【日本人ノーベル賞受賞者】各部門の歴代受賞者一覧!2024年現在まで日本人が受賞した部門についても詳しく解説!
毎年10月に入ると、ノーベル賞受賞者の発表に世界が注目!その中には日本人、日本出身の受賞者も数多くいます。
今回は、ノーベル賞を受賞した歴代の日本人受賞者一覧、受賞の理由などについて詳しくお話していきます!
ノーベル賞ってどんな賞?
ノーベル賞とは、そもそもスウェーデンの発明家「アルフレッド・ノーベル」の遺言によって作られたもの。
“物理学・化学・生理学・医学・文学・平和”のそれぞれの分野に分類されていて、各分野で「人類に最大の貢献をもたらした人々」に贈られる賞なんです!
後から“経済学”の分野も賞に追加されていて、今は6つの賞があります。
毎年行われるノーベル賞の受賞についての選考と授賞式では、各賞最大で3人まで受賞することができます。
受賞した人には“賞金・賞状・メダル”が授与されますが、やはりその分野で受賞したという事が最大の名誉ですよね。
日本人受賞者も数多くいます!
これから詳しく、各分野に分けてご紹介します。
日本人の2024年ノーベル賞受賞者は?
残念ながら、2024年のノーベル賞に日本人の受賞者はいませんでした。ノーベル賞の6つの部門は?
ノーベル生理学・医学賞
ノーベル医学・生理学賞は、“医学・生理学の分野で最も重要な発見をした人”に与えられる賞。
賞は1人に対して与えられることもありますし、貢献した人が複数いる場合は、3人まで一緒に受賞することができます。
ノーベル物理学賞
あのレントゲン、アインシュタイン、キュリー夫人も受賞した、ノーベル物理学賞!
「物理学の分野で最も重要な発見、または発明をした人」に贈られます。
日本人が多く受賞している分野です。
ノーベル化学賞
ノーベル自身がダイナマイトを発明した科学者であったこともあり、ノーベル賞に関する遺言の中で、物理に続いて挙げていたのがこの“化学”の分野です。
“化学”と一言で表していますが、“有機化学・無機化学・生化学や物理化学・理論化学”と多岐にわたる分野の研究者が受賞しています。
ノーベル文学賞
アルフレッド・ノーベルと言えば、ダイナマイトの発明者として広く知られているため、化学の分野に特化した印象がありますが、実は自身でフィクションの小説を執筆するなど、とても文学を愛していました。
文学に深い関心を持っていたノーベルは、遺言で「文学にも賞を与えること」と記したため、文学賞が誕生したんですね。
ノーベル平和賞
ノーベルは、スウェーデンとノルウェー両国の平和を深く祈念していました。
そうして平和賞を儲け、平和賞の授与自体をノルウェーで行うことに。
他の賞の授賞はノーベルの祖国スウェーデンなのに対し、平和賞のみノルウェーで…というところに、ノーベルの平和と和解を願う気持ちがこめられていますね。
ノーベル経済学賞
ノーベル経済学賞は、本当は他のノーベル賞と同列の扱いではないんです。
正式な名称は、「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」といい、受賞が始まったのは1969年から。
ノーベルの祖国にあるスウェーデン国立銀行が、設立300年を記念し賞を設立。
他の賞とは、ずいぶん成り立ちや経緯が違う印象ですが、選考は他の賞と一緒です。
これまでにノーベル賞を受賞した日本人はいるの?
日本人のノーベル賞受賞者は、2021年現在まで28名!
日本出身の受賞者には、受賞時にアメリカ国籍だった方(南部陽一氏、中村修二氏、真鍋淑郎氏)と、長崎出身のイギリス人作家カズオ・イシグロ氏がいます。
現在は日本国籍ではありませんが、日本にルーツを持っているこちらの4名も含めた受賞者を一覧にしました!
