【幼児教室の講師が教える】子どもに本当の国語力をつけるために大切なことは?
自分の子どもに国語の力をつけてあげたい、でもどうすれば…?
そう頭を悩ませている保護者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、日ごろ幼児教室で子ども達を指導している筆者が、子どもに“本当の国語力”をつけるために大切なことをご紹介します!
国語っていつも使っている言葉だけど…本を読めば安心?
「どうすれば国語の力が伸びますか?」
幼児教室で子ども達を指導していると、保護者の方からこのような質問を受けることがたびたびあります。
「本を読めばよいですか?」
「うちの子は、図鑑は好きなのですが、物語があまり好きではないようで…」
といったお声もよく耳にします。
国語は母語であるという意識がどこかにあるせいか、文字に触れることが国語の力を伸ばすのだと思いますよね。
普段、家庭内で意思の疎通ができていないわけではないし…。
とはいえ、「風呂・メシ・寝る」だけで会話が成立しているわけではありませんよね。
本が好きなお子さんは国語が得意になるという話を聞いたことのある方も多いと思いますが、“読書好き=国語がよくできる”といった公式は本当に成り立つのでしょうか?
そのようなお尋ねがあった場合は、「一概にそうであると言い切れないものの、本を全く読まない場合は国語の力がつきにくい」ということをお伝えしています。
もちろん、国語講師としては、本が大好きなお子さんに育ってほしいと願っていますが…。
その理由は、人と本のかかわりについて考えると見えてきます。
人と本のかかわり
そもそも、人はなぜ本を読むのでしょうか。
それは、本を通して、自分が体験できないことを体験したり、知らない世界や想像の世界に旅をしたり、他者の感情の機微に触れて新たな考え方やさまざまなものの見方を知ったり…そういった欲求を満たしたいからではないでしょうか。
そして、そのような経験を積むことがイメージ力を強くして心を豊かにしていき、自分の枠を超えた世界へと飛び出すきっかけにもなるのではないかと思います。
では、幼い子どもに絵本などを読み聞かせることを国語の観点で考えた場合はどうでしょうか。
ひとつには、言葉のリズムを通して文と出会い、母語としての規則に知らず知らずのうちに触れることができます。
また、人や動物との出会いや事件などを通して、登場人物がはかるコミュニケーションを疑似体験する、そんな効用もあるのではないでしょうか。
私たちは、思考を言語で行います。
それゆえに、文章を読むことによって外からの思考を取り入れて、自分の論理構築の血肉としていくのです。
国語力をつけていく基盤として
読書を通して得られるこれらの経験は、国語という教科と向き合うときに決して無駄にはなりません。
しかし実際は、それだけだと年齢とともに読み解く力は足りなくなっていくでしょう。
なぜなら、読解力には、本を読むだけでは得られない他の五感への刺激なども必要だからです。
さらに、実際の人間関係やさまざまな実体験、運動、演劇・映画・ドラマ・漫画・美術・音楽などの鑑賞、受け身で見るだけではなくやってみること、努力して得ていくこと等、子どもたちが育っていく中での経験すべてが国語の力の基盤となっていきます。
そしてそこに、『論理的に考えて分析し、表現していく力』。
これが加わって初めて、『本当の国語の力』がついたと言えるのです。
ですから、国語の勉強をするといっても、ただひたすら問題を解けば力がつくわけではありません。
基礎を厚くしていくことこそが、国語力をつける近道なのです。
遠回りに見えますか?
いいえ、そんなことはありません。
気長に子どもさんに付き合っていくことが、真の国語力となると思えば、まさに「千里の道も一歩から」ですね。
灘中合格者数日本一の実績と長年の歴史を持つ浜学園が、高い知性を育てる独自の幼児教育法を作り上げたピグマリオン教育研究所の全面協力でできた理想的な幼児教室