イタリアでSAMURAIと言えば爪楊枝!でもなんでサムライ!?考案者の死去で振り返る爪楊枝SAMURAIの誕生秘話!
2019年9月、イタリアの爪楊枝の父、エンツォ・ロッティ氏が死去し、彼の商品への愛情と誕生秘話がイタリアのサイトやニュース記事で紹介され話題になりました!
イタリアでSAMURAIと言ったら・・・コレ!
爪楊枝!
これは、イタリア産業が活発になり、エコノミーブームを迎えた1960年代に、エンツォ・ロッティという企業家が商品化したもの。イタリア全土、さらには欧州にまで輸出される大ヒット商品となりました。
イタリアでは、両先の尖った「samurai」というネーミングの爪楊枝(日本製)がポピュラーである。
出典:ja.m.wikipedia.org
こーんな長い串焼き用の楊枝もSAMURAIです。
このSAMURAIの大ヒットを受けて、追随する他社も次々と日本語の名前を爪楊枝の商品名に使うようになったほどです。
SAMURAIのほかには、着物(KIMONO)やサヨナラ(SAYONARA)、空手家(KARATEKA)、大阪(OSAKA)、剣道(KENDO)など、どれもこれも日本の名前。
出典:www.google.com
爪楊枝の父エンツォ氏が死去
2019年9月には、イタリアの爪楊枝の父、エンツォ・ロッティ氏が死去し、彼のユニークな着想や商品へのこだわり、その始まりのストーリーがイタリアのサイトやニュース記事で紹介され話題になりました!
爪楊枝SAMURAIの誕生秘話
1960年代、マントヴァ出身のエンツォ氏とジョヴァンニ氏の兄弟は、ミラノで輸出業をしていた田中氏と出会います。
北海道産の樺の木をイタリアへ輸出しようとしていた田中氏。
柔らかく耐久性に優れた樺の木材はしかし、何の用途で使えるのだろう?エンツォ氏は、それを原料として爪楊枝を作ることにします。
樺が爪楊枝の材料に最適だっただけでなく、ロッティ氏は、木材を熱やガンマ線で殺菌し、高品質で衛生的な爪楊枝の製造を実現しました。
当時、他社の爪楊枝はポプラを材料としていて、衛生面への考慮はほとんどされていなかったため、SAMURAIは引く手あまたとなり、イタリアだけでなく欧州でも人気のロングラン商品となったのです。
ネーミングに込めた商品への情熱
エンツォ氏は、日本の武士と、マントヴァ人のこだわりに敬意を評して「SAMURAI」と名付けた、と常日頃語っていたそうです。
ちなみに・・・
イタリア語で爪楊枝のことは、「歯をつつく」という意味の「stuzzicadenti」ですが、エンツォ氏は、「歯を優しく撫でる」という意味の「carezzadenti」というキャッチフレーズでSAMURAIをアピール。
こんな懐かしのCMもあります。
そんな爪楊枝の使い道は・・・
イタリアはもちろんヨーロッパでは、食卓や人前で、爪楊枝を使って歯のお掃除をするのはご法度。家庭内でも楊枝で歯に挟まったものを取る、という文化や習慣はありません。
こんな風に、フィンガーフードのスティックとして使われることが多いです。
初めてイタリアでSAMURAI楊枝を見た時は、イラストと言い商品名といい、何だかニワカJAPANブームにあやかったような変な楊枝・・・なーんて思っていた私ですが、失礼しました!企業家たちの思いが込められた高品質の商品だったんですね!
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