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【コラム】5歳の娘が年間1000冊の本を読めた「3つの理由」~海外育児のリアル~

【コラム】5歳の娘が年間1000冊の本を読めた「3つの理由」~海外育児のリアル~
子どもの読書離れや社会問題となっていますが、「読書を好きになって欲しい」「子供に本を読む習慣を身につけてほしい」と願うパパやママも多いですよね。知識の蓄積のみならず、想像力や読解力、そして学力向上の土台となる読書習慣。今回は、娘の事例を通して「子どもを読書好きにさせるヒント」を模索したいと思います。
【コラム】5歳の娘が年間1000冊の本を読めた「3つの理由」~海外育児のリアル~

■本腰を入れて約1年、飛躍的に成長を見せたリーディングスキル

現地のプレスクールに1年通学し、現在はニューヨークでkindergarden(日本の幼稚園・年中さん相当)に通う娘。それ以前より就寝前の読み聞かせはしていましたが、本格的に取り組み始めたのが1年程前。バイリンガル故の穏やかな成長曲線ではあるものの、着実にリーディング力が向上してきました。

【開始当初】全部で10ページ程の薄い冊子を利用。2~3単語のシンプルセンテンスが中心

「I」「the」といった単語も、聞き取る・話すことは出来ても読めませんでした。通常、初等教育では【sight words】という200~300前後の頻出単語を繰り返し、声に出し読むトレーニングを行うことで、リーディングの土台を構築します。

出典:

【約1年後】何度も音読し練習。このレベルは自力で読めるまでに。

ざっくりとですが、1年間で読んだ本の数は1,000冊程(1日最低3冊×365日=1,095冊 実際には1日10冊位読んだり、体調不良や旅行でお休みした日もあるので概算になります…)念のため補足しますが、彼女は特殊な能力を持つ子ではありません。至って普通の5歳児だと思います。月間数冊がスタンダードと言われる、日本の子供たちの読書量と比較すると多い気がしますが、決して行き過ぎた習慣ではないのでは?と感じます。そもそも、年間読書数のスタンダードというものは存在しませんし、幼少期より読書熱の高いアメリカ・ニューヨークではよく目にする事例にも感じます。 以下、年間1,000冊の読書量に至った経緯や秘訣をまとめてみました。

理由①:アメリカの小学校には「国語の教科書が存在しない」

地方自治体主導のアメリカでは、州やカウンティー(街)毎にカリキュラムや指針が存在します。日本の文部科学省のような機関は存在せず、ゆえに全国統一テキストはないようです。日本での国語にあたる「英語」に関して、本屋さんに並ぶ本を始め、動画や先生がセレクトした教材本を中心に、リーディングを進めていきます。また個人の読解レベルに合わせた本が毎週数冊手渡され、何度も読む練習をしてレベルアップを図ります。プラス、親が必要だと感じた本を図書館で借りたり購入。その積み重ねが上記累計量に至る経緯です。「低学年で身に付ける読書力」はNY英語教育のベースなんですね。

▼毎週5冊程、各レベルに合った本が課題+学校の図書館より好きな本を1冊借ります

▼電子BOOKによる 自宅での読書も推奨。親の積極的なサポートも必要です

■raz-kids

・インタラクティブな仕組みにより、生徒の進捗状況やレベルを把握できるシステム
・i-pad等にappを落として、ゲーム感覚でリーディングを楽しめます

▼「mystery readers」:誰が登場するのか,子ども達には当日まで秘密!保護者による読書イベントも開催

「家庭・学校・地域」この三位一体となり、子供たちの教育をサポートしていきます。「学校の努力が…」「家庭でのサポートが…」と誰かに責任を押し付ける雰囲気はなく【育む喜びをシェアする】というスタンスは素晴らしいですし、ママ達の肩の荷も少しは軽減する気がします。

【2】図書館=ご褒美・楽しい場所。図書館好きな子にする

▼ベビーカー連れのママ・シッターさんで溢れる、午前中の図書館。

午前中には2~3歳児を対象に開催される「無料の読み聞かせ」、また夕方や週末には映画鑑賞会や、2か月に及ぶ夏休み中には「reading battle」の様に、子ども達へ読書を促すイベントが実施されたりもします。家庭だけではなく、コミュニティー全体で読書熱を盛り上げます。 まさに「市民が賢く図書館を活用している」「当たり前に通う憩いの場所」NY育児で驚いたことの一つでもあります。【図書館・学校をはじめとする公共施設に、適正な税金が投入される】その恩恵を、市民が享受できる。この事実は米国社会の素晴らしい慣習だな、と率直に感じます。日本では、どれ程公共図書館に親しみを感じ、有効利用されているのでしょう?行政サイドも図書館の素晴らしさに改めて気づき、子ども達が通いたくなるようなイベントや仕組みが増えるといいですね。
本を都度購入していたのでは追いつきませんし、収納場所にも困りますよね。気軽に図書館を利用できる環境は、読書好きを増やす必要条件なのかもしれません。上の画像は最近借りた本の一部・・・時々、日本語の本もあるので借りるようにしています(日本へ帰国される方が善意で寄付されるのです、海外だからこそ“日本の本”を読む大切さを痛感されるのですね)「日本語の持つ綺麗な響き」「独特のリズム」「美しい文化」等、改めて気づく素晴らしさを、海外育ちの子供に伝えたいのです。
少し難易度が高い本の場合や、パパ・ママが体調不良で読み聞かせ出来ない時には「オーディオブック(CD解説)」が役立ちます。わからない単語でも「耳」から吸収することで、理解しやすくなるようです。

【3】「読書を当たり前の習慣にする」子どもの可能性は無限大。

(リラックスしながら読書中、若干偉そうにも見えますが…) 「朝起きたらあいさつをする」「食後に歯をよく磨く」、これと同じ感覚で「決まった時間に本を読む」幼少期より習慣化してしまうと【読書欲】が自発的に芽生えるようです。本屋さんや図書館へ行くと、瞳孔が開く程テンションあがります。親自身の習慣化も実は大変なのですが、レストランでの待ち時間や、車移動のすき間時間にさっと読める様、薄い本をカバンに忍ばせています。「これ読む?」とすかさず手渡し…ゲームやスマホで時間つぶしはもったいない!またママ一人の関与では限界があるので、パパや時に祖父母の力添えを得て「ファミリーで読書習慣をエンパワーメント」していくこともキーポイントです。もはや巻き込み育児なんです。本は最高のギフト、人生の宝探しだと信じて…

▼こんな心がけが,読書習慣のヒケツかもしれません

①子どもの目線に合わせ、取りやすい場所に置く
②好きな本を寝る前に自分で選んでもらう
③ジャンルが偏らない様、バランスも意識する
④努力に対してすかさず誉める
⑤本を読むことは「幸せ」と刷り込む

出典:
生涯読書量の平均、限界値はどのような事実に基づき、データー化されたのだろう?素朴な疑問が浮かぶのですが、国が違えばスタンダードも変動しますよね。もう比較育児はしないことに決めました…「子供を読書好きにする」実は、親自身も忍耐や努力が必要だと痛感しています。私自身も知らない表現や単語を調べてみたりと、日々学び中です。8歳くらいまでは寄り添って本読みに付き合い、サポートが必要そうです…「もう一人で読めるから!」そんな親離れ宣言が来る日まで、あと数年。自走する日を心待ちにしています。