熱中症対策のカギは「暑熱順化」にアリ。こまめな水分補給とシーン別のドリンク飲みわけで、熱中症に負けない体に!
毎年、暑さが気になりだすと心配になる「熱中症」。
特に昨年は全国各地で歴史的な猛暑が続き、気象庁の会見では「命の危険がある暑さ」と発言をする事態に…!
子どもはもちろん、大人も気をつけなければいけませんよね。
今回は熱中症に負けない体づくりと、効果的な水分補給についてご紹介します。
野崎豊先生 (ノザキクリニック院長)
日本小児学会専門医、認定産業医/日本体育協会 公認スポーツドクター 日本東洋医学会 代議員/漢方専門医/臨床内科医会専門
本格的な夏の前に「暑熱順化」することが重要!
ノザキクリニック院長 野崎 豊先生によると、 熱中症になりにくい体にするためには、本格的な夏を迎える前に“暑熱順化(しょねつじゅんか)”を獲得することが重要です。
暑熱順化とは、暑熱環境に一定期間さらされたときなどに、暑さに対抗するための「より高い体温調節能」を一時的に獲得することをいいます。
暑熱順化が成立すると、
①低い体温でも多量の汗をかくことができる
②汗中ミネラル濃度を低くすることで多量発汗時にもミネラルの損失を軽減できる
③血漿(血液中の液体成分)を増やすことで皮膚血流量が増えるようになります。
これらにより効果的に体温上昇を防ぎ、熱中症が予防できると言われています。
積極的に暑熱順化を得るためには、やや暑い環境でややきつい運動を 1 日 30 分間、数週間程度行う必要があります。
ウォーキングやジョギング等の軽い運動や入浴(シャワーのみでなく湯船にしっかり浸かる)も暑熱順化に役立ち、しかも比較的手軽に行えるためお薦めです。
これら運動、入浴の前後にミネラル むぎ 茶等のミネラルと水を含む飲料をしっかり摂ることで、より効果的に暑熱順化を進めることが期待できます。
ゴールデンウィーク明けの急激な気温上昇、および湿度の高い梅雨時期に熱中症の方が増えますので、春先からの暑熱順化が望ましいと思われます。
そもそも「熱中症」って?どうして起こるの?
熱中症が起きるしくみ
高温の環境下で、体内の水分やミネラルバランスが崩れたり、体温調整機能が破綻することで、体内に熱がこもり発症します。
体温上昇、めまい、体のだるさ、ひどい時には痙攣や意識障害、さらには最悪死に至ります。
通常、体内の熱は皮膚の血流を増やしたり、汗をかくことで、体外に放出されますが、気温や湿度が高いと、多量の汗をかいても、体内の熱を外に逃がすことができず、体内の水分、ミネラルバランスが崩れ、体温調節機能が崩れ、熱中症になってしまうのです。
日中だけではない。「夜間熱中症」に注意
気密性の高い住宅では、日中の日差しで壁や天井に熱が蓄えられ、夜に放射熱となって室内に流れ込んでくため、夜中でも室温が下がらず、夜間熱中症が発生します 。
特に壁がコンクリート造りの場合、暖まりやすく冷めにくいので夜になっても室内の温度が下がりません 。
夏に生じる熱中症の殆どが室内、夜間に起きています。
熱中症に注意が必要な人
体温調節機能が未発達な乳幼児や暑さを感じにくく、体温調節や発汗機能が低下している高齢者は特に注意が必要
賢い水分補給で熱中症対策!医師がオススメの「点滴飲み」と、健康的な飲み分け方法
■熱中症対策に効果的「点滴飲み 」とは?
熱中症は発生した当日の水分とミネラル不足から起こるのではなく、数日前からの不足が原因で発生します。
また水分とミネラル補給は、一気に行っても血液内に吸収された時にしか効果がありませんので、少しずつ継続的に飲む「点滴飲み」が効果的です。
■健康的なシーン別の飲み分け方法
ミネラル入り麦茶は、適度な塩分とミネラルを含み糖分を含まないことから、「エネルギー消費量はさほど高くないが汗をかく」という、暑い時期の日常生活を過ごす大半の方におすすめできる熱中症予防飲料です。
スポーツドリンクは、糖分が多いため吸収されやすいのですが、エネルギー消費量がさほど高くない大半の人にとっては、後引く甘さのためつい飲み過ぎてしまうことによる糖尿病(一過性の)リスクや、肥満リスクがあります。
また、経口補水液は、脱水症状に陥ってしまった後、特に医師から脱水状態の食事療法として 指示された場合に限り飲んで良い飲料です 。自己判断で予防的に飲むと塩分の過剰摂取になることがありますので注意が必要です。
熱中症対策に、どうしてミネラル入りむぎ茶なの?
◆ミネラル補給できる、無糖・カロリーゼロ・カフェインゼロの飲料
・体に必要な栄養素であるミネラルが補給できます。
汗をかくと水分だけでなくミネラルも失われます。そのため食品や飲料から補給する必要があります。
・無糖でカロリーゼロのため、毎日、健康的に飲むことができる。
・カフェインを含まないので、小さな お子様から高齢者、妊婦や授乳中の方も安心して飲むことができます。
◆血流改善効果
体内で発生した熱は、血液によって皮膚に集めることでその熱を体外に放出し、血液の温度を下げることで体内の熱を下げます。そのため、水分やミネラルが不足して血液がドロドロ状態になると、血液の流れが悪化し熱を放出できないため、熱が体内にこもり「熱中症」にかかってしまいます。
そこで、ミネラル入りむぎ茶の血流改善効果が、「熱中症対策」に効果的であると言えます。
※ ミネラル入りむぎ茶とミネラルウォーターの、それぞれ飲用前と飲用30分後の体温変化をサーモトレーサー(赤外線熱画像カメラ)で測定すると、ミネラル入りむぎ茶を飲んだ被験者(健常な男性)の腹部・胸部の体温は 0.8 1.7 ℃下がったが、ミネラルウォーターを飲んだ被験者の体温は逆に0.6 ℃上昇しました。
◆体温下降効果
ミネラル入りむぎ茶は、「体温下降効果」もあり、「熱中症対策」に効果的と言えるでしょう。
むぎ茶は医薬品と異なり一般の食品のため、これらの効果は緩やかなため妊婦や冷え性の方も安心して飲用できます 。
※健常な男性4名がミネラル入りむぎ茶とミネラルウォーターの、それぞれ飲用前と飲用30分後の体温変化をサーモトレーサー(赤外線熱画像カメラ)で測定すると、ミネラル入りむぎ茶を飲んだ被験者の腹部・胸部の体温は 1.7 ℃下がった一方、ミネラルウォーターを飲んだ被験者の体温は逆に0.6℃上昇しました。
◆血圧低下作用
夏の水分やミネラル不足により血液がドロドロになることで起こる高血圧は、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす可能性があります。その予防として「血圧低下作用」のあるミネラル入りむぎ茶はオススメの飲料と言えます。
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