そもそも「PTA」って?
日本におけるPTA(ピーティーエー、英語: Parent-Teacher Association)とは、各学校で組織された、保護者と教職員(児童を含まない)による社会教育関係団体のことである。任意加入の団体であり、結成や加入を義務付ける法的根拠は無く、全ての児童生徒のためのボランティア活動というのが本来のあり方である。
出典:ja.wikipedia.org
「すべての児童生徒のためのボランティア活動」をおこなう「任意加入の団体」であるのがPTA。
小学校などの義務教育では今まで当たり前のように親が役割を担ってきたPTAですが、任意加入なのでもちろん「参加しない」「退会する」ということも可能です。
PTAに加入すればほぼ必ず役員として仕事をしなければいけません。
仕事をしていたり小さな子どもを育てているママやパパはもちろん、さまざまな事情でPTA役員としての活動が難しいという方もおられます。
でも逆にPTA役員を経験したからこそ、多くのことを知り、友人も増えて生き生きと過ごすことができたという方も。
しかしそもそもPTAが“任意加入”なのに対し、学校側・PTA側がそれを保護者に徹底周知せず当たり前のように参加させていた…ということで、近年ではPTAを退会する方はもちろん、徹底周知と支払った分の返金を求めて裁判にまで発展する事例もありました。
ツイッタータグ「#PTAやめた」
PTAは加入の意思を問わず、児童の入学と同時に保護者を会員にする。 活動内容も知らないまま、役員や係決めが始まる。 「一人一役」という不気味なルールに踊らされ、個人情報を晒し免除を乞う。免除にならない場合も多々あるが、役員を免れてもその負担を受け負った者達に睨まれる。 #PTA #PTAやめた
出典:twitter.com
私は小学校を3回転校したんだけど、「あなたは転校生だから渡せない」ってよく言われたよ。お金払ってないからダメだって。だったら学校でみんないる時にすんなよなって子供ながらに感じてた。ムカついて先に帰ったこともあった。卒業証書の筒は実費請求された。PTAは子供の時から嫌い。 #PTAやめた
出典:twitter.com
私は卒業記念品代は払ってます。領収書ないけどね~必ず副校長に「全員に配るもので請求するならPTAにやらせないで学校側で教材費相当にしてください」と言ってる。何度言っても一向に改めないけどね #PTAやめた
出典:twitter.com
PTAをやめる動きがあるという。いいね。みんなでやめれば怖くない。必要なら、自発的に保護者の間から有志でまた立ち上がるよ。その時が本来のPTAの姿。
出典:twitter.com
“任意”加入でありながら、そもそも入会するかしないかの判断できることを保護者に徹底周知しないことや、必ず“一人一役”として何かの役をやらなければいけないこと。
共働きや核家族の忙しい家庭が増え、便利なモノや効率を求める風潮が強くなった現在で、「PTA」という組織だけが昔から変わらないまま“保護者の時間を奪っている”ことは、やはり根本的に改善が必要なのでは…と感じてしまいますね。
かといって現在、勇気をもって「PTAを退会する」という行動に移せるのは本当に少数の保護者のみ。
学年内に数人、もしくは学校内で数人程度の「PTA不参加者」であれば、逆にPTA参加者から怒りや不満の対象になってしまうことも考えられます。
まずは「PTA」という組織について各保護者が正しく知り、“自分はどうしたいのか”をしっかりと考えてみることが必要なのではないでしょうか。
PTAに参加するメリット・デメリット
・役員になると他の保護者と顔を合わせる機会が増えるため、話をするキッカケづくりになる
・子どもたちのために何ができるか、やりかた次第では素晴らしい内容の活動も可能
・役を担うことで、充実感と満足感が得られる
などなど。
実際に私は幼稚園のPTA役員を一度経験しましたが、簡単な役割だったこともあって楽しかったです。
その時一緒に役員をしたママ友は今でも遊んだり飲みに行ったりする友人。子ども同士も同じ習い事をしているので、今後もこの関係は続くでしょう。
私はやってみて、楽しかったなと感じました。しかし娘の通う幼稚園は私立。園によってどれくらいの活動量になるのかは変わってきます。
・時間をとって集まりや仕事をこなす必要があり、保護者によってはかなりの負担となる
・時間をとったわりに作業がアナログ。なかには「これ必要?」と感じてしまう作業も
・子どもの年齢、学年が上がるほどに役員の負担が大きくなる。幼稚園年長や小学校高学年になると「会長」など大きな役割もあり、立候補が出ず“クジ”で決まってしまうことが多い
時間と気持ちにゆとりがあり、なおかつコミュニケーション力の高い人はあまり苦にならないことも多いですが、全ての保護者がそうではありません。
本来“ボランティア”は、やりたい気持ちのある人がおこなうもの。
忙しくて大変ななか無理やり時間を割いて参加したあげく、ダラダラと生産性のない作業をおこなうのならやはり「不要なのでは」と感じてしまいます。
PTA、退会するには?
PTAからの「退会」はもちろん可能。
確実に退会するためには書面でしっかりと退会する旨を記載し、念のためコピーをとってから
・PTA会長に直接渡す
・PTA会長(もしくは校長)あてに郵送する
などが有効なよう。
PTAは学校とは違う組織であるため、PTAに関する責任などは会長が負います。
もし「クジで決まったからよく分からない」などという場合は、校長などにかけあってみても良いかもしれません。
「退会」が可能なのは、そもそも加入が任意である“公立”などの場合のみがほとんど。
“私立”ではその園や学校が独自のシステムを持っているため、入園・入学とPTA参加がセットになっている場合があります。
そもそもPTAは「すべての児童生徒のためのボランティア活動」であるため、児童に何らかの不都合が起こるのはあってはならないこと。
しかし配布物が配られなかったり、イベントへの参加が難しかったりという事例は今までにあったよう。
もちろんそんな事はあってはならないのですが、もし仮に起こってしまった場合は学校や教育委員会などへ伝えて対応してもらうことが必要です。
対応へは時間がかかることが予想されますから、何か気になることがあれば早め早めに確認しながら対応していくことが重要。
しかしそもそも義務教育の公立組織に入るうえでの“任意参加”なんだから、参加しなかった時にデメリットがあるなんておかしいことですよね…。
状況は改善の方向に動いています
以前はPTA側に名簿が渡り、保護者へのはっきりした確認を取らないままPTAへ加入する流れがありましたが、平成29年5月30日より個人情報保護法が改正され、各学校のPTAも適用対象となりました。
○保護者に個人情報を集める理由(目的)を伝え、通知・公表した上で、情報を
集めその情報を使用することが必要になります。
○学校が保護者から個人情報を集める際に、PTAに提供することを
伝え、通知して集め、PTAに提供することは可能な場合もあります。
出典:www.nippon-pta.or.jp
これはPTAの会員名簿作成などの際に関わってくることで入退会に直接関係することではありませんが、「この個人情報、PTA関係にも使いますよ」というお知らせを保護者に必ずしなければいけない…ということ。
もちろんPTAの入退会に関しては、確実に保護者に確認をとるため徹底周知される必要があります。
今回の法改正とたくさん上がる保護者の声により、今後少しずつ、しかし確実に状況は改善していくと思われます。
PTA自体は本来、教員や保護者などによる、子どもたちのための素晴らしい取り組みのはず。
もっともっと効率化し、簡単で意義のある内容になれば「やってみたい」と感じる方も増えるのではないでしょうか。
ただやみくもに叩くのではなく、多くの意見による建設的な議論がされ、PTAが子どもたちや保護者にとって有意義なものになることが望まれます。