生きること、愛するということ…大切な気持ちはきっと伝わる。心温まる絵本『だいすきなパパへ』
海辺で暮らすビーバーの子ども、バークリー。
もう会えないパパへ届くよう、思いを込めて船を作り、流していましたが、ある時おもいもよらない事実を知ることになります。
ママとバークリー、パパへの愛を感じられる優しくて素敵なストーリー。
じんわりと心が温まる、オススメ絵本です。
バークリーのお誕生日、手作りの船をパパに届けと流します
<あらすじ>
海辺で暮らすビーバーの親子、ママとバークリー。ある時、浜辺に流れ着いた木をつかってふねをつくります。
「ママ、みて、ふねをつくったよ。パパにあげようかな」
「あらすてき!きっとパパがよろこぶわ」
パパに会いたくなったバークリーですが、もうパパとは会うことができません。
やがてバークリーのお誕生日がやってきました。
ママからプレゼントでもらった「えのぐ」と「ふで」を使って、バークリーはふねに色をぬり、パパへのメッセージカードをつけて海に流したのでした。
「パパのところに届きますように!このまま戻ってこなかったら、パパが受け取ったってことだよね!」
波に揺られ、見えなくなった船。パパに届きますように。
優しくて穏やかな色づかい。思わず涙があふれます
ママのたっぷりの愛に包まれながら暮らす様子が描かれる絵本は、優しくてシンプルで、ずっと眺めていたくなるような素敵なイラスト。
深くバリエーション豊かな色合いは、その時々のママやバークリーの気持ちを表しているようです。
「バークリーがすやすやねむるころ、ママはひとりではまべをあるいて、パパのことをおもいました。ママもパパにあいたかったのです。」
あうぅぅぅ……涙腺崩壊(´;ω;`)
またやってきたお誕生日。意外な事実を知ることになります
それから、なにか特別なことがあるたびに、ふねを海に流しはじめたバークリーとママ。
思考錯誤しながら、どんどん上手にふねを作れるようになるバークリー。なぜなら、パパのためにもっと素敵なふねを作りたかったから。
一年がたち、またバークリーのお誕生日がやってきました。
またふねを浮かべようとしたのですが、パパのためのメッセージカードを忘れていたバークリー。
あわてて一人で家にもどり、ママの机を開けたバークリーは、意外な事実を知ることになります。
その後、浜辺にもどっていつものようにふねを流したバークリー。
夜、ママがふねを回収しようとした時、目にしたメッセージとは……
ママとバークリーの優しい心に、思わず涙がホロリ。
「だいすきなパパへ」というタイトルの絵本ですが、このお話の中にパパは出てきません。
もう会うことができないパパを大切に想う、ママとバークリーのお話です。
バークリーはパパへ届いてほしい一心で海に船を浮かべますが、そんなバークリーをたっぷりの素敵な愛で包み込んでいたママ。
ママの愛に気づいたバークリーと、いつものようにふるまうママのやりとりは、シンプルだけれどとっても心が温まります。
手元に置いて何度も何度も読み返したくなるような、素敵なストーリー。
ぜひぜひ、親子で読んでみてくださいね。