受賞者の受賞理由も含め、分野別にご紹介していきます。
医学・生理学賞
利根川進(1987年)
ノーベル賞での医学・生理学賞の日本人1人目の受賞者は、利根川進さん。
利根川さんは、人間などの体にある免疫(ウイルスや細菌などが体内に侵入した生物の敵と戦うもの)の仕組みについて研究しました。
長い間「体内に侵入してくるあらゆる敵に、抗体が姿を変えて対応するのはどういう仕組みなのか?」というテーマについて、謎のままでした。
ところが、利根川さんは「抗体に関わる遺伝子が変化する事でそれらが可能になる」事を明らかにしたのです!
山中伸弥(2012年)
山中さんといえば…いろいろな組織や臓器になる“iPS細胞”を作り出した事で、とっても有名ですよね。
しかし受賞の理由は「細胞の初期化」だそう。
皮膚の細胞の核に、ある4つの遺伝子を入れる事により受精卵のような細胞にリセットされる…つまり「初期化」される事を示した方です。
現在はヒトのiPS細胞を作る事も成し遂げていて、さまざまな治療に活かすための研究をされています。
大村智(2015年)
熱帯地方に住む寄生虫を起因として起きる、深刻な病気の治療方法を発見した事から受賞しました。
寄生虫を起因とした感染症に対しての、新たな治療方法・薬により中南米やアフリカなどの風土病を撲滅することに成功。
今ではこれらの病気が、根絶寸前まで進んでいるそうです。
それらの功績が評価され、受賞に至りました。
大隅良典(2016年)
生物が細胞内でタンパク質を分解してエネルギーとして再利用する「オートファジー」というメカニズムを、分子レベルで解明した事により受賞しました。
アルツハイマー病やパーキンソン病、がんの治療法の開発にもつながる大きな発見として世界から期待されています。
本庶佑(2018年)
本庶さんは新しいがんの治療法を発見し、受賞に至りました。
免疫について研究中、免疫細胞の表面に「PD-1」という新しい物質を発見し、がんの免疫療法という形で医療として確立されています。
それに類似した治療薬も出てきているので、これからのがん治療に希望が見えそうですね。
物理学賞
湯川秀樹(1949年)
陽子と中性子を強い力で結びつけている“中間氏の存在の予想”を理論的に予言し、物理の分野だけでなく日本人初のノーベル賞受賞者となった方です。
また、史上最年少で文化勲章を受賞されました。
朝永振一郎(1965年)
ノーベル賞物理学賞を受賞した理由は、“量子電気力学分野での研究”の功績が認められたためです。
さらに湯川秀樹氏とは、研究においていいライバルであると同時にお互い助け合って士気を高め合う関係でした。
江崎玲於奈(1973年)
日本人としては3人目となるノーベル賞受賞者。
普通は研究機関や大学を異動しつつ、研究を進めていくスタイルが研究者として多い中、企業をいくつも異動しながらノーベル賞を受賞したところが注目されるポイントです。
“半導体におけるトンネル効果”を発見し、ついでエサキダイオード(トンネルダイオード)を開発した功績により受賞しました。
小柴昌俊(2002年)
超新星SN1987Aからのニュートリノを捉え、世界で初めてニュートリノの観測に成功。
受賞の理由はこの、宇宙ニュートリノの検出においてのパイオニア的貢献が評価されたためです。
これによって、“ニュートリノ天文学”という新しい学問が切り開かれていきました。
南部陽一郎(2008年)
日系アメリカ人の理論物理学者で、シカゴ大学名誉教授をされている東京出身の南部さんは、1970年に日本からアメリカに帰化していますので国籍はアメリカなんですね。
南部さんは、素粒子物理学においての自発的対称性の破れを発見、その功績からノーベル物理学賞を受賞しました。
