思いやりのリレー。大人もクスッとくる絵本『どうぞのいす』の魅力
うさぎさんは小さな椅子をつくって大きな木の下に置きました。その名も「どうぞのいす」。さて、その小さないすからどんな物語がはじまるのでしょうか?
『どうぞのいす』
うさぎさんはある日小さなイスをつくり、大きな木の下に置きました。そして、その横に「どうぞのいす」という立札を立てます。そこに最初にやってきたのは、どんぐりをたーくさん拾って疲れたロバさん。どんぐりのカゴをイスの上に置いて、ちょっとお昼寝。
ロバさんがぐっすり寝込んでいると、そこへクマさん、キツネさん、リスさんとどんどん動物たちが通りかかります。「どうぞのいす」という立札を見て「どうぞ食べてください」という意味に勘違いした動物たちは、イスに乗っているものを食べてしまうのです。しかし、その度に「でも からっぽに してしまっては あとの ひとに おきのどく。」といって、次の人のためになにかを残していくのですが・・・?
はたして、お昼寝から目覚めたロバさんがイスの上に目にするものは?動物たちが、次の人やみんなを思いやる”やさしさ”をリレーのようにつなげていく物語。けっして「どうぞのいす」から食べ物がなくなることはありません。ほんわかしたイラストとやさしい気持ちが溢れる絵本に、心がジワーっと温かくなります。
一緒に読んだ大人も、子供たちも、様々な”やさしさ””思いやり”についてのの学びを受け取っているようです。
どうぞの椅子に色んな動物がやってくる、読むと心が暖まるお話です♪子供に「どうぞ」を理解するきっかけになったり、他者を思いやる心を持ってくれたらな、、、と思って読みきかせてます。絵柄も可愛らしく味があっていいですね。何回読んでも飽きません。
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お友達が遊びに来たとき、娘が「どうぞのいすだよ」といすを貸してあげたりして、私も嬉しくなりました。絵本の中で、どうぞならばえんりょなくといただいて、次の誰かのために、どうぞと置いていく。思いやりというものを、絵とお話で表現しているすばらしい絵本だと思います。
出典:www.ehonnavi.net
また、親である自分が口でいくら「相手の気持ちを考えて!」と伝えても、なかなか子供たちに理解してもらうのは難しい。そんなときに、この絵本を読んで子供たちに「相手を思いやる気持ちとは」について感じ取ってほしいと考えている親御さんもいます。
4歳の娘は、「自分が!自分が!」というタイプ。人のことを考えて行動することは、なかなか難しいです。あまり私が言い過ぎるのもどうかな?と思うので、このどうぞのいすを読み聞かせながら、その気持ちの温かさに気づいてほしいと思います。このお話は、何回も繰り返して読んでいきたい絵本です。
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「どうぞ」と自分の持っているものをさしだす気持ちと、「でも からっぽに してしまっては あとの ひとに おきのどく」と自分よりあとの人を思いやる気持ち。そんな優しさの連鎖が、誰にとっても優しい社会を作っていくのかもしれません。実は、まだ小さい子供たちはどちらもとっても苦手です。かくいう大人の私たちでさえ、ついつい忙しくて日常の中、忘れがちではないですか?子供たちに、絵本や毎日の体験を通して、大切な価値観を伝えていく。そんな役割を担う大切な絵本になりそうですね。
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