渾身のオレンジ投げ!北イタリア・イヴレーアのオレンジ合戦がスゴいことになってる!
毎年2月に繰り広げられるイタリアのオレンジ合戦!スペインのトマト合戦に負けず劣らず、その奇抜さと物凄さで有名です。一度は生で見てみたいような、でも参加するのは怖いような・・・。そんな伝統行事をご紹介します!
北イタリア、ピエモンテ州トリノ県にあるイヴレーア。人口わずか24,000人ほどの町で、観光地としてはあまり知られていませんが、2018年には市内の「20世紀の産業都市群」がイタリア54番目の世界遺産登録を果たしています。
実はこのイヴレーア、毎年2月に行われるオレンジ合戦で有名。市民が9組に分かれてオレンジをぶつけ合うのです!
オレンジ合戦の起源
カーニバルのお祭りとオレンジ合戦は1700年代に始まったとされますが、その起源はさらに1200年代中世に遡るんだとか。
もともとイヴレーアでは、カーニバルになると戯れに豆を投げる習慣がありました。次第にそれが、山車に向かってコンフェッティ(砂糖菓子)や花を投げるように。さらには、若い娘たちが若者の気を引くため、情熱的な南方の果実であるオレンジを投げはじめたのです。
ヴェッゾーザ・ムニャイアの伝説と融合
オレンジ合戦と切っても切り離せないのは、ヴェッゾーサ・ムニャイア(イタリア語で「粉屋の美女」という意味)の伝説です。
その昔、美しい粉屋の娘ヴィオレッタはトニオットと結婚の約束をしていました。しかし、当時人々を苦しめていた領主と無理矢理結婚させられることに。初夜、意を決して城に上ったヴィオレッタは、懐に忍ばせた短剣で領主を殺害。首を取り、城から人々に知らしめました。
これが引き金となり人々は一斉に蜂起。豆を投げつけて、ついに圧政から自由を奪取しました。この伝説を融合し豆をオレンジに置き換えて、イヴレーアのオレンジ祭りとなったのです。
毎年オレンジ合戦前には、暴君から自由を勝ち取った民衆の象徴であるヴェッゾーサ・ムニャイア役の美女が、数々の候補者の中から選出されます。まさに町のミスコン!選ばれた女性は伝統衣装に身を包み、さまざまな関連行事で役を果たします。
使われるオレンジは真っ赤な血の色!
オレンジと言っても、ここで使われる”武器”は、日本でブラッドオレンジと呼ばれる赤い果肉をしたもの。真紅の果汁は頭から血を流しているように見えるので臨場感たっぷりなんだそうです!
使われるオレンジはシチリアやカラブリアでこの合戦用に栽培されるもので、食用ではないそうです。
合戦の舞台
山車の上にいるのが”暴君役”、そこに思いっきりオレンジを投げるのが”民衆役”の市民たちです。9チームが5つの広場に分かれて陣地を張り、そこに暴君たちを乗せた山車が登場。民衆が暴君をやっつけるのです。
2020年は2月23~25日の3日間
オレンジ合戦には、申し込みをすることで”民衆役”で観光客も参加可能。また、”戦場”となる広場はネットで囲まれるので、その外から”観戦”もできます。が、場外にオレンジが飛んでくることもしばしば。会場では、防御兼観光客であることをアピールするための赤い帽子も売られています。
皮が分厚いオレンジは、直撃するとかなり痛いので、ご注意を。汚れても良い服と歩きやすい靴で見学しましょう。
毎年世界中のテレビ番組で特集される程、イタリアきっての世にも奇妙なお祭り。一生に一度は現地で見てみたい!?
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