学生時代には湯川秀樹氏の功績に影響されたこともあって、物理の道を選んだそうです。
小林誠・益川敏英(2008年)
素粒子のひとつ「クオーク」が少なくとも3世代、6種類以上存在すると予言。
「小林・益川理論」と呼ばれるCP対称性の破れの起源の発見で、ノーベル物理学賞を受賞しました。
二人三脚で研究に励み、ともに受賞するという大変おめでたいノーベル賞だと言えます。
赤崎勇・天野浩・中村修二(2014年)
高輝度で省電力である“白色光源”を可能にした、「青色発光ダイオード(LED)」の研究と製品化に成功。
今ではLEDは一般家庭でもなくてはならない、生活必需品。
この功績が認められ、ともに受賞となりました。
中村修二さんは愛媛県出身、2005年にアメリカ国籍を取得しています。
梶田隆章(2015年)
「自己組織化」を利用し、金属のパラジウムと窒素でできた1/100万の1ミリ(!)ほどの正方形の分子を作る事に、世界で初めて成功しました。
この成功では、人の手で人工的に化学反応を起こさずに、材料を合わせるだけでとても複雑な構造の物質が勝手に出来上がるという事から、科学の常識を覆したと言われています。
それらの研究が高く評価され、受賞に至りました。
真鍋淑郎(2021年)
現在では広く浸透した”脱炭素”に関する議論の発端となった「二酸化炭素濃度の上昇が地球温暖化に影響する」という予測モデルを世界に先がけて発表したことが受賞理由です。
ドイツ人のクラウス・ハッセルマン氏、イタリア人のジョルジョ・パリージ氏の3名で共同受賞となりました。
気象研究分野でノーベル物理学賞が授与されるのは、今回が初!
真鍋氏は愛媛県生まれですが、現在はアメリカ国籍を取得されていらっしゃいます。
化学賞
福井謙一(1981年)
化学反応家庭の理論的研究において、アジア人初のノーベル化学賞を受賞。
量子力学の考えを化学反応に応用し、「フロンティア軌道論」という化学反応のほぼ全てをカバーできる画期的な理論へと導き出した独創的な研究者です。
白川秀樹(2000年)
白川氏は、これまで粉状にしか作れなかった“ポリアセチレン”をフィルム状に合成する事に成功しました。
さらにそのポリアセチレンフィルムに電気を通せるようにする方法を発見し、「プラスチックは電気を通さない」という常識を覆し、“導電性高分子”を発見・発展させノーベル化学賞を受賞しました。
野依良治(2001年)
野依氏の研究が確立するまでは、化学物質を合成しようとすると一緒に別の物質までできあがってしまう、という事が課題でした。
欲しい物質は半分、もう半分は見た目は同じでも実は鏡に写したように逆さになった別の物質が出来てしまうのです。
構造が違うことで、性質も変わるので医薬品などでは体に害がある事も。
ところが、野依氏の「不整合性」という分野の研究で、「欲しいものだけを狙って作る事が出来る」ようになったのです。
工業用の薬品、医薬品の他メントール製品にとさまざまな分野で活用されている事から、受賞となりました。
田中耕一(2002年)
ちょっとユニークな経歴の田中氏は、なんと研究中にうっかり間違えてしまった事からノーベル化学賞受賞に至りました。
タンパク質のような高分子に、何か特別な物質を混ぜて“イオン化”することで、分子を保護できないか?」と考えたチーム内で、レーザーを吸収しやすい“金属微粉末”を混ぜればタンパク質の破壊が食い止められる!
という結論に達し実験を進めていました。
ある時別の実験で使うはずだった物質を混ぜてしまった田中氏は、「もったいない」と考えその失敗したものを分析。
するとなんと溶液中の高分子がそのままイオンの状態に!
