知っておきたい! 社会に貢献する心を育て、自己肯定感を高める「フィランソロピー教育」
欧米社会では昔から、子どもたちへの「フィランソロピー(社会貢献)教育」が盛んに行われています。
アメリカのフィランソロピークラスの様子やそこで子どもたちが学んでいること、日本国内におけるフィランソロピー教育の取り組みについてレポートいたします♪
フィランソロピー教育で学ぶ、他者貢献の精神
友人に誘われて、3-6歳児向けの「フィランソロピー教育」クラスに娘たちと参加してきました。
フィランソロピー(英: Philanthropy)とは、基本的な意味では、人類への愛にもとづいて、人々の「well being」(幸福、健康、QOL等)を改善することを目的とした、利他的活動や奉仕的活動、等々を指す。あるいは慈善的な目的を援助するために、時間、労力、金銭、物品などをささげる行為のこと。
出典:ja.wikipedia.org
フィランソロピー教育の目的は、子どもたちの「社会に貢献する心」の種を蒔き、それを育てることと、
社会貢献の経験を通して自分たちがいかに社会にとってかけがえのない存在であるかに気づかせ、自己肯定感を高めること。
社会貢献というと、チャリティーやボランティアなどが頭に浮かびますが、クラスでは身近でできることを解りやすく教えてもらいました。
娘たちがこの日クラスで学んだ、子どもにできる3つのフィランンソロピーを順にご紹介していきます。
1. 自分の時間を捧げよう!
子どもにできる社会貢献、まず一つ目のキーワードは「Time(時間)」
家でのお手伝いや公園でのゴミ拾いなど、自分の時間を捧げることで他者のためにできる奉仕活動のことを指します。
クラス内では他にも、病院に知人や親戚のお見舞いに行くこと、ご近所のお年寄りの話し相手になることなどが挙げられました。
2. 才能を生かして人を喜ばせよう!
二つ目は「Talent(才能)」による社会貢献。
絵が得意なら絵を描いてプレゼントしたり、楽器が得意なら施設や病院への慰問コンサートに参加することなど。
また、編み物やお裁縫、お料理などを人に教えたり、自分の得意科目を苦手とするクラスメイトに勉強を教えてあげることも才能を生かした貢献です。
3. 持っているものを人に分け与えよう!
三つ目のキーワードは「Treasure(宝物)」
お金やサイズが小さくなった洋服、小さい頃に使っていたおもちゃなどを必要としている人に寄付することを指します。
お金を得る方法としては、家の前にスタンドを建ててそこでハンドメイドのレモネードやクッキーを売ったり、家の不要品を集めてガレージセールをしたり、Read-a-thon(リーダソン)と呼ばれる、子どもが本を1冊読むごとに親が決まった額を慈善団体などに寄付するという、読書マラソンの仕組みなどが知られています。
またRead-a-thon(リーダソン)と似た取り組みには、泳いだ距離に応じて寄付をする「Swim-a-thon(スイマソン)」や、楽器を演奏する「Play-a-thon(プレーヤソン)」などがあり、いろんなチャレンジを通して寄付をすることが可能です♪
ニューヨークのエリート養成音楽学校「Special Music School」の児童たちによるファンドレイジングイベント
いかがでしたでしょうか?
最近は日本でも「Read-a-thon」が実施されるなど、フィランソロピー教育が少しずつ広まりを見せているようです。
また、日本ファンドレイジング協会は「寄付の教室」という、体験学習プログラムの出張授業を行っています。
「寄付の教室」は、子どもたちが社会課題を知り、社会的な活動を応援することの楽しさを知り、そのために何ができるかを考えるために協会が開発した手軽にできるワークショップ型の教育プログラムです。
出典:jfra.jp
通常の授業時間2コマを使い(45分×2)、個人個人の価値観で、寄付先を考えることから達成感を感じるところまで行います。
自分のできる範囲で身近な人に貢献するという日々の心構えのもと、小さな喜びを周りに一つ一つ生み出していく。
この経験を小さな頃から積み重ねることによって子どもたちの自己肯定感が育ち、多様な視点で物事を捉えてそれを行動に起こすことのできる大人になっていってくれることでしょう。
子どもたちの未来のために、親子で楽しめる社会貢献をお子さんと一緒に始めてみませんか?