本サイトはプロモーションを含みます

ミラノの学校給食に異変!? 親の意向で肉・魚・乳製品・卵を一切食べない「ヴィーガン」の子どもが倍増!

ミラノの学校給食に異変!? 親の意向で肉・魚・乳製品・卵を一切食べない「ヴィーガン」の子どもが倍増!
参照 : pixabay.com
アレルギーや宗教上の理由から「食べられない食材」がある子供たちが増えています。そんな昨今ニュースとして話題になったのが、親の希望で、学校給食にヴィーガン食を要求!という記事。これは子どもへの虐待?それとも家庭の自由責任?記事内容とイタリア人の反応を紹介します。
ミラノの学校給食に異変!? 親の意向で肉・魚・乳製品・卵を一切食べない「ヴィーガン」の子どもが倍増!
参照 : pixabay.com

ヴィーガン児童、ミラノの給食で倍増!―親の希望により、すでに保育園から動物由来の食物を一切食べない子どもたちが増加― (TGCOM24、2018年11月4日の記事より)

出典:www.tgcom24.mediaset.it
ここ数年で、保育園や幼稚園・小学校・中学校に、「鶏肉、白身魚、ボロネーゼソースのマカロニパスタ、ハム、オムレツ、ピッツァ…。これ全部ウチの子に出さないで!」と要望する親たちがミラノで急増中。給食事業者ミラノ・リストラツィオーネの調査によると、2017年には8,503人もの子供たち用に特別食が申請されたのだとか。
ヴィーガンの人は近年、北米や英国をはじめ欧米では急増しており、北イタリアでも同様です。同じくミラノでは2016年にウマニタス・サン・ピオ10世病院に「ベビーグリーン」という、ヴィーガンとベジタリアンの妊婦専用のセクションが誕生したほどなんです。

そもそも、ヴィーガンって?

ヴィーガンとは、肉と魚だけでなく、卵や乳製品も口にしない食生活のことを指します(ベジタリアンは、肉と魚のみ排除)。
出典:pixabay.com
ヴィーガン食を選択する理由は、心臓病や糖尿病、ガンなどの生活習慣病を防げると考えられているからだったり、動物保護のためだったり、畜産に使われる土地や資源の浪費に反対するためだったりとさまざまです。ミラノの学校給食の記事でも、38.5%は健康上の理由から、20.5%は動物愛護の観点から、という回答で親が子供にヴィーガンを選択しているそうです。

栄養面ではどうなの?

ヴィーガン食は、アメリカ栄養士協会やカナダ栄養士協会で、栄養のバランスが充分考慮されれば、ライフサイクルのどの段階においても適切だとしていますし、さまざまな専門家が、心臓病や数多くの変性疾患に対し予防効果があると発表しています。

ヴィーガンは、心不全、大腸癌、高コレステロール血症、高血圧、前立腺癌、脳梗塞になりにくいとされ、きちんとバランスが取れていれば、健康によく必要な栄養素をとることができるとされている

出典:ja.wikipedia.org
ヴィ―ガン食では、豆類、穀類、ナッツ類、海藻類、野菜と果物を摂取します。タンパク質は大豆製品やグルテンミートなどで、乳脂肪分は豆乳やアーモンドミルク、ココナッツミルクなどで代用できます。

ヴィ―ガン食では不足しがちな栄養素もある

とはいえ、ビタミンやタンパク質(必須アミノ酸)など、成長途中の子どもには欠かせない栄養素は、ヴィ―ガン食からは摂取しにくいことが指摘されています。

ヴィーガンの食事はビタミンB12不足を招きやすい傾向にある。 そのため、このような地域においてビタミンB12を摂取するには、サプリメントや栄養強化食品を食べる必要がある

出典:ja.m.wikipedia.org

ビタミンD3は動物に多く含まれる。適切でないヴィーガン食では欠乏症を起こすことがある

出典:ja.m.wikipedia.org

植物性タンパク質にばかりこだわっていては摂取できる必須アミノ酸の種類に偏りが出る

出典:ja.wikipedia.org
実際は、サプリメントで補給したり、不足しがちな栄養素を特に多く含む植物性食品を把握し、必ず食するようにすれば、こうした不足分は補えるとされていますが、子育て中に「正しいヴィ―ガン食」を徹底するのは食材探しの難しさや調理のバリエーションを考えるとなかなかできないのでは?と思います。

イタリア人の反応は?

保守的な人が多いイタリアだからか、子どもにヴィーガンなんて可哀想!と憤慨する声が多数です。
出典:pixabay.com

まだ明らかに自分自身で決断する能力がない子供に、こうした選択を強いるのには同意できません

出典:www.tgcom24.mediaset.it

ビタミンB12不足は子供に大きな損害を与えると、科学的に証明されている。何を食べたいのかは、成人したら自分たちで決めさせれば良いのでは?

出典:www.tgcom24.mediaset.it

大切なのは、何でもバランスよく食べることですよね

出典:www.tgcom24.mediaset.it

問題は、ヴィーガンやベジタリアンの考え方ではなく、それを子供に強要する親自身

出典:www.tgcom24.mediaset.it

私はベジタリアンで、ヴィーガンではないけれど、自分の息子に強要はしないわよ!

出典:www.tgcom24.mediaset.it

子どもにヴィーガン食をさせると禁固刑!?

さらに2016年には、イタリアの国会議員が、「健全でバランスのとれた成長に欠かせない栄養素を含まない食事」を子どもに与えた親に、法的責任を問える新法案を下院に提出しました。

提出された法案では、完全菜食主義で子どもを育てると禁錮1年、慢性的な健康被害が生じた場合は最大で禁錮4年、死に至った場合は最大で禁錮7年を科す

出典:jp.reuters.com
ただしこの法案については、ヴィーガン食を頭から否定する過激な内容のため、適切なヴィーガン食についての情報を認知させることの方が重要だ、ジャンクフードばかり食べさせ肥満児を放置している親の責任はどうなのか、と言った批判も噴出しています。(2018年11月現在、まだ可決・施行に至っていません)
出典:pixabay.com
ちなみに私個人としては、やはり成長途中の子どもたちには(アレルギーなどの問題がない限り)、お肉もお魚も卵も乳製品もなるべく好き嫌いせずしっかり食べてもらいたいと思います。栄養バランスを考慮して組まれているはずの学校給食を否定し、他の子どもたちと違うメニューを食べさせてまで、特殊な食事を徹底させようとは思いません…。
※この記事は、ベジタリアンやヴィーガンの方を否定・批判するためのものではありません。