ずっと求め続けていた結果が、失敗から導き出されました。
また、受賞時は「島津製作所」の現役会社員というところも、とても注目されていました。
下村脩(2008年)
1960年代、米プリンストン大学の研究員だった下村氏は、クラゲの一種“オワンクラゲ”が光る仕組みを解き明かしました。
その研究からさらに、緑色蛍光タンパク質(GFP)を発見。
それから30年後、別の研究者によって「目印」としてGFPを利用する方法を発見し、現在では病気や生命の仕組みの研究に欠かせない道具となったため、80歳でノーベル賞を受賞する事になりました。
鈴木章・根岸英一(2010年)
この2人の受賞の理由となった「クロスカップリング反応」は、有機化合物を効率的に結びつける技術です。
現在この「クロスカップリング反応」は高血圧治療のための薬や、テレビの液晶画面の製造面などで、私たちの日常生活にも深く関わっています。
2人の研究の結果の技術が、日本の産業や生活を支えてくれているんですね。
吉野彰(2019年)
スマートフォンや電気自動車などに利用されている、リチウムイオン二次電池を開発した功労者。
化石燃料由来ではなく、さらにワイヤレスな社会の基盤を作った事が評価され、ノーベル化学賞を受賞しました。
リチウムイオン電池がなければ、スマートフォンや電気自動車の普及ももっと遅くなっていたかもしれません。
世紀の大発見ですね。
文学賞
川端康成(1968年)
戦前から戦後にかけて、日本文学を代表する作家です。
『伊豆の踊子』『雪国』など、繊細で文字を追うだけでも情景が目に浮かぶ叙述的な表現が、川端康成作品の大きな魅力。
川端氏は日本人初のノーベル文学賞を受賞しましたが、その理由として「日本人の心の精髄を、優れた感受性で表現するその物語の巧みさ」があるそう。
日本的な繊細さと、奥深いストーリー性が世界に認められたと言えます。
大江健三郎(1994年)
日本の近代文学を代表する作家である大江健三郎氏は、東京大学在学中に発表した『奇妙な仕事』で一躍注目を集め、その後芥川賞の受賞など意欲的に活躍します。
現実と神話が交差し、混合する世界を巧みに描いた作品は現代人の窮地を表しているようだと評価され、文学で描く“大江健三郎が見る現代性”はノーベル文学賞受賞となりました。
カズオ・イシグロ(2017年)
長崎県出身、日系イギリス人の作家です。
音楽も楽しむ多才さ、人の深淵を暴くような作風が注目を集めています。
アーサー王の死後を書いた、『忘れられた巨人』はイギリスとアメリカでも同時発売され、大変話題になりました。
1950年に家族で渡英。その後度々来日しており、大江健三郎氏と対談するなど勢力的に活動しています。
ノーベル平和賞
佐藤栄作(1974年)
元総理大臣であり、同賞で日本人唯一のノーベル平和賞受賞者です。
非核三原則(核を持たず、作らず、持ち込ませず)を宣言し、1970年アメリカ等5カ国以外での核兵器保有を禁止する「NPT(核拡散防止条約)」に署名した事などが受賞理由として挙げられています。
日本人が受賞していない賞
現在各分野で続々と日本人が受賞しているノーベル賞ですが、“経済学賞”を受賞した日本人はまだいません。
ノーベル経済学賞は、2/3がアメリカ人が受賞していて、アジア人では過去に1名インド人の受賞者がいたのみです。
現在、アジア方面の経済の成長も目覚ましいですよね。
今後はノーベル経済学賞に、日本人が候補に挙がる未来がくるかも!
世界でも権威のあるノーベル賞を受賞した輝かしい経歴を持つ日本人はこんなにいる!
こんなにたくさんの才能が、世界に認められていたんですね!
同じ日本人として、とても誇らしいです。
2020年のノーベル賞では、日本人の受賞はありませんでした。
ちょっと残念…?な気もしますが、またいずれ新たな才能がクローズアップされるはず!
ノーベル賞の授賞式は、毎年ストックホルムで開催され、晩餐会がある事でも有名ですよね。
2020年に続き今年も残念ながら、新型コロナウイルスの感染症対策として授賞式と晩餐会は中止になり、各国でメダルを渡すという方法を取るようです。
来年以降、授賞式と晩餐会が無事に行えるような世の中になっているといいなと思います。
それまでに今までの日本人のノーベル賞受賞者について、理解を深めてみるのはどうでしょうか?
スリリングなミステリー要素あり、美しい写真あり、他分野に渡る専門家の解説コラムあり。宇宙や科学が好きな子にも、冒険ファンタジー好きな読書っ子にもおすすめの児童書は、亡きホーキング博士から子どもたちへのまさに贈り物です。
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