受験塾で落ちこぼれないために!小学3年生までに身につけさせるべき3つの「勉強基礎力」
スポーツの上達には基礎体力が重要なように、学力を伸ばすには”基礎脳力”が必要です。
子どもの吸収力は目を見張るほどですが、ついていけずに「きっとダメだ」と諦めると途端に成長がストップしてしまいます。本格的に受験塾選びを始める小学校3年生の終わりまでに、受験塾での学びについていくための土台づくりをしてあげましょう。
小学3年生までに勉強基礎力をつけておくべき理由
小学校低学年の期間は、身体だけでなく、心も大きく成長する時期。言語能力や認識力が高まり、読み・書き・計算などの基礎学力が定着します。
小学校低学年の時期の子どもは、 幼児期の特徴を残しながらも、 「大人が『いけない』と言うことは、してはならない」といったよ うに、大人の言うことを守る中で、善悪についての理解と判断ができるようになる。ま た、言語能力や認識力も高まり、自然等への関心が増える時期である。
出典:www.mext.go.jp
また、受験塾の多くは、3年生の2月からを”4年生”として扱い、受験合格に向けたカリキュラムを組んでいます。
そのため、本格的な受験勉強を始める3年生の終わりまでに、自分で考え、学び、試行錯誤を重ねて学びを実力に変える力を育んでおくことが大切。せっかく高い費用を捻出して塾に通わせても、勉強のコツをつかめずに「ついていけない」「きっとできない」と思ってしまうと、学力が伸び悩んでしまったり、やる気を失ってやめてしまいやすくなります。
受験塾で落ちこぼれないための「勉強の準備」とは?
受験塾へ通うことを考える前から、受験に必要な知識を詰め込む必要はないでしょう。受験塾では、豊富な経験やデータをもとに無理なく学べるカリキュラムが作られているからです。
小学校3年生の終わりまでに身につけておくべきは、知識ではなく”基礎脳力”。「やれば、できる」と思える前向きな精神や、塾での学習内容を遅れずに理解し、演習し、得点力を上げていくための力です。
私は普段塾講師として子どもたちと向き合っていますが、授業についていけないと感じた子どもたちは、とたんにやる気を失ってしまい、宿題をやってこなくなったり、授業中に”問題を解いているふり”をするだけで、脳をはたらかせなくなったりしてしまいます。ふざけているのではありません。自信がないために堂々と答えを書けなかったり(言えなかったり)、できないと思われるのが怖くて”やっているふり”をしてしまうのです。塾での学習についていけないと感じた子どもは、大きなストレスを抱えてしまいます。
そんなストレスから諦めから子どもを守るためにも、勉強の土台づくりのサポートが大切。次の3つの力が備わっていると、塾での学びをスムーズに進めることができますよ。
【1】はっきり分かりやすく文字を書く力
必ずしも「綺麗な文字」が書けるようになる必要はありません。
ただし、復習の際に学んだ内容を思い出せないノートや、やる気を削いでしまうノートでは、学力を伸ばすことは難しいもの。「読める」文字で、「分かりやすく」書く習慣をつけておくことが大切です。
おすすめの練習法は「お手紙」。誰かに見せるために文章を書く経験を多く積むと、「どうしたら相手が読みやすいか」「もっと見やすい書き方はないか」と考える機会が増え、読みやすい文字の大きさや行間を工夫できるようになります。「今回は隙間があって、読みやすかったよ。ありがとう」などと、具体的に褒めてあげたり、アドバイスをあげたりすると成長スピードが上がります。
また、書くのが遅い場合は、スムーズに文字を書く練習をたっぷりさせてあげましょう。時間内に書ききれないだけで、クラスの進度についていけないと感じてしまいます。文字をなぞってタイムを競うゲームなどを行うと、楽しく文字を書く練習ができるのでおすすめです。
【2】板書を素早くノートに書き写す力
「黒板を見て、内容を覚え、その通りにノートに写す」
私たちにとってな何でもないことでも、子どもにとっては練習が必要な脳力の1つ。遠近に順番にピントを合わせる目の力と、短期記憶とをフル活用しなければなりません。少ししか書き写せないと、何度も黒板とノートを往復しなければならず、書き写すのに時間がかかってしまいます。
『脳番地がわかればうまくいく!脳が喜ぶ子育て』(2015)では、板書の書き写しが苦手な子どものための、ユニークなトレーニング法が紹介されています。
それは、「カメラで写真を撮る」こと。
様々な場所の写真を撮ることで、遠くの景色や近くの物体を選んでピントを合わせたり、広い視野の中から見たいものを素早く探す経験を積むことができます。写真を撮った後に写真で切り取られたものごとについて話し合えば、空間認識能力や短期記憶を強化することにもつながりますね。
【3】絵や図を書く力
子どもたちが板書をノートに書き写すのに一番手こずるのが「図」や「絵」。
特に空間認識力が問われる立体図形の問題では、自由自在に形を書いて様々な角度から考える力が求められます。見たものをそのまま真似して描く力だけでなく、頭に浮かんだ図形を紙に書き出す(表現する)力も重要です。
普段からものを見て模写をしたり、絵を描くのが好きな子どもは、図を書くのもとても上手です。「勉強とは関係無い」と思わずに、絵もたくさん描かせてあげてください。
塾での勉強をスムーズに行い、楽しむことができるサポートを
親が子どものためにできるサポートは、知識を与えることだけではありません。
スムーズに学習することができる力をつけてあげることで、塾での学びで劣等感を覚えることなく、前向きに取り組めるようになります。「できるかも!」と思うことができれば、自ら勉強時間をつくったり、もっと効率よく勉強できるようになるための工夫を考えたりする心の余裕も出てきます。
勉強嫌い、塾嫌いにならないために、小学校3年生の終わりまでに”勉強をスムーズに行うための基礎力”を育んであげてくださいね。