新型コロナウイルスで死去した世界的小説家ルイス・セプルベダ氏・・・今こそ親子で読みたい名作「カモメに飛ぶことを教えた猫」
2020年4月、世界的に名高い小説家ルイス・セプルベダ氏が新型コロナウイルス感染症による肺炎のため、70歳で亡くなりました。惜しまれる訃報に世界が悲しんでいます。彼の多々ある著書の中でも『カモメに飛ぶことを教えた猫』は、今こそ親子で読みたい名作です。
世界的作家ルイス・セプルベダ氏
1949年チリ中部生まれのセプルベダ氏は、若くして社会主義運動に参加し、70年代にはピノチェト軍事政権下で政治活動を行い、逮捕・投獄された経験もあります。
釈放後はチリを追放され、ドイツのハンブルクで作家・ジャーナリストとして活動を開始。1989年に出版した小説『ラブ・ストーリーを読む老人』で世界的に有名となりました。
90年代半ばからスペイン北部に拠点を移してヨーロッパを中心に愛読者を増やし、新世代のラテンアメリカ作家として名を馳せました。
小説「カモメに飛ぶことを教えた猫」などの作品で知られるチリ出身の作家ルイス・セプルベダさんが16日、スペイン北部オビエドの病院で死去した。70歳だった。2月末から新型コロナウイルス感染による肺炎で入院していた
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昨年末に講演会でポルトガルなどに出向いていた際にコロナウイルスに感染したと言われており、一時期は持ち直したとのニュースもありましたが、悲しい訃報が届きました・・・。
私は、イタリア人の夫の影響もあり、長年セプルベダ氏のファンだったのでショックです。
親子で読みたいセプルベダ氏の童話『カモメに飛ぶことを教えた猫』
本書は、〈8歳から88歳までの若者のための小説〉とうたわれる、愛と感動と勇気の世界的ベストセラー
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ハンブルグの港に住む黒猫のゾルバとその仲間の猫たちは、原油まみれで瀕死のカモメに出会います。カモメが最期に産み落とした卵を育て、そのヒナが空へ羽ばたくまで、猫たちが母親代わりになって知恵を絞ります!果たして子カモメは飛べるようになるのでしょうか?
ワクワクドキドキもありながら、静かな優しさが染み渡るようなお話
人間はなぜ互いの違いを認められないのか、排除したがるのか。この世界において、社会において、どうしても私たちにつきまとう大きな問題。著者の憂いが伝わってきます。そして胸がいっぱいになってくる
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決して教訓めいた内容でもなく、ただ、猫がカモメとの約束を守るために一生懸命な姿が書かれていますが、諦めずに仲間と協力してひとつずつ、問題を解決していく
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かもめと交わした約束をしっかりと果たした猫。そして、その猫を全力で助ける仲間達。今の世の中が失いつつあるものが、そこに描いてある
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躍動感がありチクリとした風刺も交えながらユーモア溢れるテンポ良い会話が面白い。まるでディズニー映画を観ている様だった。ジンとするラストシーンも素敵。
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同作は、一部の日本の中学生の英語教科書に要約が掲載されています。英語版で挑戦するのも良いかもしれません。
2019年には劇団四季のファミリーミュージカルにも!
まだDVDは発売されていないようですが、観てみたい方は、劇団四季の公式サイトで最新情報をご確認ください。
ミュージカル『カモメに飛ぶことを教えた猫』のオフィシャルウェブサイト。 公演情報やチケット予約はこちらから。ストーリーや舞台写真、最新プロモーションVTRなどの作品情報も紹介しています。