『上の子可愛くない症候群』って・・・?
初めて生まれてきた子。大変だったけれど、本当に愛おしくて、可愛くて・・・。ずっとそんな気持ちだったのに、2人目の子供を出産したあと、気づいたたら「あれ?上の子が可愛く思えない」「なんだか上の子にすぐイライラしてしまう」という経験、ありませんか?はっきり言って、私はあります!
こういった症状、実は自分だけではないのです。『上の子可愛くない症候群』、つまり『群』とまで名前がついているだけあって、多くのママたちが体感している気持ちなのです。下の子が生まれると、何もできない新生児。すべてを母親に頼りっきりの存在で無条件にカワイイ。一方上の子はイヤイヤ期に突入していたり、自我が出てきて自分の思い通りになんでもやりたがったり、あるいは赤ちゃん返りして情緒不安定だったり。そんな状況の中で、『上の子可愛くない症候群』が出てくるのは、ある意味当然なんです。別に「母親失格」でも「ダメな母親」でもありません。まず安心してください。
マジメで優しいお母さんほど、「自分はダメだ」と自己嫌悪を感じてしまいがちです。でも、みんなが体験していることなんです。上の子供のときは、ある意味すべてが初めてで、必死で毎日やりくりしていましたよね?でも、下の子供のときは、もう大体の手順も手抜き加減も(笑)分かっているので、心にとっても余裕があるんです。それくらい自分の状態が違うということも、認識しておきましょう。
『上の子可愛くない症候群』の自分に気づいたら?
私も実際に『上の子可愛くない症候群』を体験した1人です。ママ友にも「○○くん(次男)をかわいいーって言ってばかりで、ちょっと長男くんかわいそうじゃない?」とまで言われたことがあります(反省)。そんな体験も踏まえて、『上の子可愛くない症候群』の自分自身に気づいたら?のポイントをまとめてみます。
「おいおい、自分のことかよ!」と思うかもしれませんが、実はそこが一番大切だと思っています。2人の人間の生命を預かり始めた未知の世界にチャンレンジしている自分。そんな中で感じている「上の子が可愛く思えない」という事に対する自己嫌悪と罪悪感。そこから無理やり「上の子をかわいがろう!」と思っても、それは子供はお見通しです。まず自分自身の内面を整えること。そう感じてしまっているのは「当たりまえ」で「そんな自分でもOK!」と認めてあげてください。こちとら2人の人間育ててるんですから!!それだけで十分過ぎるほどがんばってますよ。
上の子は、いわゆる”初めての子供”。生まれて来てくれた時は、今よりずっと小さくて、かわいくて・・・。そう今の下の子と一緒だったはずです。上の子が生まれて来てくれたときの気持ち、感動、感謝を思い出してみましょう。『人生最高の瞬間だった』方も多いのでは?その感謝の気持ち、感覚を持ったまま、『上の子』を見つめてみてください。そして表現してみましょう。例えば①抱きしめる②「ありがとう」と感謝の気持ちを伝える③上の子と2人だけで過ごす時間を作る④意識してお願いを聞いてあげる・・・など、表現方法はそれぞれの方法でよいと思います。日常の中で多少『上の子可愛くない症候群』を発症して、イライラしたり、怒ってばかりいたとして、きちんと『上の子』に対する感謝・愛情を適切なタイミングで表現できれば、大丈夫です!
そう。ついつい忘れがちなのが、上の子もまだまだ子供だってことです。下の子=赤ちゃんという比較対象がいると、なんだか上の子がお兄ちゃん・お姉ちゃんに感じてしまい、なんでもできるような感覚に陥ってしまうこともしばしば。ですが、いくら大きくなったとはいえ、まだ数年しかこの世に生きていない超人生の初心者!今まで自分がなんでも1番だったのに、下の子が来たとたん世界が一変してしまった上の子たち。彼らのショック・嫉妬はあって当たり前なのです。「お兄ちゃんでしょ!」「しっかりしなさい!」とその一言を言う前に、深呼吸をしてこのセリフを思い出してみてください。「大きく見えてもまだ子供!」
『上の子可愛くない症候群』に陥ってるとき、周りは意外に冷静なことも。私の場合もママ友は「上の子かわいそうじゃない?」と冷静に指摘してくれたり、おじいちゃん・おばあちゃんはわけ隔てなく、むしろ上の子を意識的にかわいがってくれていました。子供は1人で育てるものじゃありません。自分以外の家族・友達、いないのであれば地域の公民館にいる子育てサポーター、誰でもいいと思います。彼らに思い切ってかわいがってもらっちゃいましょう。愛情を受けることで上の子にも余裕ができ、ママたち側も余裕を持って接することができるようになりますよ。
『上の子可愛くない症候群』は一過性。いつか過ぎていくもの
私自身は『上の子可愛くない症候群』なんてものがあるとも知らずに、症候群を発症していましたが、一つ言えることはいつまでも続くことではない、ということ。これは他の多くの経験者が語っていることでもあります。
下の子も赤ちゃんから脱し大きくなり、いわゆる『子供』になっていく。その過程で自然と『上の子可愛くない症候群』も治っていくケースが多いようです。それぞれの子供の個性が出てきて、どちらの存在も愛おしく感じられるようになる。そんな時期がちゃんとやってきます。そのさなかにいるときは、悩んだり、なかなか希望を持てなかったり、自己嫌悪に陥ったりすると思いますが、いつか終わる一過性のものだ、ということ。覚えていてください。そして、例え『上の子可愛くない症候群』の時につらく当たってしまったな、と思っていても、上の子ことをかわいがる、関係修復をするのに遅すぎることはありません。症状を抜け出したとき、ぜひ思いっきり『上の子も大好き症候群』を発症したらいいと思います!(ちなみに、私は発症中)
いかがでしたか?『上の子可愛くない症候群』。発症しているのは自分だけではない、ということ。そして、それ自体で自分を責める必要のないこと。あらためて『上の子』との関係性を見つめなおしてみること、ぜひトライしてみてください。そして、自分自身と上の子を苦しめるその症状も、いつか必ず終わります。2人目育児、がんばりましょう!