★システムコーチングってなんでしょう?
『コーチング』という言葉は、だいぶ日本においても定着してきた感があります。ですが、『システムコーチング』という言葉は初めて聞かれる方も多いのではないでしょうか。システムコーチングとは、1対1のコーチングとは異なり、2人以上の組織(夫婦やカップル、家族、会社の組織etc.)の間にある関係性にフォーカスして、よりより関係性を築いていくことを目的としたコーチングです。
システム・コーチング®=ORSC®は1対n(複数)の関係、つまり2人以上のパートナーシップやチームをクライアントとするコーチングです。システム・コーチング®=ORSC®では、その複数名のクライアント全体を‘システム’と捉え、「生きている一つの有機体」として接していきます。その点で、複数名のクライアント一人ひとりをバラバラの存在と捉えて1対1のコーチングを同じ時間と場所で提供するグループでのコーチングとは明確な一線を画すものです。
出典:www.crrjapan.co.jp
つまり、夫や妻それぞれが主役というよりは、2人の間にある関係性が主役で、『よりよい関係性』を創り上げていくためのプロセスの一つと言えます。そして、その関係性を創り上げていくのは私たち夫婦であり、コーチがなにか指導してくれる…というわけではないことをお伝えしておきます。よく海外の映画やドラマで見る「夫婦カウンセリング」とは少し意味合いが異なっているんですね。
「カウンセリングとの違いは?」と聞いてみたところ、「カウンセリングは、物の見方を変えるとか、癒すことがいったんの目標。コーチングでは、行動に移すことを考えてもらいます」とのことでした。なるほど実践的!
出典:kobeni.hatenablog.jp
そしてここで大事なのは、お互いが「意図的」に「関係性」を創り上げていくこと。自分の仕事やキャリアは意図的に創り上げていくことは当然のようにしているのに、ついついあって当たりまえと夫婦関係は「意図的」に創り上げることをないがしろにしていまいがち。
あなたは大切な人とのつながりを育てていますか?関係性は「環境に応じて変わっていくもの」という実感はあると思うのですが、「意図的に育てていくもの」と意識している人は少ないかもしれません。2年前、我が家夫婦のパートナーシップに、私は大変不満足な状態でした。~中略~それが今では、少しづつではありますが改善してきています。それが実現できてきたのは、「意図的に育てること」を実行してきたから。それは、「夫婦の関係性」という日常的にいつもそこにある、道端にある小さな草木に、わざわざ丹念に水やりをするような感覚でした。
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★「旦那さん引き受けてくれないよ」の思い込み
私たち夫婦は結婚12年目。家族構成は夫婦と小学生男子2人。夫婦2人とも働いており、平日も週末も、家事・子供たちの習い事や自分たちの勉強や仕事で忙しい。お互いの用事・予定については共有するものの、忙しさを理由にもっと家族や夫婦に関する本質的なことや未来について語り合えてない気がする…。そんな時間を持ちたい、けどなんとなく言い出しにくい。そんな想いがずっと私の中にありました。そんなときに、元会社の上司から『夫婦でコーチングを受けてみないか?』とのお誘いを受けるのです。
まず一番最初に私の心の中に浮かんだのは「いやぁ、旦那さんどうせ引き受けてくれないだろうな」ということ。コーチングを受けることや、他の人に家族や夫婦のことを聞かれることに積極的でないだろう、という先入観・思い込みがあったのです。そこでダメ元で「○○さんからこんな提案を受けたんだけど…」と聞いてみると、「いいよ」のあっさり返事。こちらがむしろ驚くくらいでした。
相手のことをよく分かっている、と思っていても、実はそれは勝手な『思い込み』や『先入観』からできている。「こんなこと頼んでもダメだろうなぁ?」と思って、頼む前からやめていること、ありませんか?意外にそれは『思い込み』かもしれませんよ。
★「そんな風に感じていたのね」目からウロコの初セッション
どんな風にシステムコーチングが進むかというと、1時間くらいの時間を設定し(セッション)、夫婦2人がコーチの問いかけに答えながら、それぞれ感じたこと、考えたことを共有していく、というプロセスをとります。セッションのテーマは夫婦で設定してもOKですし、特になければ「より良い関係性を築くために」というテーマで、コーチからの質問に答えていく形になります。
人間関係においてそのつながりを蘇らせるためのカンフル剤となるのは、その関係の「初めて」を語ることです。実は、これは関係性を扱うコーチがセッションで行う常套手段でもあります。具体的には、・私たちの出会いはどんなものだったか・初めて会った時、相手のどんなところに魅かれたか・出会った初めの頃のエピソード。そんなことを話すことで、つながりを蘇らせることができます。少し照れくさいでしょうが、それがポイント。こんなことを互いに話すと、関係性が変わってきます。
