夏場、子供を狙う「蚊」に注意!
梅雨が明けることになると、どんどん蚊が増えてきますよね。虫よけグッズはたくさんあるのですが、子供の血液はおいしいのか、いくら気を付けていても子供が蚊に刺されてしまうことも。
蚊に刺されてしまうと、子供の皮膚はぷっくり盛り上がって真っ赤になってしまったり、かゆくてかきむしってしまって血がでてしまったり…。できれば”刺されない”ことが一番なのですが、完全に蚊を防いでいくのは今現在の科学の力ではまだまだ難しいようです。
虫に刺されてしまったときの効果的な対処法は?
では、実際に虫に刺されてしまったときは、どのように対処すればよいのでしょうか?
蚊は皮膚にとまって血を吸う時、対象動物の皮膚に唾液を注入します。この唾液には、刺された人や動物が痛みを感じないようにする麻酔作用や、血を固まりにくくする作用などを持つ成分など、様々なものが含まれています。
この唾液が体内に入ると、蚊に刺された人や動物の皮膚にはアレルギー反応が起こります。つまり、蚊に刺された時に発生するかゆみや腫れの正体は、蚊の唾液によって起こるアレルギー性の皮膚炎なのです。
出典:www.skincare-univ.com
蚊に刺されてかゆくなる原因は、蚊が人を刺すときに出す唾液が原因だったんですね。蚊に刺された腫れやかゆみは「アレルギー性皮膚炎」の一種。その種類にはいくつか種類があり、刺されてすぐに反応(かゆみや腫れ)が起こる即時型アレルギー反応と、刺された1~2日後に腫れやかゆみが起こる遅延型反応というのがあるのだそうです。
赤ちゃんや子供の場合は遅延型反応であることが多く、また、強いアレルギー反応が出ることがあるので注意が必要です。
もしも、蚊に刺された瞬間を見ていたのであれば、その傷口を早く洗い流すことが効果的です。蚊に刺された毒素をなるべく早く洗い流すことで、かゆみや腫れをおさえることができます。
石鹸水を使って流すと、より毒素を洗い流すことができるのでおすすめです。
かゆみが出てきてしまったら、まずは患部を冷やしましょう。冷やすことでかゆみを感じる感覚がマヒし、かゆみがおさまります。
血管が収縮することで、かゆみの成分が周囲に広がるのを抑える効果もあるのだそうですが、実際にはかゆみ成分はすでに皮膚の中に入ってしまっていますので、効果の感じ方には個人差があり「冷やしてもかゆい!」ということもあるようです。かゆみが引かず、かきむしってしまうと「とびひ」など、さらなる疾患につながってしまうため、まずはかきむしらないようにすることが大切です。
冷やすだけで解決しにくい場合には、かゆみを抑える虫刺されパッチなど貼り薬を使用するのもよいですね。
また、冷やすこと、かゆみ止めパッチを貼ること自体は対症療法であり、炎症をおさえられるものではないので、大きく腫れた場合には投薬で治しましょう。
遅延型反応の虫さされでは、ステロイド外用剤を使って炎症を抑えることをおすすめします。乳幼児は、遅延型アレルギー反応のみが起こる場合が多く、刺された直後はかゆみや赤みが出ないことが多くなります。また、子供から青年期にかけては、即時型反応が出て、その後一旦、かゆみは治まります。
しかし、そこで「大丈夫」と思わず、ステロイド剤配合の薬を塗っておきましょう。こうすることで、翌日以降に出る、またはぶり返して起こるかゆみや赤み、発疹がかなり軽くなります。
出典:www.skincare-univ.com
子供の虫刺されが痕になりやすい原因の1つは、かゆみによる「かきむしり」。これを押さえるためには、かゆみを抑えて炎症はそれほど抑えられない「抗ヒスタミン剤」だけの虫刺され薬ではなく、炎症そのものをおさえられる「ステロイド剤」を使用することがおすすめです。
写真の「ムヒアルファ」「アレルギール」は抗ヒスタミン剤とステロイド両方が配合されており、市販薬の中では効果が期待できます。
筆者の息子も1歳代のころ、1カ月以上も赤みが引かない虫刺されができ、皮膚科に相談したところステロイド剤を処方され、1週間ほど塗ったところきれいに治りました。痕になるのではと心配していたのでとても安心できました。
幼児は、大人に比較して大きく腫れやすいのですが、
特に耳・目の周囲や足首は大きく腫れます。
大きく腫れてしまった場合は、市販の虫刺され薬では余り効果が期待できません。
早めに専門家を受診することをお勧めします。
夏期は、放置すると刺し口や掻き傷からバイキンが入って伝染性膿痂疹(とびひ)などを起こす危険もあります。
大人は虫に刺されてもある程度でブレーキがかかり余り大きく腫れませんが、
幼児はこのブレーキが未発達です。
出典:www.e-skin.net
夏にプールを介して伝染しやすい、とびひ。とびひの原因は、虫刺されをかきむしったところにばい菌が入ることによる場合もあるのです。
大きく腫れてしまった虫刺されは、市販の虫刺され薬で対処しようとせず、早めに皮膚科を受診して炎症を抑えるようにしましょう。皮膚のやわらかい場所は特に腫れやすいので注意しましょう。
また「なかなか治らないな」と思っている虫刺され痕をよく見ると、ダニによる虫刺されであることもあるようです。ダニの治療経過は遅く、なかなかスッキリ治らないのも特徴です、この場合も、皮膚科を受診して適切な薬で治療することが必要になります。
素早い対処で虫刺されを早く抑える&痕に残さない
子供たちは「かゆい」と感じると知らず知らずのうちにかきむしってしまい、気づくとジュクジュクしてしまっていることもありますよね。そこから「とびひ」などに発展してしまうことを防ぎ、なるべく痕に残さずにきれいに治すには、適切な薬の使用と皮膚科受診が大切です。
夏場には避けて通れない「虫刺され」問題。刺される前の虫よけももちろんですが、刺されてしまった後もしっかり対応したいですね。