梅雨時期の勉強法と子どもへの接し方
雨の多い憂鬱な季節になりました。
今回は、進学塾で勉強と脳科学についての取材やセミナーを担当している筆者が、脳科学の知見に基づいた梅雨時期の勉強法と、この時期の子どもさんとの接し方についてご紹介します。
梅雨は記憶力がアップ! 脳の特性を活かした勉強を
梅雨の時期です。
湿度が高く気圧が下がる雨の日は、大人だけでなく子どもも、頭痛や関節の痛みなど体の不調が現れやすいもの。
というのも、この時期は、脳内の神経伝達物質「セロトニン」が生成されにくくなります。
「セロトニン」は、ドーパミンやノルアドレナリンを制御し、精神を安定させる役割があり、別名「幸せホルモン」と呼ばれ、日光によって生成されます。このため、梅雨や日照時間が少ない冬は、気分が落ち込みやすくなるのです。
湿度・日照量低下・低気圧がセットになって、勉強の意欲も低下しがちですが、実は、このような時期にこそ最適な勉強法があるのです。
原始の時代から脳にインプットされている行動の記憶
2009年、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学のジョセフ・フォーカス博士が率いる研究チームが「雨が降ると記憶力が上がる」ということを解明し発表しました。
それによると、クラッシック音楽がかかり、寒くて風が強く雨が降っている場合のほうが、太陽の輝くよい天気のときよりも、記憶力が3倍も良かったのだそうです。
この理由は、原始時代の生活にありました。
最近も、豪雨や大雨による災害が起こっていますが、大昔は治水などの災害対策がありませんから、いとも簡単に川が氾濫したり土砂崩れが起こったりしていました。
そこで人間の脳は、湿度・低気圧・日照量の低下 の3条件が揃うと、本能的に「雨=危険」と感じ取り、 無意識のうちに〝外出する〟意欲がわかなくなるようになったのだそうです。
そして、記憶力を高め、危ない場所や場面を覚えておくことで、災害からのがれていたといいます。
例えば「川の色が変わり、流れの音が変化すると川が氾濫した」とか、「地鳴りがした後に山の土砂崩れが起きた」といった細かな変化を、五感をフル活用して記憶し、次に雨が降った時に命を落とさないよう対処していたのです。
雨の日は、記憶力を高める必然性があったといえます。
一方で、晴れた日には、外へ出て未開の地へおもむき、獲物や食料を求めなければなりません。
そのため、好奇心を持って新しいものにチャレンジする意欲が湧き、創造力が高まるよう脳が設計されているのです。
ですから、雨の日には、記憶中心の勉強をすると良いといわれています。
例えば、文字や漢字を憶える、英単語や社会、理科の暗記項目を勉強するなどです。
梅雨時期でも、雨が降らない日は、算数の応用問題や国後の読解問題を解くことにチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
子どもと過ごす時間が増えるWithコロナの時代、関係が上手くいく「ほめ方・接し方」
コロナ禍では、リモートワークが増えたり、分散登校がなされたりなどで、お子さんと過ごす時間が増えたのではないでしょうか。
「勉強しなさい」「ゲームをしてはダメ」「早く寝なさい」etc…。
一緒にいる時間が長くなると、ついつい小言も増えてしまいがちです。
そこで、実践してほしいのが、日常のちょっとした会話を変えてみることです。
「ほめ達」という言葉をご存じでしょうか。
「日本ほめる達人協会」さんが提唱しておられ、私も「ほめ達3級」を取得しています。
「ほめ達」さんが言われているのが、「3Sを発信すること」・「ごめんねをありがとうに変えること」です。
3Sとは、「すごい!さすが!素晴らしい!」の3つのS。
「すごいねー、このノートのまとめかた、うまくできたね」
「いつも丁寧に書いてるからさすが!字がきれいで見やすいね」など。
テストの点がよかった時だけでなく、何気ない日常の行動に、3Sを使ってみてください。
これを提唱されている、同協会の理事長、西村貴好さんも、ちょっとした家庭の会話で、お子さんとの関係性がよくなってきたと言われておられました。
もう一つ、つい口にしがちな、「すみません」「ごめんね」を「ありがとう」に言い換えることも良いそうです。
「今日、お母さん帰るのが遅くなったね。ごめんね」を「お母さんが帰るまで、おばあちゃんとお留守番してくれたんだね、ありがとう」というように、変えてみてください。
ほめ達さんによると、人間はもともと〝自分が何かの役に立ちたい〟〝誰かに感謝されたい〟という気持ちを強く持っているのだそうです。その気持ちを満たすのが「ありがとう」という言葉。
元来、脳は怠け者だそうですので、意識して、3Sと「ありがとう」を増やしてみてください。きっと、家庭の中の笑顔も増えると思います。
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