日本より過酷?ロンドンのワーママのサバイバル術とは
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「日本のワーママ環境は過酷」。よく議論されている話ですね。しかしイギリスの働くママたちの環境も決して楽ではありません。しかしポイントは「ママ」のみに焦点をあてない働き方。今すぐには難しくても、いずれ日本もこうなってほしいという期待も込めて現地ロンドンよりレポートします。
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「海外は子育て先進国」・・・じゃない!?
ロンドンは意外と過酷な環境
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イギリスでは日本よりも、「預けて働く」ことにかなりコストがかかります。
まずベビーの公立保育園がない為、2歳半や3歳までは完全に私立のみ。ベビーシッターなどを雇うにしろ、私立に行くにしろかなりの高額。復帰した方がかえって赤字というのも決して珍しくないケースです。
小学校にあがっても送り迎えは親(もしくはシッターさん)がする必要があり、こどものお休みも日本より多い為、ワーキングマザーをとりまく環境としてはなかなか厳しいものがあるのです。
収入に応じて保育料が変わることも特になかったり、こどものみのお留守番はNGだったりと、
日本と比べて大変な面も多くあるイギリスのワーママ環境。
そんな中、どのようにママたちはサバイブしているのでしょうか?
ポイントは「ママだけ」に焦点を当てないことのようです。
ポイント①家族の不調で有給消化しなくてOK!
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有給とは別で休みが取れる
本人や家族が病気になってしまった時には、有給休暇から引かれることなく休みを取ることができます。
その為、「有給が残り少ないのに・・・」という心配をする必要はありません。
これは精神的にも負担が少なくなりますね。
そして大切なポイントは何より、父親も臆することなくこの休暇を利用するということ。
夫のロンドンの会社も、
「娘の健診で」「息子が風邪で・・」と、パパたちがお休みを取ることは全く珍しいことではありません。
ポイント②週「4」勤務が珍しくない!
勤務「総時間」で日数を調整
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日本では働くママの復帰は「時短」が主になりますが、イギリスでは「週4勤務」からというママも多いです。
ナーサリー代が高額であるイギリスでは1日預けない日があるだけでかなり違いますし、総労働時間を変えずに週4で週5分働くという契約もできます。
これは期間限定でも可能なので、お試しで半年間やってみる、なんてこともできます。
これは子育て世代に限った話ではなく、「フルタイム勤務」にそこまでの絶対的価値が置かれていない点も大きいです。
ポイント➂「ワーク・フロム・ホーム」制度
在宅で仕事をする日もあってOK
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こちらも子育て世代に限った話ではありませんが、自宅で仕事をすることが認められている企業は多数あります。
仕事が効率良く、きちんと出来ているのであれば、オフィスにいるかいないかは特段誰も気にしていません。
(イギリスで驚いたことの一つに、日本でボードで管理されているような予定表がなく「皆の個々のスケジュールが分からない」ということがありました。)
日本人に比べ海外ではそもそもきちんと働いていない、というイメージを勝手に以前は抱いていましたが、「皆で同じ時間でせーので働かない」ということなのだと分かりました。必要であれば深夜や早朝でも皆時間を作り働いています。
都心への通勤時間を経てわざわざ会社でPCワークをする日、の代わりにワークフロムホームを週に少し取り入れるのはむしろ効率的ですよね。
ポイント④「父親も当然のように同じ」
パパも時短や在宅を活用
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ワーママを支える最大のポイントは、父親も同じように上記3つのポイントを駆使して働くという点です。
送り迎え必須で鍵っ子不可のロンドンでは、そもそも父親もある程度育児参加をしていかないと成り立ちません。
やはり、「働く母を支える」のみではなかなか厳しいものがあります。
このことを知るまでは、平日の公園の父親率の高さが長らく謎でしたが、勤務形態の柔軟さがもたらすものだと分かりました。
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「働く女性を応援」
日本でよく聞く言葉ですが、イギリスの例を目の当たりにするうち、女性のみならず男性を含めて変えていかないとワーママの環境は厳しいままだと実感。
イギリスのようなフレキシブルさが、当たり前になることを願いつつ。