのテンポで、お母さんやお父さんが、とんとんっと触ってあげること。自分で手をたたいたり、床をたたけるようになったら、リズムに合わせてたたいたり、身体を揺らしたりすること。歩けるようになったら、リズムに合わせて足踏みしてみることなど、耳で聞いている音楽を身体で表現できる機会を、是非楽しみましょう!
音楽のアクティビティや経験が、子供達の考える能力、言語能力、運動調整する能力、感情を理解する能力など大切な能力を、訓練することを助けます。
Music activities and experiences help children practice important skills, including thinking, language, motor coordination and understanding emotions.
出典:articles.extension.org
音楽を毎日に取り入れるって具体的にどんなことをすればいいのかな?
特にプロを目指しているわけではなく、でも子供達に音楽と触れ合わせたいなぁという思いを持たれている方、結構多いと思います。世の中には、たくさん音楽があふれています。音楽のクラスもあふれています。その中で、どんな音楽を選んで、どのように日常に取り込んでいくのがよいのでしょう。赤ちゃんや子供の時期はあっという間に過ぎてしまいます。良い出会いがとても重要だと思います!これが正しいというやり方はなく、自分や子供達にあっている方法を探していくことが一番大切です。ここではいくつかの効果的な方法をご紹介します。
赤ちゃんに、クラシックを聞かせてみたり、子供向けの音楽を聞かせてみたり、どのような音楽だって良い時間になるに違いありません。その中で、一番効果がみられるのは、ママやパパが歌ったり、ハミングしたりして、あかちゃんにママやパパの声で音楽を聞かせてあげることです。生まれてから、もしくは生まれる前から親しんでいるママやパパの声。それが一番赤ちゃんの耳に届くのです。多少音程が外れたって、歌詞が違っていたって、赤ちゃんにとって、一番の音楽は、ママやパパの声なのです。ただただテレビやCDからの音楽を流しているだけでは、もったいない!是非、その音楽を、家族の声でも赤ちゃんに届けてあげてください。
主に0歳から5歳までの子供達を対象としたMusic together。このクラスは、本当にお勧めです!私は、息子が8か月の時にアメリカで出会いました。アメリカの大学の先生が、音楽の基本的な力を子供達に”楽しく”身に着けてもらいたいという思いから、作られたプログラムです。この”楽しく”というところがポイントなのです。どのようなプログラムか知らずに参加した私と息子、最初は、みんながとっても楽しそうに、踊ったり、歌ったり、かけっこしたり、Jumpしたりしているのについていけるかなぁと心配していました。でも、CDをもらって、お家や車でもかけるようになって、少し経つと、息子が、音楽に合わせてちょっとづつ反応し始めました。創作された曲や、伝統的な音楽を私自身も楽しみながら口ずさんでいるうちに、息子も覚えてきたようでした。英語の歌詞やスペイン語の歌詞をはじめ、らららとか、るるるとか、意味を持たない言葉で、メロディ自体を楽しむことができる曲など、意図的にいろいろな曲が、1シーズンの中で混ぜられています。2年弱続けてきた今、息子は自分から夜寝る前や、夕方に英語で歌い始めます。英語も、英語と認識する前から、口ずさんでいて、別のシーンでも使い始めました。言語を習得する前に、音を習得しているんだなぁと実感した瞬間でした。
赤ちゃんや、子供達は、リピートして聞くことによって、覚えることができるのです。大人もそうですが、赤ちゃんになると繰り返しが、毎日の中でもほとんどです。同じことをずっとやり続けています。例えばいない、いない、ばぁも、最初はお母さんやお父さんがしてくれるのを嬉しそうに笑って、何回やっても笑い続けています。次に、自分で、飽きるまでやり続けるようになります。それが何日も続いて、突然ずっとはやらなくやります。習得して、次のものに興味が移ったのです。それと同じようなことが音楽でも言えます。同じ曲を何回も聞くことによって、赤ちゃんや子供達の中で、その曲に対する情報が蓄積されていきます。次に自分でその曲に対してアクションを起こすようになります。自分たちが満足いくまで繰り返して、習得すると次の曲にいくのです。お気に入りの曲ができて、それを聞かせると泣き止むことや、お気に入りの曲から変えると泣いてしまうことなどは、その延長です。是非、お家でも、車でも、同じ曲を繰り返しかけてあげみてください。そのうちに、習得した曲を、自分から披露してくれる日がきます!
いかがでしたか?
楽しみながら音楽に触れ合うことが一番大切なポイントなのですね!笑ったり、大きな声を出したり、音楽に合わせて体を動かしてみたり、楽しみ方はいろいろ。自分なりに工夫して、子供たちと一緒に楽しみながら音楽と触れ合ってみてはいかがですか?