「STEAM教育」とは?
これから子供たちが大人になる数十年後の未来、社会や仕事はどんな風になると予測されているか知っていますか?野村総合研究所によれば「10~20年以内に日本で働く人の仕事の49%は人工知能(AI)やロボットで代替されるようになる」と予測されています。そんな時代には、人間だからこそできる仕事を生み出す能力が必要とされます。そんな人材を多く育てるために、現在日本でも「STEAM教育」に注目があつまっています。
「STEAM」とはS=サイエンス(科学)、T=テクノロジー(技術)、E=エンジニアリング(工学)、A=アート(芸術)、M=マスマティックス(数学)の略です。科学、数学、芸術領域に力を入れる教育方針、教育方法のことで、元々はアメリカのオバマ大統領によって推進された教育方針でした。AI(人工知能)にはできない、人間にしかできない分野の教育に力をいれていく。この方向性は日本でも推進されており、文部科学省は2020年にはプログラミングを公教育に導入することも発表しいます。
小学校におけるプログラミング教育が目指すのは、前述のように、子供たちが、コンピュータに意図した処理を行うよう指示することができるということを体験しながら、身近な生活でコンピュータが活用されていることや、問題の解決には必要な手順があることに気付くこと、各教科等で育まれる思考力を基盤としながら基礎的な「プログラミング的思考」を身に付けること、コンピュータの働きを自分の生活に生かそうとする態度を身に付けることである。
出典:www.mext.go.jp
我が家の息子も小学校でパソコンの授業があり、「今日パワーポイントでアニメーション作ったんだよー」と普通に話しておりました。私なんて、就職してから初めてパワーポイントを触ったのに・・・。親世代の予想をはるかに上回るスピードで、社会も教育も進んでいるようです。
また全国で200を超える学校を「スーパーサイエンススクール」認定校とし、このSTEAM教育の基盤づくりを促進しています。文系の私には恐ろしい時代がやってきました。
「STEAM教育」最初の一歩!
急に「STEAM教育」が今後の教育のカギ!と言われても、じゃあなにから始めたらいいの?となりますよね。文系の私が子供たちに教えられることは限られるし・・・。我が家もまさ私も旦那さんも文系!ですが、なぜか長男は小さいときからバリバリの理系脳。興味関心もまさにSTEAM分野という状況でした。ではそんな我が家でどのように取り組んでいるか?まず身近なところからスタートしてみましょう。
我が家の本棚には図鑑とSTEAM分野の学習マンガがたくさん並んでいます。もちろんすべての本を買うことはできないので、定期的に図書館に連れていって選ばせています。
特に人気なのはこれらの「サバイバル」や「実験対決」シリーズ。STEAM分野の学習漫画で絶大な人気を誇っています。図書館に借りに行っても取り合いで、ないこともしばしば。
とはいえ、子供だけでは興味を示さないこともあります。そんなときは、大人も「えー!これどういうことだろう?!」「おもしろいね!」「お母さん、よくわからないから教えてよ!」と一緒に興味を示して学んでみましょう。お母さんたちが楽しそうに学んでいると、子供たちも自然に興味を示すと思いますよ。
次は「自分で教えられないならだれかに教えてもらおう」作戦!これ、よく使う作戦です。うちの近くに科学館・博物館はありませんか?調べてみると、意外に近くにあった!となるかもしれません。参加型の展示や実験のワークショップなど、子供たちの興味関心を引き出すためにいろいろな工夫がなされています。小さい子でも楽しみながらSTEAM分野を学べる場所です。
我が家は近所の科学館に暇があれば出かけています。また、その科学館で「アストロクラブ」や「発明クラブ」など1年を通したSTEAM教育系教室も開催されていて大人気です。もちろん我が家も参加しています。みなさんの近所の科学館にもそういったプログラムがあるかもしれません。チェックしてみてください。
子供たちの「STEAM教育」分野の興味関心を高めるために、様々なスクールやイベントが開催されています。教室もイベントもどちらも一方的に講義形式で習うというよりも、自分が参加して体験するアクティブラーニング型・ワークショップ型ばかり!子供たちが夢中になりそうですね。
中でも注目なのは、東京大学で5月27日・28日に行われる「STEAM KIDS プロジェクト」のキックオフイベント。産官合同で様々なワークショップが催されます。まだ参加申し込み受付中のワークショップもあるようなので、ぜひのぞいてみてください。
科学・技術・工学・芸術・数学をベースにした、分野横断型の新しい学びの形〈 STEAM KIDS 〉プロジェクト。5月27日、28日と、2日間にわたって開催される STEAM KIDS キックオフイベントは自分のアイデアを形にするための道具としての「知識」を活用し、「つくる」を大切にした主体的で新しい価値をつくりだすためのきっかけの場です。じっくりと「つくる」体験のできるワークショップ、科学技術の「驚き」を親子で一緒に感じることのできる参加型のショー、気軽に様々な分野の体験ができるハンズオン展示など、様々な方法の学びを体験できます。
出典:steamkids.jp
日程:2017年5月27日(土)・28日(日)
時間:午前10時から午後5時まで
会場:東京大学 本郷キャンパス
対象:① 未就学児3歳~大人まで
② 本イベントにご関心のある方 教育関係者・行政関係者、大学関係者、 ミュージアム関係者、企業関係者、アーティスト、ファシリテーター、各種 NPO 法人・団体 など
出典:steamkids.jp
いかがでしたか?今後数十年、技術のさらなる発展によって社会は大きく変わっていきます。私たちが子供の時は、まだインターネットもipadもスマホもなかったことを考えれば、想像がつきますよね。どんな技術の発展があっても、人間だからこそできる能力・仕事を持っていれば、必ずその変化の波は乗り越えていけるはず。AI(人工知能)に使われる人間ではなく、使う人間になるために、ぜひ身近なところからSTEAM教育を始めてみてください。