一生食べ物に困りませんように…『お食い初め』に込められた願いと、その作法とは…?
赤ちゃんに乳歯が生え始めた頃、ごはんを”食べさせる真似”をする儀式・お食い初め。地域差はありますが、道具や手順には決まりがあります。我が家で実際に用意したもの、当日の流れなどをご紹介します。
お食い初めの意味、時期など
お食い初めとは、赤ちゃんに初めて食べ物を食べさせる真似をする儀式のこと。
赤ちゃんが一生食べ物に困らないように、また、歯が生えるほど成長したことを喜ぶ意味もあって『歯固め』、『箸祝い』、『真魚(まな)始め』などと呼ばれることもあります。
生後100日目頃に行うのが一般的
地域によって110日目、120日目などと決まっている場合もありますが、生後100日目頃に行うのが一般的。
赤ちゃんの体調や他の予定との兼ね合いなど、無理のないスケジュールで行いましょう。
「歯固め石」を用意しましょう
“丈夫な歯=長寿健康の元”という考え方があります。
“齢”という漢字を見てもわかるように、丈夫な歯でしっかりものを噛んで食べることは、年齢を重ねることと深い関係があるのです。
歯固めの石には、『石のように丈夫な歯が生えますように』という願いが込められています。
歯固めの石の入手方法は、
◉お宮参りの時に神社で授けてもらう
◉氏神様にお参りして、神社の境内の石を貸していただく
※きれいな小石を拾って、使用後は元の場所へお返ししましょう。
※必ずよく洗い、熱湯消毒をして乾かしてから使いましょう。
◉お店で購入する
などが挙げられます。
我が家は、ネット通販で探したものを購入しました。
祝膳の基本は「一汁三菜」
※赤ちゃんには食べさせる真似をするだけで、実際に食べるのは大人です。
《メニュー例》
鯛など尾頭付きの魚、赤飯、お吸い物、季節の煮物、香の物…など。
《赤ちゃんの食器》
正式には、漆器の高足の御膳を設えます。器の色も性別によって、
男児:内外ともに赤色の漆器
女児:内側が赤色、外側が黒色の漆器
という決まりがあります。
最近では上の写真のように、可愛らしいベビー用の食器を使う家庭も多いようです。
人数が多ければ、コース料理を予約しても◎
我が家は両家を招いて大人10名程度と大所帯だったので、日本料理店のコース料理を予約しました。
お店の御膳から少しずつ取り分けて、自分で用意した器に盛り付け。
※写真右下、オレンジ色の小鉢に入っているのが歯固めの石。勾玉の形をした小さな水晶で、隣の小箱に入って届きました。御守りにできるように、と小袋付き。
儀式のやり方
食べ真似をさせる役目、誰にお願いする?
“長寿にあやかる”という理由から、年長者にやってもらいましょう。
男児は男性の左ひざに、女児なら女性の右ひざに座らせて行います。
親子で行う場合は、パパかママでも勿論OKです。
《食べ真似をする順番》
飯→汁物→飯→魚→飯
の順番で、これを3回繰り返します。
「ごはん一粒でも赤ちゃんが食べるとお祝いになる」とされ、すこしだけでも口に入れると良い…と、親世代からは勧められましたが
離乳食開始前ということもあり、アレルギーなどが怖かったので、筆者はこれを断固拒否。勝手に食べさせられてしまったら怖いので、神経を尖らせてしっかりと見張っていました(笑)
《歯固めの儀式》
食べ真似の後、箸の先で歯固めの石をチョンチョンとつついて、その箸を赤ちゃんの歯茎にそっと触れさせましょう。
※赤ちゃんが箸を噛んでしまわないように注意。心配なときは、触れさせる真似だけでも構いません!
儀式を終えたら、あとはお祝いの会食。
初めて目にする鯛の姿焼きに、赤ちゃんも興味津々♡
授乳やオムツ替え、お昼寝スペースなどが必要なので、予約した席は個室のお座敷でした。
可能なら、座布団を2枚ほど多めに用意してもらうと便利ですよ。
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お宮参り、お食い初め、初節句…
赤ちゃんが生まれると、今まで縁のなかったようなイベントが目白押し。
こうした行事は決まり事が多く、きっちりやろうとすると準備が大変!
たとえ完璧でなくても、由来や概要を知っているだけで意識が変わります。
難しく考えず、その時に出来る範囲で…。
思い出作りの参考にしていただけますように。