【気象予報士が解説】冬になるとどうして雪が降るの?子どもの素朴な疑問を解決します♪
天気予報に雪マークが並び始めると、いよいよ冬本番な感じですね!
ところで雪ってなんで降るんでしょう?そもそも雪って何⁉
同じくらい寒くても、雨の日だってあるし…
今回はそんな素朴な疑問について、子どもにも説明しやすいよう気象予報士が解説します!
雪はなにでできている?「汚いから食べちゃダメ!」の真相
雪ってかき氷に似てますよね。シロップかけたら美味しく食べられるんじゃないか…と子どものころ誰もが思ったことがあるでしょう。
雪が降る時、お空に巨大なかき氷機があるわけではありません。雪は空気中の水蒸気(目に見えない小さい小さい水の粒)が凍り、結晶となって落ちてくるもののことです。
地上に落ちてくるときは、この結晶が溶けかかったりいくつかくっついていたりするので、綺麗な結晶の形が見られることは珍しいです。
この雪の結晶ですが、その中身が「水100%」ということはほとんどありません!
結晶になるには「核」が必要。その正体は…
雪の結晶が作られるためには「核」が必要です。核となるモノがあることで、それに小さい水滴が集まって凍り結晶となります。この核ですが…
分かりやすく言うと「土ぼこり」です。黄砂や火山灰なんかも、雪の核になりますよ!
こちらも目に見えないくらい小さい粒ですが、「雪は汚いから食べちゃダメ!」は間違ってはいなかった…ということですね!
ちなみに、「核」無しで水蒸気が自然に凍るには、マイナス33℃~41℃という超極寒でなければなりません。
寒そう…というか痛そう!
雪が降る気温の条件
天気予報では、雪予報の時には必ずと言っていいほど「上空の強い寒気が…」という表現が出てきます。その言葉通り、雪が降るにはまず上空に冷たい空気が流れ込む必要があります。地上では、降ってきた雪が途中で溶けない温度でなければなりません。
この目安が「上空1500メートル付近の気温がー6℃以下、地上の気温が3℃以下」です。
ちなみに、冷蔵庫の温度は2~6℃くらいです。よく冷えた冷蔵庫の温度くらい寒いと、雪が積もる可能性が高くなりますね!
雪を降らす雲はどこからくるの?
気温の条件が揃うだけでは、ただとっても寒い日になるだけです。雪が降るには、そこに水分を多く含んだ空気が運ばれてこないといけません!
日本には、冬になるとシベリア(ロシアのほうだよ)から冷たい空気が流れてきます。最初は冷たくて乾燥している空気ですが、日本海を渡るうちに海から大量の水分をゲットします!
これは、日本海の南から流れ込む温かい海流(地理で習った対馬海流だよ)の影響で海の温度が高く、水分が蒸発するためです。露天風呂で湯気がモワ~っとなるアレです!
そうしてゲットした水分を抱えて日本に到来した冷たい空気は、高い山にぶつかって上空に上がり、雪雲となります。
日本には縦に高い山が連なっていて、ここを境に日本海側では雪が降りやすくなります。北海道から九州まで、どの地域に雪雲が流れ込むかはその時の風向き次第です!
よく聞く「最強寒波」って何がそんなに最強なの?
年に1回は聞く「今年最強の寒波」という天気予報の言葉。なんかすごいの来るんちゃう⁉と思わず身構えてしまうヤツです。
これは、さきほどの「上空1500メートル」ではなく「上空5500メートル」の気温がー36℃以下の空気がやってくるときに使われやすいです。
この冷たさの空気が上空に入ってくると、大雪の目安になるとされています。これは、上空の空気が冷たいほど強い雪を降らす雲を作りやすいからです。
時にずっと強い雪を降らす雲を作り続け、同じところに流れ続けるので記録的な豪雪になることも!寒さが尋常じゃない+大雪リスクが高くなるので、天気予報でこれを言い出したら注意ですよ!
雪のこと、分かったかな?
雪のことを簡単にまとめると、このようになります。
・雪の中心にはホコリがある
・日本の雪の原料は、海から蒸発した水分
・最強寒波は大雪注意!
雪が降ると超ハイテンションになる子どもたちに、ぜひ教えてあげてくださいね!