イギリスで驚いた、日本育児の紹介率の高さ
イギリスに住んで驚いたことのひとつが、「イギリスの子どもたちは赤ちゃんでも皆行儀がよく、しつけが行き届いている!」ということ。
育児やしつけでどんな違いがあるのかな、と気になり新聞や現地育児サイト、教育番組を見ていると、驚くべきことに「日本の育児」が至る所で絶賛されているのです!
「イギリス式を知りたい!」という思いで情報収集をしていたので不思議な気分になりました。今回はそんな海外から見た「日本の育児の素晴らしさ」についてご紹介します。
①「食育」がヘルシーだと絶賛!
「日本のこどもは世界一健康」という本が出版
イギリスでは昨年、アメリカ人と日本人の夫婦による著書「世界で一番健康なこども達の秘密」という本が出版されました。
世界五大医学雑誌の一つ「ランセット」において、日本の子どもたちが一番健康である、という調査結果が出たことや、野菜や魚を多く取り入れた食事やお弁当作りをする日本のママについて書かれています。
近年、こどもの栄養バランスの崩れや砂糖の過剰摂取が問題になっているイギリスでは話題になりました。
日本の手作りお弁当のすごさがニュースに
イギリスのBBCニュースでは日本のお弁当は味やヘルシーさのみならず、見た目の美しさも求められており、母親たちがなんとそれを手作りしていることをリポート。キャラ弁レッスンで学ぶママたちの姿も報じられています。
何より「手作りのお弁当」自体が驚異的なことだと称賛されています!
英語ですが公式動画でその模様が視聴可能です。
Some Japanese parents go to extraordinary lengths to give their children the perfect packed lunch.
②「早い独立」がすごいと称賛!
驚異的な通学
私を含め日本人的には「個」を重視する欧米の方がこども達の自立が早いようなイメージですが、海外ではこどもの時に公共交通機関の利用を伴う通学など、一人やこどもだけで行動することが驚くべきこととして称賛されています。
「日本の親達はこどもに幼いうちから独立を学ぶ為の多くの機会を与えている!」
「日本では親は欧米のように過度な赤ちゃん扱いをしないのだ!」
等と称賛されていますが、あわせて日本の犯罪率の低さや安全な地域社会にも触れられています。
これは教育というよりも世界的に見ても驚異的に安全な日本だからできることであって、教育のおかげではないように感じますが、海外ではこれを「早い独立」として報じているメディアは非常に多いです。
驚異的な独立性「はじめてのおつかい」
そもそもその危険性から、こども達だけで外出や通学をしない海外の人々にとって、おつかい自体も驚異的な行動として紹介されています。
海外では、日本のこども達が「自己規制」をきちんと行えるようになる日本式教育の賜物として、このようなテレビ番組が成り立つのであると絶賛。
日本のこども達の自己統率力の素晴らしい事例が「はじめてのおつかい」で見ることができます。「はじめてのおつかい」は日本で人気のあるテレビ番組で、兄弟が初めて両親から与えられたタスクの為街へ出かけるリアリティーショーです。(筆者訳)
出典:www.brianlosullivan.com
このような特異な日本の文化について、文化人類学者のドウェイン・ディクソン氏は「日本のこどもが自信過剰なわけではなく、日本には『集団の信頼』があるため、このような文化が成立するのです」と説明しています。ディクソン氏いわく、日本のコミュニティでは子どもが「周囲に助けを求めても大丈夫」ということを早い段階で学習しているとのこと。日本の小学校では、給食当番や掃除当番などが割り当てられますが、こどもたちは自分に当番が回ってくることがわかるため「トイレを清潔に使わないといけない」ということを学ぶことができます。
出典:news.livedoor.com
➂「赤ちゃんとママが近い」が大絶賛!!
赤ちゃん中心の日本の母を称賛!?
日本人の母は、こどものニーズを先読みし、騒ぎを起こす前に予想することは特に優先順位を高く置いています。(中略)赤ちゃんから離れて夜映画に行くことや、パパとママだけで週末旅行に行くことは、日本では一般的ではなく、あまり受け入れられていません。
出典:www.brianlosullivan.com
日本では逆に、「日本ではママ個人の時間があまりにもないから欧米流を見習うべき!」という風潮ですよね。
私個人は赤ちゃんを預けて旅行しても心配で楽しめない自信がありますが、欧米では母親の「自分時間への割り切り」が当たり前になっていることで逆にこの日本の母子の密着が時に好ましく語られているようです。
海外で日本育児が絶賛されている理由の一つに、ドイツの発達心理学者ハイジ・ケラー氏の著書があります。
彼女は子育てを「近位」と「遠位」に分け、赤ちゃんと常に一緒であり、一緒のお風呂や添い寝が一般的な日本の育児を「近位」的育児とし、この日本の育児こそが前述の自己統率力の早期開発に相関していると説いているのです。
視点が変わるとこうも違うのかと驚かされますね。子育てはつくづく文化だと実感。
国内では海外と比べて批判されがちな日本の子育て、胸を張ってこどもと向き合いましょう!