生後3ヶ月から使える「親子で美術館&ギャラリーへお出かけ」を楽しむポイント
美術館は大人が静かに楽しむ場所というイメージを持っている人が多いかもしれません。でも赤ちゃんや子供と一緒に美術鑑賞をすると、きっと親子みんなの印象に残る体験ができます。「赤ちゃんを連れて美術館デビューしたい」という方のために、娘が生後3ヶ月の頃から一緒に美術鑑賞をしてきた中で気をつけてきたポイントをまとめました。
①設備面のチェック
◯エレベーター
家族などお手伝いしてくれる人がいればよいのですが、一人でベビーカー・抱っこで連れて行く際に駅・施設のエレベーターがないと大変。特にギャラリーは階段しかない駅や建物の中にあることが多いので、事前のエレベーター検索は欠かせません。とはいえ、駅員さんや心優しい人々に助けられたことも数知れず・・・やさしき世界!
◯授乳室
母乳ベビーにとって、授乳室が近くにあることも必須!ありがたいことに最近は美術館にも授乳室があることが多いので、ウェブサイトをチェックしてみてください。
◯おむつ交換台
駅ビルがあるような駅ならだいたいあります。美術館内にも設置されていることが多いですが、念のためチェック。
②赤ちゃん・子供のコンディションを整える
◯空腹
お腹が減っていたら大人だって疲れてしまいます。赤ちゃんが不機嫌になる要素はなるべく取り除いておくことが大事です!
◯ご機嫌な時間帯をねらう
朝起きる時間やお昼寝の時間によって、赤ちゃんの機嫌がいい時間帯があると思うので、その時間を狙って行きます。我が子の場合は午前中やお昼寝後。とにかく眠くない・疲れていない時間に行くようにしています。
◯温度調整
赤ちゃんは意外と暑がりなので、脱ぎ着できるような服にして、こまめに温度調整が出来るようにしてあげるとムズムズせず快適です。
◯(1歳以降)公園・遊び場を探しておく
美術鑑賞の前後に公園や遊び場で体も動かして、運動したくなる気持ちはお外で発散してもらいます。お庭のある美術館やお外のイベントなども活用しましょう!
③事前の準備体操
◯お話しておく
美術館はこんなところだよ、今からこんな展覧会に行くよ、と必ず事前に話をします。「小さな声でお話ししてね」「ママと手をつないで静かにゆっくり歩こうね」「作品はたからものだから、触らないで離れて観ようね」など、鑑賞の際の注意点も「あたりまえのこと」として刷り込みしておけば、聞いてくれますよ。
◯絵本で予行練習
美術鑑賞を身近に感じられるような絵本も読み聞かせして、自然に興味をもってもらいます。ママもこどもとの美術鑑賞の疑似体験ができますよ。
「うさこちゃんびじゅつかんへいく」
うさこちゃんが初めて美術館へ行くお話。具象、抽象、立体、彫刻など、美術の主なジャンルをとりあげて紹介する形になっていて、小さな子の美術館入門にはぴったりの一冊です。
「こどもと絵で話そう ミッフィーとフェルメールさん」
日本でも人気の高いフェルメールの絵をミッフィーとおとうさんが観にいく絵本。絵を前にしたミッフィーとおとうさんの会話がおもしろく、こどもの視線で絵を観る練習になります。
「こどもと絵で話そう ミッフィーとマティスさん」
ある日ミッフィーは「マティスさん」の絵と出会います。著者の娘はある展覧会でマティスの絵をみて「これおうちにあるね〜」と喜んでいました。
④スケジュールを立てるときの注意点
◯予定を詰め込まない!
