まずは動画をご覧ください!
写っているのは、当時10ヶ月のMary Lynne Lerouxちゃん。ママが歌う曲が進むにつれて、声を挙げずに涙をハラハラと流すピュアな姿に、見ているこちらも心が揺さぶられること間違いなし!!
ママが歌っているのは、ロッド・スチュワートの『My Heart Can’t Tell You No』。2011年にカントリー歌手のサラ・エヴァンスがカバーして再ヒットしました。恋人がいる人を好きになってしまった辛さを歌ったバラードです。
この動画、2013年10月に投稿されてから今まで、なんと38,851,770件以上の閲覧数に達し、Youtube上のオリジナルビデオだけで306,634件の「いいね!」が付いています。さらに、さまざまなニュースメディア、フェイスブックなどで広められていて、3年後の今も話題になっています。
でも、生後10か月のベビーが歌詞を理解して共感しているとは、いくらなんでも考えにくいですよね。歌の途中では笑顔を見せているので、単にグズって嫌がっている涙でもなさそう。
ママは、Yahooのインタビューで
「私にも説明できない。他の歌を歌っても、同じリアクションはみせない」
出典:estorypost.com
と答えています。実際、何が理由でこんなにハラハラと涙を流しているのかは分からないんだそう。
何歳くらいから、子どもは感動して涙を流すの?
感動とは?
そもそも感動って、どういうこと?大辞林ではこう定義されています。
美しいものやすばらしいことに接して強い印象を受け,心を奪われること。
出典:kotobank.jp
文部科学省の『子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題』では、小学校低学年の子どもの発達に重要な課題として、
自然や美しいものに感動する心などの育成(情操の涵養)
出典:www.mext.go.jp
と挙げているので、一般的には、7~8歳頃から感動して涙を流すような情感を身に付けると考えられていると言えます。
感動するために必要なことは
人が感動するには、積み重ねてきた知識や経験が必要
出典:okuranaito.jp
広島大学大学院の戸梶亜紀彦助教授は自身の論文で、感動するのに必要な条件の一つに『感情移入・共感できること』を挙げています。
出典:news.ameba.jp
映画やテレビ、本などの内容を理解して主人公などに感情移入し、涙を流すには、やはり6~7歳以降でないと難しいでしょう。やはり、この10ヶ月のベビーが歌詞を理解し感情移入して、感動の余り涙を流しているとは言い難いのかも知れません。ではこの子は感動などしておらず、たまたま生理的に涙が出てきただけだったのでしょうか??
理由なんて分からなくても気持ちが高ぶる「感動」もある!
しかし、「新生児学入門」などの著者として知られる東京女子医科大学名誉教授の仁志田博司氏の論文には、こういった解説があります。
脳機能からみた感動するという現象は、五感および運動感覚を介する外部からの刺激情報(音楽・景色・故郷の香り・到達感)が、大脳周辺部においてその感覚情報が美しい・気持ちが良い・素晴らしいものとして評価されると、前頭前野の高次脳機能の深い記憶(命の原始記憶・懐かしい思い出)が呼び覚まされ、それによって報酬系が刺激されてドーパミンやエンドルフィン等のサージがおこり、脳機能全体が高揚する状態になること
出典:h-nishida.com
簡単に言うと、外からの情報を判断して分析、理性的な行動につなげるという脳の通常の機能を飛び越えて、身体的な恍惚感に通じる高揚感が生じる現象が「感動」だ、ということです。これなら、例え10か月のベビーにでも起こり得るのではないでしょうか?
他にもあった!ママの歌声で静かに涙を流すベビーの動画
実は、ママの歌声で涙を流すベビーの動画は他にもありました!
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