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私たちもそんな2人の「初めて」を語るところからスタートし、その後の関係性の変化の中でお互いに感じたこと、お互いへ感謝していること、尊敬しているところ、私たちはどんなチームであるか、どんなチームではないか、など、コーチが出してくる様々な問いにお互い答えていきました。普段はそんなこと時間をとって聞いたり、話したりしないことばかり。お互いへの感謝や尊敬などを話しているだけで、自然と泣いてしまいました。
セッションを受けてみると、同じ家に暮らしているし、けっこう理解していると思っていたけれど「え?そんなこと考えてたの?」「そんな風に感じていたなんて」という目からウロコのことばかり。それこそ「思い込み」や「先入観」で理解していると思っていたことも。こんな風に思い込みに基づいたコミュニケーションをよくとっていまっているんだな、と考えさせられました。みなさんも、身に覚えがないですか?システムコーチングを受けられた他の夫婦の方もこんな風に書かれています。
小一時間ばかりのセッション(と呼ぶらしい)の間に、私はいったい何度、夫を二度見したことか!おそらく夫もそうだったことだろう!お互いに、「そんな風に思ってたんかいな」という発見があり、いかに普段から本音の部分を「言わなくてもわかるだろ」的コミュニケーションでごまかしていたか…ということが、よーく分かりました。
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そんな想像や思い込みの世界で悶々としていた二人の前に「え?そんな風に思っていたの?!」という発見が起こります。そして「私」ではなく「私たちはどうしていきたいのか」という声に耳を傾けることによってより良い関係を築くための行動をスタートさせます。
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知っていると思い込んでいたり、気恥ずかしいからあえて本音で語り合えなかったり、あるいは、「ジャッジ」されるのが怖くて相手に本音で話せなかったり。現状のパートナーシップの在り方はさまざまだと思います。でもどんなパートナーシップであっても(どんな関係性であっても)、まず最初のスタートは「自分の思い込み」に気づき、「相手を知る」ところからスタートしてみましょう。
最初に始めたのは「相手をよく知る」ということ。結婚16年目にして「相手を知る」ってどういうこと?!と思うのが普通かもしれませんが、夫婦って意外と相手のことを知らないことが多いんですよ!これは、夫婦のコーチングセッションをしていると本当によく感じることです。 相手をよく知り、理解すればするほど、結びつきは強くなります。結婚と家族問題については先端を行く学究者であるジョン・M・ゴットマンの学説では、この「相手の人生についての情報」を「愛情地図」というそうです。
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★最後に夫婦で「具体的なアクション」を決める
セッションの最後には、1時間2人で話してきたことを通して、なにかしてみたいことを夫婦2人で決めるようコーチから促されます。これにはもちろん決まった答えはなく、夫婦それぞれアクションは異なります。「夫婦2人で一緒にできる趣味を見つける」や「日程を決めて2人で映画を見に行く」など、色々な具体的アクションがそこで決められます。ちなみに我が家のアクションは「年末年始に、去年のふりかえりと来年の目標の共有を時間をとってする」でした。もちろん、きちんとしましたよ!
お互いで前々からそういう時間をとりたいと思っていたことを共有した上で、お休みの期間にじっくり2人で時間をとったので、とても有意義な時間を過ごせました。相手への理解、相手の未来への想いの理解が深まる、貴重な時間になったと思います。
★夫婦だからこそ「意図的」な関係性を!
夫婦というパートナーシップは、なぜかいつも私たちに色々な課題を投げかけてきます。もっとも近い存在であるからこそ、もっとも難しい。もっとも理解してほしい存在であるのに、もっとも理解してもらえない。そんな痛みや苦しみを抱える夫婦もいっぱいいるのではないでしょうか。そこで諦めるのか、あるいはないこととして見て見ぬフリをして過ごすのか。もちろんそれでもOKだと思います。ただ、そこに痛みや苦しみがあるのは、本当は「理解されたい」「愛されたい」という思いがあるから。その自分の気持ちだけは、どんなに頑張っても見て見ぬフリを続けることはできない、と私は思います。
で、あれば、今から初めてみませんか?まず自分の痛みや苦しみとその奥にある愛を認めて、「意図的」な関係性を作り出す第一歩を踏み出してみましょう!もちろん時間もパワーもかかります。でも、トライする価値はある。だって、何十億人に中から、なぜかその人を選んで結婚したんですから。1人で、あるいは2人でする自信がなければ、システムコーチングを受けるという手もありますよ。
我が家のシステムコーチングセッションは始まったばかり。まだ旅は続いていきます。今後も継続的にレポートしていきたいと思います。