ティラミス、パンナコッタ、アフォガート…今や日本でも国民的なスイーツとなったイタリアン・ドルチェ。子どもたちのおやつやママ友とのランチなどにも登場することでしょう。
ですが今回ご紹介するのは、これからブームが来そうなシチリアのスイーツたち。ツウな人はもうチェック済みのアイテムかもしれません!
歴史的にイスラム、ノルマン、フランスやスペインの支配下で多様な文化の影響を受けてきたシチリア島の伝統菓子はとても独特。
リコッタチーズ、アーモンドやピスタチオ、柑橘類などの名産を多用しているのが特徴で、美味しいものならいくらでもあるイタリアでも一目置かれる特別な存在なんです。
ローマにもあちこちにシチリア専門パスティッチェリア(お菓子屋さん)があり、評判のお店はいつも混雑しています。
子どもたちも大好きなシチリアのスイーツをご堪能あれ!
シチリアン スイーツで最も有名と言っても過言でない、カンノーリ。
筒状の揚げパイ生地に、チョコチップやフルーツピール、ピスタチオなどを混ぜた羊乳リコッタチーズ クリームを詰める伝統菓子です。
サクサクの生地と、フレッシュなリコッタチーズのコンビネーションが絶妙で、チョコチップやフルーツピールがアクセントに。病みつきになる美味しさです。
一説によると古代ローマの政治家キケロが記した紀元前70年代の書物にもカンノーリのような形状のお菓子が記録されているそうです!
歴史的にはカーニバル(謝肉祭)の時に食されていたお祝いのお菓子で、時を経て、シチリアはもちろん、イタリア全土で1年中食べられる人気のスイーツとなりました。
最近では、ピスタチオクリームやチョコクリームを詰めたものなど種類も豊富に。
そして、シチリア&カンノーリと聞けば、映画ファンはピンと来るかもしれません。というのも、
映画『ゴッドファーザー』に毎回登場し、「銃は置いていけ。カンノーリは持ってきてくれ (Leave the gun. Take the cannoli.) 」という名言で知られるイタリア・シチリアのお菓子
出典:rocketnews24.com
だからです。『ゴッドファーザー3』では、暗殺の小道具として毒入りカンノーリが使われたりしています!
そんなカンノーリ、イタリアでは子どもたちも大好きですが、実はシチリアの甘いリキュール マルサラ酒を入れるのが本来のレシピ。
子どもたちと食べるなら、リキュールなしバージョンをおすすめします!
生地のサクサク感とクリームの新鮮さが命なので、通販は難しいかも。でもちょっとしたイタリアンレストランなら、日本でも出しているお店がけっこうあるので要チェックです!
遡れば1873年に記録が残るというこちらも有名な伝統菓子。色々なバリエーションがあるのですが、チョコチップやナッツ、砂糖漬けのドライフルーツを入れたリコッタチーズ クリームを、リキュールやレモン果汁で味付けしたスポンジケーキで包み、さらにマジパンでコーティングして固め、砂糖漬けドライフルーツをてんこ盛りした豪華なケーキです。
中身はこんな感じ。
小さいバージョンもあります。
ちなみに、シチリア島東部の町カターニアでは、このミニ カッサータのことを「聖アガタのおっぱい」と呼んでいるんですって。同僚でカターニア出身の女性から聞きました。乳房を切り取られて殉教した聖アガタが、この町の守護聖人だからだとか!
日本では、このケーキタイプではなく、セミフレッド(半氷菓)タイプのカッサータの方が良く知られているようです。
中のリコッタチーズ クリームを冷やし固めたものですね。
アーモンドの粉と砂糖を混ぜ合わせて色と形を整えたスイーツ。もともとは、この二つの材料が簡単に手に入るようになった中世の中東で作られていたお菓子で、ドイツではマルチパン、スペインではマサパンと呼ばれているように、ヨーロッパ全土に広まりました。
シチリアのマルツァパーネが特徴的なのは、カラフルなフルーツの形。その由来は、
マルトラーナ教会の修道院で、教会を復活祭の折りに訪問した大司教を驚かせるために果物そっくりの形をしたマルチパンが発明されたと言われている。このため、別名をフルッタ・ディ・マルトラーナ(Frutta di Martorana「マルトラーナの果物」)という
出典:ja.m.wikipedia.org
そうです。
お菓子屋さんのショーウィンドウに可愛く並んでいるほか、青空市場で本物の果物や野菜さながら、量り売りされているんです。
ものすっごく甘いので、大人でも1個丸々…は食べきれない(苦笑)。やはり昔は伝統的な祝祭時に用いるお菓子でした。
こちらも、アラブ地方から伝わった伝統的なお菓子。やはり名産のアーモンドプードルを主にして作る焼き菓子で、ホロホロとくずれる独特の食感と、アーモンドの香ばしい香りがあとを引きます。
砂糖漬けフルーツやピスタチオがいかにもシチリア~♪
シチリアでは宗教的祭りや家族の記念日など特別な時に、その特別さを表す存在として作られ、食べられるものだそうです。
例えば子供が生まれた家への祝福の気持ちを表したりなど‥
出典:s.ameblo.jp
アーモンドプードルで簡単に作れますよ!
シチリアの定番朝ごはんと言えばコレ。
グラニータとブリオッシュです。かき氷と説明されるグラニータですが、削った氷にシロップをかける日本のかき氷と違い、凍らせたフルーツやジュースを削るシャーベットです。
シチリアでは、昔からレモン、マンダリンオレンジ、ジャスミン、コーヒー、アーモンド、ミント、イチゴ、クワの実などのグラニータの人気が高い。
出典:ja.m.wikipedia.org
こんな風にボリューム満点のサンドイッチにしたり
ちぎったブリオッシュでグラニータをすくって食べたりします(子どもたちにはこの方が得策!)
ブリオッシュにジェラートを挟むバージョンもありますが、グラニータなら乳成分がない分重たくなく、さっぱりしていてけっこういけちゃうんです!
数あるシチリアの農産物の中でも特に有名なのが真っ赤なオレンジ。エトナ山麓の土壌条件とカターニア近郊の気候風土がそろって初めて育つ、赤い果肉の品種です。
このオレンジ、冬になるとイタリア全土で売られるので、我が家では山ほど買ってきて搾りたてジュースを飲んでいます。甘酸っぱい風味が独特でクセになります!もちろん、果汁を使ってグラニータにしたり、ゼリーやムースにしたり、オレンジ風味の肉の煮込みなどのお料理にも使えます。
日本には、シチリア直輸入・果汁100%のブラッドオレンジジュースがあるので、ぜひお試しください!
以上、シチリアといえばコレ!なスイーツたちでした。この秋、親子でお楽しみください!