子供が生まれるまでは、いくつもギャラリーや美術館をはしごしたり、その間にランチやカフェ、お買い物など1日にいくつも予定を入れていました。一緒に行動するようになってからは、子供が疲れないこと、興味を持ってもらうことを何よりも優先。展覧会は1〜2つくらいに抑えて、図書館や公園など子供が好きな場所と組み合わせていくようにしています。(1人で子供を連れて出かけるのは体力を使うので、自分のためにもこのくらいがちょうどよかったりするのですが。)
◯オープン直後など人が少ない時間帯を狙う
美術館だけに限らず、混雑した場所に子供連れで行くのは大変ですよね。美術館だと、土日よりは平日、夕方よりは午前中、会期後半よりは会期前半が人が少ないことが多く、快適に鑑賞できます。
⑤美術館の子供向けプログラムを利用する
美術館によっては、ベビーカーツアーや子供向けのワークショップなど教育事業に力を入れているところもあります。そのようなプログラムは赤ちゃんとの美術館デビューにぴったり!是非利用してみてください。オススメの美術館プログラムを幾つか挙げさせていただきます。
◯森美術館「おやこでアート」
開館時間 月・水~日曜日10:00~22:00 火曜日 10:00~17:00 (いずれも最終入館時間は閉館の30分前まで)
授乳室、おむつ交換台、ベビーカー貸し出しあり(六本木ヒルズ内)展示室内ベビーカー使用可能
◯東京都庭園美術館
「あーととあそぶにわ」という子供と家族が展覧会や美術館に親しむためのプログラムを展覧会毎に開催。
対象年齢もよちよち歩きから小学校低学年と幅広く、庭園美術館の広く美しい庭園で行われるため、こどもものびのびと参加できます。
「ウェルカムルーム」という、美術館や展覧会のことをよく知ってもらうためのお部屋もあり、切り絵や塗り絵、絵本など、子供が楽しめる素材がたくさんあり、椅子やラグもあるのでこどももゆったり楽しめます。
開館時間:10:00-18:00 (入館は17:30まで)
休館日:毎月第2・第4水曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)
おむつ交換台あり、授乳室あり(館内ベビーカー使用不可)
◯横浜美術館「子どものアトリエ」
小学校6年生(12歳)までの子どもたちを対象とした創造の場として、遊びを通したさまざまな造形体験を提供しています。絵の具や粘土、クラフトなど思い思いの素材で思い切り楽しめます。
開館時間:10時~18時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:木曜日、年末年始
おむつ交換台、授乳室、ベビーカー貸し出し、抱っこ紐貸し出しあり、館内ベビーカー使用可能
⑥美術館・ギャラリーでの過ごしかた
◯きまりが守れるまでは、必ず抱っこで、手をつないで、ベビーカーで!
作品に触ってはいけない、館内を走らない、など言ってきちんとわかるまでは、必ず抱っこで、手をつないで、ベビーカーで!
これなら安心して観られます。だいたいの展覧会は大人の目線の高さを基準に展示されているので、特にベビーは抱っこしたほうが目線も楽しめると思います。
◯子供の反応や会話を楽しむ
まだお話できない赤ちゃんでも、作品をみて笑ったり、指さしをしたり、嬉しそうな声をあげたりと、いろいろな反応を見せてくれます。2歳前後でお話できるようになると今度は言葉で思いがけないことをお話してくれたりするので、是非どんなことを感じているのか聞いてみてください。子供の自由で豊かな発想に驚かれることと思います。
◯撮影できる展覧会なら撮影も楽しむ
赤ちゃんとアートが一緒になった写真は、後から振り返る時にも役立ち、成長記録としてもとても可愛いです!ただし撮影禁止の展覧会や美術館もありますので、必ず撮影してもよいかどうか確認してからにしてくださいね。
◯いざという時には潔く諦める!
いくら準備しても、急に子供が不機嫌になってしまったり、怖がってしまうこともあります。そんなときは粘っても仕方ありません。潔く諦めて即退出します。一度怖がっても、もう一度訪れると楽しめることもありますので、後日のリベンジに期待しましょう。
いかがでしたか?下調べや準備をしっかり行えば、こどもとアートを楽しめることができますよ。鑑賞を重ねるとこどもの好みも見えてきたり、どんどん楽しくなってきます。それでは楽しいアート体験へいってらっしゃいませ!